ゲーマー
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ゲーマー(gamer)とは、ゲームを趣味とする愛好家、またはゲームをプレイすることにより、何らかの利益を得ている者たちの呼称。
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[編集] 概要
単に「ゲーマー」といえば、日本では主にコンピュータゲームの愛好家を指しているが、本来はゲーム(英)と名の付くボードゲーム・カードゲーム・テーブルトークRPGなどの愛好家、更にはサバイバルゲームやスポーツ・フィッシング・趣味での狩猟の愛好者なども含めた呼称である。本稿では主にコンピュータゲームに関するゲーマーについて述べる。それ以外のゲーマーに関しては、各々の項における愛好者層などを参照されたし。
古くコンピュータゲームが高価で多大な出費を強いられていた時代には、これで遊ぶ者は様々な系統のマニアの1ジャンルとして見られることが多く、「ゲーマー」という呼称もこのマニアの延長で用いられていた。しかし、最近ではコンピュータゲームが一般に浸透したため、趣味としてゲームをしているからといってマニア扱いされたり、ゲーマーと呼ばれることは余り無く、コンピューターゲームで遊ぶことは一般的な趣味として認識される傾向がある。
しかしそれでも熱心なゲーム愛好者の中には自身のことをゲーマーだと称したり、あるいはゲームをプレイする事で何かを得ている者の中には、この名称で呼ばれる者もいる。
[編集] ゲーマーの分類
日本では1980年代のファミリーコンピュータ流行時と、1990年代中~末頃の対戦格闘ゲーム流行時に、ゲーマーと呼ばれる人が存在した。
前者の1980年代のゲーマーは、単にゲーム好きの青少年による自称であったり、高橋名人をはじめとするゲームソフトメーカーの社員であったり、あるいは契約社員などの形でゲームメーカーでデバッグを行う者や、出版社が発行する攻略本などのゲームライター、あるいはゲーム好きのタレントや、毛利名人をはじめとするタレント化したゲーム愛好者など、様々な系統が見られる。ファミコン名人の項を参照されたし。
後者の1990年代のものでは、対戦格闘ゲームが人間対人間の競技的な性格を持つことから、ローカルチャンピオンから著名な格闘ゲーム・ゲーマーまでおり、この中にはタレント化する者もみられた。この一部にはコスプレゲーマーのような他のサブカルチャーと融合した者も見られ、多様なゲーマー文化を形作っていた。
現在ではゲームが趣味として一般的でもあるため、以下に述べる分類の中でもライトゲーマーは「単なるゲームで遊ぶことがある人」とみなされ、ヘビーゲーマーやコアゲーマーはおたくの一ジャンルに取り込まれ、ミドルゲーマーに関しては「おたくと一般人の中間」程度にしかみなされない傾向もみられる。ただ対外的に「ゲームおたく」と評されるのを厭ってゲーマーを自称するものもいる。
プロゲーマーに至っては、近年では異常に難易度の高いゲームがユーザーやゲーム評価雑誌にクソゲーだなどと酷評される傾向を含むため、プロゲーマーくらいにしかクリアできないようなゲームが開発されなくなった事から、ゲームメーカー側がプロゲーマーを擁することは減ったものの、攻略本やチートプログラムメーカーなどといった一部にみられる。
しかし2000年代より、リアルマネートレード(RMT)のような、「ゲームの腕自体よりも、単純にプレイ時間が長いほど先に進める」というような性格のオンラインゲーム上で、ゲーム内のアイテムを入手して他のプレーヤーに現金で販売するという市場の発達に伴い、これで生活資金を得ている「プロ(職業)ゲーマー」も相当数に登ると見られている。
なお、以下に述べる分類は大まかかつ俗称的なものであるため、明確な分類ではなく境界も曖昧である。また俗称であるため個人の価値観によって揺らぎを含む点で注意されたし。
[編集] ライトゲーマー
ゲームは好きではあるが、マニアほどには入れ込んでいないゲーマーのこと。
難易度の低いゲーム、よく売れていて他にユーザーの多いゲームを好むと解される。ちょっとした暇つぶしや余暇にゲームを遊ぶことがある・気に入ったゲームをたまにあそんだりする…という程度だろう。
[編集] ヘビーゲーマー
熱心なゲーマーのこと。ゲームマニアに近い。
難度の高いゲームを好み、ゲームに対して時間や費用を掛けることを惜しまない。どちらかといえば閉鎖的な印象もあるが、ゲームメーカーやゲームセンターにしてみれば、ありがたいお客と言えよう。ただし四六時中ゲームに没頭し、より高得点を得たり、あるいは対戦格闘ゲームで相互に腕を試し合ったりする傾向が強いとみなされ、中毒だなどと揶揄される場合もある。
中には、ライトゲーマーが対戦格闘ゲームで遊んでいる最中に乱入、ゲーム自体の楽しさを損なわせる者がいる点で、問題視される傾向も見られる。対戦ゲーム流行当初には、ヘビーゲーマーやミドルゲーマーが知らずにライトユーザーのプレイに乱入してしまったら、プレイ中などに相手の台にコインを置いて詫びる麗しい風景も見られたが、中には好んでライトゲーマー狩りをするようなマナー知らずもいた。
過去には、このようなマナー知らずのヘビーゲーマーに対する暴力事件や乱闘事件も発生している他、嵌め技や裏技を駆使するヘビーゲーマーに対する無言の抗議や不快感の表明として、ゲーム中に拘わらず席を立つライトゲーマーやミドルゲーマーもいたほどである。ゲーム台を腹いせに蹴飛ばすゲーマーすらいた点で、ゲームセンターにとっても迷惑とされた。この問題の解決策として、ゲームセンターでは高難易度に設定したヘビーゲーマー専用ゲーム台と、難易度控えめのライトゲーマー専用のゲーム台を分けるなどの配慮をしているところもある。
[編集] コアゲーマー
ヘビーゲーマーに近いが、ゲーム文化の中心に位置するというほどのニュアンスがある。
積極的に電子掲示板やウェブサイトなどで情報発信し、ゲームメーカーにも積極的に意見を述べるタイプを指すことが多い。ただし特定のゲームに対する思い入れや意見も多く持ち、ともすればオタク的だなとと批判を被りやすい傾向があるのも否めない。
珍しい・マイナーなゲームや古いゲームに詳しかったり、特定タイトルに詳しかったりと、ゲームの関連情報に興味を示す傾向も強く、様々な系統が存在する。
[編集] ミドルゲーマー
ライトゲーマーとヘビーゲーマー・コアゲーマーの中間。
ゲームは好きだが、他のことにも関心があり、趣味のひとつに挙がるような付き合い方であると解される。コミュニケーションツールとして友達と遊んだり、友達からソフトを借りてきてためしに遊んでみるなど、ライトゲーマー以上にゲームには積極的だが、かといって四六時中ゲームに傾倒している訳でもない…という程度と言える。
[編集] プロゲーマー
職業としてゲームをプレイする者。
日本では今のところ数少ないが、アメリカや韓国などにはゲームプレイの技を見せることで収入を得ているプロゲーマーが出現している。また上に述べた通りRMTなどの職業ゲーマーも含む場合がある。プロ・ゲーマーの項を参照されたし。
[編集] シューター
シューティングゲームでのゲーマーの名称。詳しくはシューターの項目を参照。
[編集] バカゲーマー、クソゲーマー
いわゆるバカゲー、クソゲーと呼ばれるマイナーなソフトを特に愛好する、一種の倒錯嗜好、またはゲームの価値を相対化して捉えようとする人々のこと。
彼らにとってはゲームのできのよさはあまり問題ではなく、個性的かどうかが重要視される。またゲームの評価をしたがる点ではコアゲーマーの一種とも言えよう。これに関するライターまでおり、一種独特のファン層とみられる。
[編集] 関連項目
- ゲームセンター - アーケードゲーム
- コンシューマーゲーム(家庭用ゲームとも)
- パソコンゲーム - 8bit御三家