スターフェリー
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スターフェリー(中国語:天星小輪、普通話/拼音:Tiānxīng Xiǎolún、英語:Star Ferry)は香港のビクトリア・ハーバーで運航されているフェリーである。
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[編集] 概要
香港の中心に位置するビクトリア・ハーバーの両岸、尖沙咀-中環、尖沙咀-湾仔、湾仔-紅磡、中環-紅磡間を運行するフェリーで、現在は前記の4つのルートと観光客用の周遊ルートを9隻のフェリーによって運行している。その便利なルート設定と安価な運賃により、香港住人や世界中から訪れる観光客の足として親しまれ、年間で約260,000人の乗客を運んでいる。
[編集] 歴史
イギリスと清の間で九龍以北、深圳河以南の新九龍及び新界地域の租借が締結された1898年に、イギリス系のスター・フェリー社によって、それ以前からイギリスの植民地であった香港島と中国大陸側の九龍の間を繋ぐ公共交通手段として運航を開始した。その後、第二次世界大戦中の日本軍による占領の間には44ヶ月運航を停止したものの、1945年8月に日本が敗北し、香港が再びイギリス統治下に戻ると1946年から運行を再開した。
1966年には、運賃を5セントから10セントに値上げすることを発表した際の住民らによる値上げ反対デモをきっかけに、当時文化大革命直前で荒れていた中国共産党系住人らが、中国共産党政府の指示による反英暴動を起こすなど、その存在は香港の歴史にも大きな影響を与えている。
その後の1972年のビクトリア・ハーバーを結ぶ海底トンネルの開通や地下鉄の開通などのライバルの出現や、1997年のイギリスから中華人民共和国への租借地と割譲地域の返還など、100年以上に渡る歴史を経て現在に至る。
[編集] 運行
[編集] 運賃
- 尖沙咀-中環:上層-2ドル20セント/下層-1ドル70セント
- 尖沙咀-湾仔:上層-2ドル20セント/下層-1ドル70セント
- 湾仔-紅磡:5ドル30セント
- 中環-紅磡:5ドル30セント
身体障害者割引や高齢者割引、子供割引運賃がある他、定期券もある。香港の公共交通機関で使えるプリペイドカードである「八達通(オクトパス・カード)」の使用も可能。また、1隻丸ごとの貸切も可能である。
[編集] 運行時間
- 尖沙咀-中環:6時30分-23時30分/6-20分程度間隔で運行
- 尖沙咀-湾仔:6時30分-23時30分/6-20分程度間隔で運行
- 湾仔-紅磡:6時56分-20時10分/15-22分程度間隔で運行
- 中環-紅磡:6時56分-20時10分/15-22分程度間隔で運行
[編集] これまでに運行されたフェリー
全てのフェリーの船名には「星」「Star」の文字が入っている。
- Morning Star (曉星號)
- Day Star (晨星號)
- Night Star (夜星號)
- Electric Star (電星號)
- Golden Star (金星號)
- World Star (世星號)
- Celestial Star (天星號)
- Twinkling Star (熒星號)
- Silver Star (銀星號)
- Glowing Star (耀星號)
- Nothern Star (北星號)
- Meridian Star (午星號)
- Solar Star (日星號)
- Shining Star (輝星號)
[編集] 天星維港遊
内装を1920年代の客船風に改装した専用フェリー「輝星輪(Shining Star)」による、ビクトリア・ハーバー周遊ツアー「天星維港遊(スターフェリー・ハーバー・ツアー)」も運行されている。
[編集] 運行ルート
- 尖沙咀-中環-湾仔-紅磡(周遊)