スズキ・キャリィ
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キャリイ(CARRY)は、スズキが製造、販売するトラック型の軽自動車(軽トラック)。
[編集] 概要
この車は、1971年~2005年までの35年連続で、日本国内で販売されているトラック(軽・小型・普通)の車名別年間販売台数第1位である。
バンタイプのスズキ・エブリィと2002年までは共通の構造を多く有していた。スズキからマツダにOEM供給を行っているマツダ・スクラムのトラックタイプは、この車両を元に一部外装パーツの変更を行ったものである。またエブリイも1981年まではキャリィを名乗り、1991年~1993年の間は上級車種以外の車種についてはキャリイバンの車名で販売されていた。
軽自動車の新規格に適合させるため1999年以降のキャリイはロングホイールベース、セミキャブタイプの仕様だったが、2005年11月におよそ7年ぶりにショートホイールベース、フルキャブタイプの仕様(キャリイFCシリーズ、ボディサイズはもちろん新規格で農工用に特化した)が復活、追加された。ただし、OEM版のマツダ・スクラムトラックにはこの仕様は設定されていない。
尚、かつて大宇国民車(現:GM大宇)から「ラボ」(エブリィは「ダマス」)と言う名称で生産された事がある。
[編集] 歴史
[編集] 初代 FB(1961-1965年)
1961年にスズライトキャリイの名で発売された。バン(エブリイの前身)は1964年に登場。
[編集] 2代目 L20(1965-1969年)
1965年登場。初代と同じくボンネットタイプ。
[編集] 3代目 L30(1966-1969年)
1966年登場。名称をキャリイに変更。キャブオーバータイプとなる。2代目と併売された。
[編集] 4代目 L40(1969-1972年)
1969年登場。ジョルジェット・ジュジャーロがデザインを手がけた。
[編集] 5代目 L50(1972-1976年)
1972年登場。水冷エンジンとなる。排気量はそのまま。
[編集] 6代目 ST10(1976-1979年)
1976年登場。軽自動車の規格変更に対応する為、550cc化。ボディは360cc規格から全長のみを少し延長する。当時ではクラス唯一の3気筒エンジン。機構は2サイクルのまま。
[編集] 7代目 ST20(1976-1979年)
1976年登場。車幅が拡大され、ワイドの愛称が付く。
[編集] 8代目 ST30(1979-1985年)
1979年登場。
1981年4WD登場。副変速機を備えていた。
1982年マイナーチェンジ。4サイクル追加。バンがエブリィとして登場する。内蔵型クーラー(エアコン?)の設定もあった。
[編集] 9代目 DA71T/DB71T/DA81T/DA41T/DB41T/DA51T/DB51T(1985-1991年)
1985年フルモデルチェンジ。グリル多少変更。
1986年マイナーチェンジ。4WDにはデフロック機構が登場。LSD付きも登場する。エアコン付きも設定された。
1988年マイナーチェンジ。スーパーチャージャー登場。NAはSOHCのまま3バルブ化。2サイクルエンジン廃止。
1989年マイナーチェンジ。大幅なフェイスリフト。廉価グレードは丸型ヘッドランプを採用。一部エンジンがSOHCのまま4バルブ化。OEM版のマツダ・スクラムが登場する。
1990年マイナーチェンジ。2度目のフェイスリフト。全グレードに丸型ヘッドランプを採用。全車660cc化およびSOHC4バルブ化。
1991年マイナーチェンジ。自然吸気エンジンの出力向上。38馬力から42馬力に拡大。4WD車の「4WD」デカール表示が赤色から青色に変更。
[編集] 10代目 DC51T/DD51T(1991-1999年)
1991年登場。
1995年KU系グレード(2WD/4WD共に)にEPI・ターボチャージャー付エンジン搭載車を設定。ただしSOHC2バルブ。
[編集] 11代目 DA52T/DB52T/DA62T/DA63T(1999年-)
1999年登場。セミキャブオーバーとなる。
2000年排出ガス規制およびグリーン税制の強化に伴いキャブレター仕様が廃止された。
2001年エンジンが全車DOHC化(K6A型)。先代から継続設定されていたターボ仕様(インタークーラー無し)が消える。
2002年大規模なマイナーチェンジ。荷台を広くするべく、それまでバンと共用だった物を専用品に。
2005年セミキャブ一部改良。フルキャブ・ショートホイールベースのFCシリーズを追加(形式はDA65T)。
[編集] 外部リンク
- CARRY(メーカーの公式HP)
- CARRYショートホイールベース車