シクラメン
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シクラメン | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
本文参照 | ||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||
シクラメン、カガリビバナ | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Cyclamen |
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属に属する多年草。学名 Cyclamen persicum、和名は「篝火草(カガリビバナ)」や「豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」。地中海地方原産で、花期は秋から春。冬の花として有名。
また、シクラメン属の総称としてシクラメンということもある。
本記事におけるシクラメンは、特に明記しない限りC. persicumとその品種、変種の意味である。
目次 |
[編集] シクラメンの歴史
シクラメンは元々地中海沿岸、トルコからイスラエルにかけて原種が自生している。名前は花茎がはじめ丸まった状態で発生することから「サイクル(Cycle)」から命名された。 古来は花ではなく、塊茎の澱粉を注目され、サポニン配糖体を含む有毒にもかかわらず「アルプスのスミレ」などの美称があり、食用とされていた。大航海時代以後ジャガイモがもたらされると、シクラメンを食用にする習慣はなくなった。
シクラメンの花に着目して品種改良が行われたのはドイツである。シクラメンの原種の中でもシクラメン・ペルシカムに注目して、品種改良が進められた。
花色もピンクほか白、赤、などバラエティに富んだものができた。
[編集] 日本でのシクラメン
日本には明治時代に伝わった。日本での本格的な栽培は、岐阜県恵那市の故・伊藤孝重氏の手により始まった。シクラメンは高温多湿の日本の気候に合わず、様々な栽培方法が模索された。
戦後、急速に普及し、日本での品種改良も進められ、花色も黄色や二色、フリンジ咲き、八重咲きなどが登場。日本における鉢植え植物では生産量はトップクラスで、冬の鉢植えの代表格として定着している。
[編集] ミニシクラメン
高度成長期頃から、ガーデニングの流行し始めた1990年代から、屋外で栽培できる「ガーデンシクラメン」や「ミニシクラメン」などが原種との交配によって作り出されている。
[編集] 「香りシクラメン」
シクラメンは品種改良の過程で香りが失われたが、布施明の歌『シクラメンのかほり』(小椋佳作詞・作曲)がヒットしたことによって要望されるようになり、2001年(平成13年)に埼玉県農林総合研究センター園芸支所が原種と掛け合わせることによって香りを持った栽培種を開発することに成功した。
[編集] 原種シクラメン
それまでシクラメンは「シクラメン・ペルシカム」を中心に改良された品種が広く出回っていたが、ガーデンニング人気の高まりとともに、野趣の富む「原種シクラメン」にも注目が集まり、日本でも庭植えに利用されるようになってきた。
[編集] シクラメンの種類
現在、鉢植えとして品種改良が進められ、一般に入手できるのはシクラメンのなかでもシクラメン・ペルシカム(Cyclamen persicum)である。
シクラメンの仲間(シクラメン属Cyclamen)は中近東に自生しており、いくつかの種類に分類されている。それらは「原種シクラメン」として市場に出回っている。以下にシクラメン・ペルシカム以外の原種を挙げる。
- Cyclamen africanum
- Cyclamen balearicum
- Cyclamen cilicium
- Cyclamen colchicum
- Cyclamen coum
- Cyclamen creticum
- Cyclamen cyprium
- Cyclamen graecum
- Cyclamen hederifolium
- Cyclamen intaminatum
- Cyclamen libanoticum
- Cyclamen mirabile
- Cyclamen parviflorum
- Cyclamen persicum
- Cyclamen pseudibericum
- Cyclamen purpurascens
- Cyclamen repandum
- Cyclamen rohlfsianum
- Cyclamen somalense
- Cyclamen trochopteranthum