アンペア
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アンペア(ampere) | |
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記号 | A |
系 | 国際単位系(基本単位) |
量 | 電流 |
定義 | 真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形の断面を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の1メートルにつき千万分の2ニュートンの力を及ぼし合う直流の電流 |
アンペア (ampere, 記号:A) は電流(量記号: I (直流), i (交流))の単位で、SI基本単位の一つである。また、起磁力(量記号: F , Fm )や磁位差(量記号: Um )の単位としても用いられる。
電流と磁界との関係を示した「アンペールの法則」に名を残すA.M.アンペールに因んで命名された。
現在のアンペアの定義は、「真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形の断面を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の1メートルにつき千万分の2ニュートン(2×10-7N)の力を及ぼし合う直流の電流」(計量単位令(平成4年政令第357号)による。ただし括弧内は編者注)である。この定義は、1948年の第9回国際度量衡総会(CGPM)で決定されたものである。この定義により、結果的に真空の透磁率μ0の値が正確に4π×10-7H/mに固定されることになる。1948年以前は、銀の電解析出率に基づく国際アンペア(international ampere)と呼ばれる定義が用いられていた。国際アンペアは1908年の万国電気単位会議によって決議された国際電気単位の一つで、現在の定義によるアンペアでは0.99985アンペアとなる。
なお、上記の定義では直流電流のみについて言及しているが、計量単位令では、「又はこれで定義したアンペアで表した瞬時値の2乗の一周期平均の平方根が1である交流の電流」と、交流電流についても定義している。
アンペアの値は電流天秤によって最も正確に知ることができるが、実際には電圧と電気抵抗の単位、すなわちボルトとオームからオームの法則によって測られる。
電荷の単位クーロン(C)はアンペアに基づいて定義されている。すなわち、1クーロンは1秒間に1アンペアの電流により流れる電荷である。電流は電荷が流れる率のことであるので、1アンペアは導体の断面を1秒間に1クーロンの電荷が流れる場合の電流(A=C/s)と定義することができる。
1クーロンは約6.24×1018個の荷電粒子と等しいので、1アンペアは1秒間に約6.24×1018個の荷電粒子が導体中を流れる状態と定義することもできる。
1Aは1000mAとも表す事ができる。
[編集] 関連項目
名称 | 記号 | 次元 | 物理量 |
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アンペア (SI基本単位) | A | A | 電流 |
クーロン | C | A·s | 電荷・電気量 |
ボルト | V | J/C = kg·m2·s−3·A−1 | 電圧・電位 |
オーム | Ω | V/A = kg·m2·s−3·A−2 | 電気抵抗・インピーダンス・リアクタンス |
オーム・メートル | Ω·m | kg·m3·s−3·A−2 | 電気抵抗率 |
ワット | W | V·A = kg·m2·s−3 | 電力・放射束 |
ファラド | F | C/V = kg−1·m−2·A2·s4 | 静電容量 |
ファラド毎メートル | F/m | kg−1·m−3·A2·s4 | 誘電率 |
逆ファラド(ダラフ) | F−1 | kg1·m2·A−2·s−4 | エラスタンス |
ジーメンス | S | Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 | コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンス |
ジーメンス毎メートル | S/m | kg−1·m−3·s3·A2 | 電気伝導度 |
ウェーバ | Wb | V·s = kg·m2·s−2·A−1 | 磁束 |
テスラ | T | Wb/m2 = kg·s−2·A−1 | 磁束密度 |
アンペア毎メートル | A/m | m−1·A | 磁場(磁場の強さ) |
アンペア毎ウェーバ | A/Wb | kg−1·m−2·s2·A2 | リラクタンス |
ヘンリー | H | Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 | インダクタンス |
ヘンリー毎メートル | H/m | kg·m·s−2·A−2 | 透磁率 |
(無次元数) | χ | - | 磁気感受率 |