グリーンランタン
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グリーンランタン(Green Lantern)は、DCコミックのスーパーヒーローである。
初代グリーンランタンは、『オール・アメリカン・コミックス』誌16号(1940年)でデビューした。
それ以降、数度の代替わりを経ているが、全てのグリーンランタンに共通する特徴として、パワーリングと呼ばれる特別な指輪を所有していることがあげられる。その指輪とそこから発せられるエネルギーは、使用者がそのコントロールを失わない限り、絶大なパワーをもたらしてくれる。
グリーンランタンは、1970年まで凡百のスーパーヒーローのひとりでしかなかったが、その当時(シルバー・エイジ)にDCコミックスが立ち上げた、人種差別や麻薬などの社会問題を意識的に取り上げたコミックシリーズで、弓術の達人グリーンアローと二代目グリーンランタンのコンビが主人公となり、好評を博した。
グリーンランタンはこのシリーズ企画で人気キャラクターとなったが、続いて展開された単独タイトルではSF色をより強くし、宇宙的なテーマを扱うようになった。
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[編集] キャラクター
[編集] ガーディアンズとコーズ
太古の昔、宇宙の中心にある惑星オア(OA)で発達した超科学により繁栄を謳歌していた異星人種族がいた。 現在から約44億年前、彼らの科学者うちの一人が、タブーとされていた「現在の宇宙創世以前の宇宙」の観察を試みるが、実験に失敗。次元を揺るがす大爆発がおこり、この宇宙と隣接しているアンチマター・ユニバースから、後に「悪」と名付けられる波動がこの宇宙に流出し始めた。オア人たちはこの事件を自らの原罪とし、ガーディアンズ・オブ・ユニバース(Guardians of the Universe)を名乗って、全宇宙の平和を守ることを誓う。
宇宙に秩序をもたらすことを使命としたガーディアンズは、まず混沌の存在である“魔法”を宇宙中から集め、異次元に封印する。(この“魔法”は後に自我を持ち、自らをスターハート(Starheart)と名乗るようになる。)
次にガーディアンズは、宇宙全域を守護する超警察機構、グリーンランタン・コーズ(Green Lantern Corps)を創設する。
これは全宇宙を惑星オアを中心とした3600の宙域(セクター)に分け、各セクターにひとりのコーズ隊員を派遣して平和の維持に当たらせるものである。各隊員には、意志の力を具現化させるパワーリングと、リングにエネルギーをチャージするランタンに似たパワーバッテリーが与えられた。
[編集] 初代グリーンランタン
本名、アラン・スコット(Alan Wellington Scott)。白人男性。
緑の炎を放つ隕石となって地球に墜落した、スターハートの破片から削り出された“生命のランタン”の力で、列車事故から命を救われた若き鉄道技師アラン・スコットは、その導きにしたがって魔法のリングとコスチュームを製作し、グリーンランタンと名乗ってクライムファイターになる。
そのスタイルは、
- 胸に緑のランタンマークをつけた赤いコスチューム
- 緑のタイツと赤いブーツ
- 緑色のマント
- 目を隠す緑色のアイマスク
- 左手の中指にはめた緑色のパワーリング
というもの。
パワーリングを通して魔力の結晶スターハートにアクセスし、その魔力を使うことが出来る。魔力はパワーリングから放射される緑色の光として発現し、使用者の意志力を具現化させる。ビーム状に投射したり、ソリッドライト(固形の光)として使用者が念じたとおりの物体を組み上げることもできる。
弱点は、木で出来た物質に対してはリングの魔力は無効化されることと、リングに蓄えられた魔力には限りがあり、24時間毎にランタンに接触させて魔力をチャージする必要があることの二つ。
女性ヴィラン、ソーン(Thorn)との間にジェニファーとトッドの双子を設けた。(このふたりは長じてそれぞれジェイド(Jade)、オブシディアン(Obsidian)を名乗り、ヒロイン/ヒーローとしてデビューする。)
『ゼロ・アワー』(Zero Hour)事件で魔力のパワーリングを破壊されたアランは、グリーンランタンの称号をカイル・ライナー(後述。五代目グリーンランタン)に譲って引退を決意するが、自身の体内にスターハートの破片が残存していることに気付き、センチネルと改名してヒーローに復帰する。
その後、何者かに誘拐された娘ジェニーを探すセンチネル(アラン)は、悪しき存在と化したスターハートと遭遇。ジェニーを救うために自身の能力をスターハートに返上する。そのため、魔力によって維持していた若さを失って急速に老化して倒れる。しかし、スターハートを騙してその魔力にアクセスしたジェニーによって復活し、スターハートは倒された。(『ハート・オブ・ダークネス』(Heart of Darkness)事件)
[編集] 二代目グリーンランタン
本名、ハル・ジョーダン(Harold (Hal) Jordan)。白人男性。
地球を含むセクター2814のグリーンランタンとして活動中だった赤い肌の異星人アビン・サー(Abin Sur)は敵との戦いで重傷を負い、地球に不時着する。瀕死の彼は自分のパワーリングに、グリーンランタンの称号を受け継ぐに相応しい人間を捜すように命令する。
パワーリングの緑の輝きはコーストシティに住むテストパイロット、ハル・ジョーダンを選び出し、アビン・サーの元へ召還した。アビン・サーの意志を継いだジョーダンは、地球人初のグリーンランタン・コーズ隊員として、地球の、そしてセクター2814の平和を守るための戦いに身を投じる。
そのスタイルは、
- 胸に白地に緑のランタンマーク
- 首から下の全身を覆う緑と黒のボディースーツ
- 緑色のブーツ
- 目を覆う緑色のアイマスク
- 白い手袋
- 右手の中指にはめた緑色のパワーリング
というもの。
武器は、エネルギーを投射するパワーリング。エネルギー源は惑星オアに設置されたセントラル・パワーバッテリーで、ランタンに似たパワーバッテリーを通じて、セントラル・パワーバッテリーにアクセスしてエネルギーをチャージする。
このエネルギーは緑色の光として発現し、その威力は使用者の意志力に比例する。ビーム状に投射したり、ソリッドライトとして使用者が念じたとおりのありとあらゆるもの(バリア、火器を含む武器類、馬やドラゴンなどの騎獣、クレーンやハンマーなどの重機類など)を仮想的に実体化させられる。また、超光速で宇宙を飛ぶ飛行能力を与え、他の隊員とのテレパシー通信を可能とする。
弱点は、黄色の物質に対しては効き目がないこと、リングのエネルギーはチャージしてから24時間で切れ、パワーバッテリーと接触させて再度エネルギーをチャージする必要があることの二つ。ただし、24時間以内ならば、リングのエネルギーは使用者の意志力が続く限り無尽蔵に引き出すことができる。
スーパーマンに恨みを持つヴィラン、サイボーグと異星人モングールによって生まれ故郷のコーストシティを破壊されてしまったハルは、パワーリングの力を使ってコーストシティとそこに住む愛する人々を甦らせようとする。しかしガーディアンズは、ハルが私利私欲のためパワーリングの力を使ったと判断し、彼を更迭しようとした。
この処置に納得できないハルは、惑星オアへ赴き、セントラル・パワーバッテリーを奪取しようとする。ガーディアンズは、他のグリーンランタン・コーズを差し向けてハルを止めようとするが、狂気に突き動かされたハルにかなうものは無く、次々と倒されてパワーリングを奪われていく。最後の手段として幽閉から開放された宿敵シネストロとの決戦にも勝利したハルは、ついにセントラル・パワーバッテリーを掌握し、狂気のグリーンランタン、生きたパワーリングことパララックス(Parallax)へと変貌する。
パララックスがセントラル・パワーバッテリーのエネルギーを吸収しつくしたことによって、ガーディアンズは全滅する。唯一、生き残ったのは、ガンセット(Ganthet)というガーディアンだけだった。(『エメラルド・トワイライト』(Emerald Twilight)事件)
その後パララックスは、『クライシス』(Crisis)事件で生じた時空エネルギーを用いて、「すべての悪と不条理を消すため、宇宙をゼロから作り直す」ことを画策。時空魔人エクスタントを操り、悲劇の原因となった時間をリセットしようとして『ゼロ・アワー』事件を引き起こす。
しかし、恒星を喰らうガス状宇宙怪獣サンイーターが太陽系に襲来した『ファイナルナイト』(Final Night)事件で、自らの命と引き換えにサンイーターを倒して息絶える。
いったん死亡したパララックスだが、『デイ・オブ・ジャッジメント』(Day of Judgment)事件をきっかけに、復讐の精霊スペクター(Spectre)と合一して復活。現在は新たなスペクターとして現世を守護している。
[編集] 三代目グリーンランタン
本名:ジョン・スチュワート。黒人男性。
元アメリカ海兵隊員。二代目グリーンランタンの予備として選ばれる。
そのスタイルは、二代目グリーンランタンに準じる。
ハル・ジョーダンに変わって、セクター2814の正規隊員に昇格するが、グリーンランタン・コーズは『エメラルド・トワイライト』事件で壊滅。
その後、宇宙警察ダークスターズに参加するが、ある事件でダークスターズが壊滅した際に重傷を負い、ヒーローを引退。
なおテレビアニメ「ジャスティス・リーグ」ではチーム唯一の黒人メンバーとして活躍している。
[編集] 四代目グリーンランタン
本名:ガイ・ガードナー(Guy Gardner)。白人男性。
アビン・サーのパワーリングがハル・ジョーダンと同時に選んだもう一人の候補者。たまたまハルの方がアビン・サーの宇宙船に近かったために選ばれず、予備となる。ちょうどそのころ、事故で重傷を負ってしまい、ジョン・スチュワート(後の三代目グリーンランタン)に予備の座をゆずり渡す。
その後、ハル・ジョーダンが地球を離れているときの代理グリーンランタンに昇格するが、ガイがリングを充電しようとした際に故障していたパワーバッテリーが爆発し、異空間に吹き飛ばされる。後にハルによって救出されるが、脳に障害を負ってしまい植物人間になる。
そのスタイルは、
- 黒のボディースーツ
- 緑色のジャケット(襟付き、袖なし、白地に緑のランタンマーク付き)
- 白いベルト
- 白い手袋
- 緑色のブーツ
- マッシュルームカットの頭髪
というもの。
『クライシス・オン・インフィナイト・アースズ』(Crisis on Infinite Earths)事件の際に、ガーディアンズが彼を治療して改めてリングを与え、正規隊員に昇格させる。その後、セクター2814のグリーンランタンの座を巡ってハルと戦うが敗北し、リングを返上する。
だが復帰の機会を狙っていた彼は、グリーンランタン・コーズの仇敵、シネストロの墓を暴いてイエロー・パワーリングを奪う。しかし、パララックスと化したハルとの戦いでそのリングも破壊されてしまう。
その後、彼が実は太古の昔に地球に飛来した身体変形能力を持つ異星人の血を引いていることが判明、身体各部を武器に変身させる能力に開花する。(これによりウォリアーと改名。)
[編集] 五代目グリーンランタン
本名、カイル・ライナー(Kyle Rayner)。白人男性。
『エメラルド・トワイライト』事件により、グリーンランタン・コーズは壊滅し、ガーディアンズも、ガンセットひとりを除いて死に絶えてしまった。ガンセットは、ハル・ジョーダンの持っていた破壊されたパワーリングを再生させ、地球へ赴く。
ガンセットはフリーのイラストレーター、カイル・ライナーに再生リングを託し、宇宙最後のグリーンランタンに任命した。はじめは与えられた力の大きさに戸惑うカイルだったが、恋人のアレックスがヴィラン、メジャー・フォースに殺されたことを機に、リングの力とその責任を自覚する。
そのスタイルは、
- 左胸に黒と緑で描かれた様式化されたランタンマーク
- 首から下の全身を覆う白と黒のボディースーツ
- 緑色のソリッドライトで出来たガントレット(手甲)とブーツ
- 目を覆う緑色のソリッドライト製のアーマー型アイマスク
- 右手の中指にはめた緑色のパワーリング
というもの。
失われたセントラル・パワーバッテリーの破片から作られたパワーバッテリーを通じて、異次元のエネルギー源にアクセスし、リングにエネルギーをチャージする。
従来の弱点であった「黄色の物質に対する無効性」はガンセットにより取り除かれており、また24時間ごとにチャージする必要もなくなった。ただしリングにチャージされているエネルギーには限りがあり、残量が少なくなるとバッテリーと接触させて再チャージする必要がある。
元イラストレーターということもあって、ソリッドライトのデザインに長けており、多彩な武装や装置を具現化することが出来る。
[編集] 六代目グリーンランタン
本名、ジェニー・リン・ヘイデン。白人女性。初代グリーンランタン、アラン・スコットの娘。元は魔法系のスーパーヒロイン、ジェイド。
『エメラルド・ナイツ』(Emerald Knights)事件で、五代目グリーンランタンのカイルは、過去から来た二代目グリーンランタンことパララックスになる前のハル・ジョーダンから、ある特別なパワーリングを託される。このリングは所持者の意志によってパワーリングを複製する機能をもっていた。カイルはこのリングを使ってグリーンランタン・コーズを復活させようと考え、候補者を求めて宇宙へ旅立った。
彼が地球を離れている間、地球を守るグリーンランタンとして、また新生コーズの最初のメンバーとして、最初の複製リングを渡されたのがジェニーである。
そのスタイルは、二代目グリーンランタンとほとんど同じボディースーツだが、アイマスクがないこと、手袋が白い長手袋になっていること、ブーツが白いことが異なる。
パワーリングのパワー以外に、植物を自由に操る魔力を持つ。
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