スプリガン
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- スプリガン (Spriggan) は、イングランド(England)のコーンウォール(Cornwall)地方に棲む妖精の一種。
- 自由に姿を変えられるが、主に巨人の姿で現れる。宝の埋蔵地の管理者であり、非常に醜く狂暴だが、他の妖精の護衛役もつとめる。自分の領域に入ってきた人間には危害を与え、またイングランド妖精の常として、盗みなどの悪さもする。
- スプリガンは『聖戦士ダンバイン』に登場するオーラクルーザーの一つ。スプリガン (聖戦士ダンバイン)を参照。
- 『スプリガン』は、週刊少年サンデーで連載された漫画作品。原作たかしげ宙、漫画皆川亮二。後述
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[編集] 漫画
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
超古代、現代を遥かに上回る科学力を持つ文明が存在したといわれている。ある遺跡から発掘された金属板に、その超古代文明の人々からと思われる警告が記されていた。「我々の残した遺産を、悪しき者より守れ」と。そのメッセージに従い、アーカム財団は、彼らの遺産(オーパーツ)をあらゆる権力から守り、封印、破壊する組織を結成した。アーカム財団のトップエージェントは上記意味1.の通称と意味を取り、スプリガンと呼ばれて恐れられる。
この漫画作品は、高校生にしてアーカム財団のスプリガンの一人、御神苗優の活躍を中心としたSF・オカルトアクションである。
[編集] 登場人物一覧
[編集] スプリガン
- 御神苗優(おみなえ ゆう)
- ジャン・ジャックモンド
- 朧(おぼろ)
- スプリガンの一人。見た目は長髪・長身の中国人青年だが年齢不詳で謎の多い人物。中国では「ロン」と呼ばれていた。世界最高の氣法師にして、中国武術の達人。優の師匠でもある。物静かで礼儀正しいが、独特の体術はジャンの攻撃すらかわし、氣功によって相手を一撃で戦闘不能にする。なお、将来強くなる見込みのある敵には止めを刺さず叩きのめすだけで終えてしまう。自身を鍛錬する事と、それを人に教える事に長けている。
- ティア・フラット
- 「魔女」と呼ばれるスプリガン。紙に書いた魔法陣から幻影の魔獣を召喚する「コーリングビースト」や、空間を捻じ曲げる術など、様々な魔術を操る。大人っぽい美女だが、アーカム財団とは古くから関係があるらしい。ちなみに、「フラット」はミドルネームである。
- パーカップ・ラムディ
- 元スプリガンで、通称「ドクター」。「神の手を持つ男」と呼ばれ、かつては裏の世界でナンバーワンの殺し屋として恐れられた。殺し屋という血生臭い過去を持ちながら、いかなる経緯かは不明だが、生命に対し強い倫理観を持つ。心霊手術の能力を持ち、朧に匹敵する武術、体術を誇る。現在は、アジアの無医村で診療所を開いている。「じーさん」と呼ばれると怒る。
[編集] アーカム
- 山菱理恵(やまびし りえ)
- 優と同じ孤児院の出身で、幼馴染。言語の天才で、10代にしてアメリカの大学の言語学教授である。その才を買われてアーカムに仕事を依頼され、優と再会する。古代文字の解析に携わる。
- 山本
- アーカム日本支部の所長で、スプリガンに直接仕事の指示を出す。温厚かつ誠実な人柄で優やジャンたちに信頼されている。禿げかかった頭に中年太り気味の体格といった凡庸なサラリーマンの如き風貌だが、元スプリガンである。現場を退いて長いが、十分現役で通用する実力の持ち主。物語終盤の戦いで、神業のごとき射撃の腕前を見せた。
- メイゼル博士
- アーカムの科学者で、オリハルコン精製にかけては第一人者。優の装備するA・Mスーツや、オリハルコンナイフを製造した。助手に美女の科学者、マーガレットがいる。
- ジミー・マックス
- アーカムA級エージェント、マックス隊の隊長。A級エージェントは、スプリガンのような突出した戦闘力はないが、部隊戦や諜報活動でスプリガンを支援する。マックス隊は、そのA級エージェントの中で最強といわれる。優に一目置いている一人。
- エヴァ・マクマホン
- アーカム所属の女性考古学者。優は教授と呼び、考古学の素晴らしさを教えてくれた恩人として慕っている。「ノンモの舟」発掘の任務に、優と共に当たる。
- スティーブ・フォスター
- アーカム財団の特別顧問で、通称「船長」。アーカム初代代表とは古い友人だったらしい。個人的な趣味でレーザー兵器などの先端技術の粋を集めた船舶「ロシナンテ」を指揮する。優に目をかけており、「ロシナンテ」の船長を継がせたがっている。
- ヘンリー・ガーナム
- 物語後半で、アーカムの新代表に就任する。アーカムが集めた超古代文明の遺産で絶対的な力を示し、世界の軍事バランスをコントロールして、世界を平和にするという考えの持ち主。これに反発したスプリガンや科学者達は、ガーナムに反旗を翻すことになる。
[編集] 友人・知人
- 染井芳乃(そめい よしの)
- 御神苗秋葉(おみなえ あきは)
- 優の従姉で、優に身寄りがなくなってからは、母親代わりとして教育や家事の面倒を見ていた。優が米軍の洗脳を受けて帰ってきてからも、優の支えになってきた。アーカムで働いており、後にヘンリー・ガーナムの秘書となる。
- 御神苗隆(おみなえ たかし)
- 優の叔父で秋葉の父親。優は「おやじ」と呼ぶ。自称「冒険家」だが、その能力は優ですら手玉に取る程で、世界中の神秘を全て見るために旅を続けている。ほとんど家を空けており、家事は秋葉にまかせっきりだが、米軍に拉致された経験から心を開かなくなった優を、体当たりで立ち直らせようとした。世界を旅している間、スプリガンとして任務に当たる優と鉢合わせすることがあったが、凄まじいまでのトラップの腕前で優を支援し、それを見てジャンは「スプリガンになれる」とまで評価した。本来優しい性格の優は、スプリガンの仕事ではかなり無理をしているのではないかと心配している。
[編集] トライデント
- 暁巌(あかつき いわお)
- 兵器開発集団「トライデント」の傭兵部隊長。どんな過酷な状況でも生き残る「生還者(リターンニングマン)」という異名をとる。機械式でパワー重視の、トライデント製A・Mスーツを装備する。優と渡り合う実力者で何度も対決するが、危機を脱するために共闘することもあった。このような敵味方お構い無しの生存のためなら手段を選ばない姿勢が、彼の異名を支えているといえよう。
- ラリー・マーカスン
- 元傭兵で、暁たちトライデントの実行部隊を指揮する立場にある。暁とは古い傭兵仲間で、暁の知る限り指揮官としては最も優秀であるらしい。トライデントを抜けて、アーカムのヘンリー・ガーナムの側近となる。なお「トライデント」とは、大国の軍部と結びついている米国、欧州、日本の巨大軍需産業が結成した秘密組織で、巨大な財力に加え、独自の強力な戦力を保有している。超古代文明の遺産に目をつけ、それを元に新兵器開発を進めており、アーカムとは対立関係にある。
- 金谷昌(かなや しょう COSOMOS №0)
- 米軍のプロジェクトCOSMOSの兵士。「金谷昌」と言う名は組織からつけられたもので、本当の名は明らかでない。優のように幼い頃拉致され、洗脳と訓練を受けてきたと思われる。COSMOSのプロジェクトが米軍から「トライデント」に移管されてからは、№0というコードネームを与えられ、COSMOS全体の司令塔となる。プロジェクトの進展と共に機械兵士としての調整を受け続け、全ての人間性を消去されている(指揮官としての必要のため、人間に近い形で思考するようにプログラムづけられている)はずだが、その能面のような表情とは裏腹に、唯一人間に戻る事ができ、なおかつ最高の能力を持つ優への羨望と憎悪は心の底に強く根付いており、自らの手で優にとどめをさそうと執拗に付けねらう。
[編集] 機械化小隊
- マクドガル大佐
- 機械化(サイボーグ)処置で強化された米軍の極秘部隊、機械化小隊(マシンナーズ・プラトゥーン)の一人。10歳くらいの少年だが高い知能を持ち、脳に磁波を増幅する機械を埋め込んでいる。これによって強力な衝撃波を放つことができ、「悪魔の力を持つ男」と恐れられているが、その副作用として脳に莫大な負担がかかり、物語登場時点で寿命はあと数ヶ月だった。米軍の大部隊と、同じ機械化小隊のファットマン、リトルボーイを率いて、「ノアの箱舟」の発掘現場を襲撃する。地球環境を汚染し続ける人類を憎悪し、「箱舟」の力を用いて地球の浄化を目論む。
- ジャック・ザ・リッパー
- 機械化小隊の一人。機械化した両腕にオリハルコンの高周波ブレードを仕込んでおり、「ノンモの舟」発掘現場を襲撃する。闇にまぎれて気配を消す穏行と、巧みなブレードさばきで優を追い詰める。実直な軍人で、米軍兵士としての自分の役目に確信を持っていたが、優との戦いを経てその考えに変化が生ずる。
- サンダーボルト
- SPECIAL ACT「GOLD RUSH」に登場する機械化小隊。次世代型の機械化処置で腕に仕込まれたレーザーを照射し、イオン化した大気成分で導線を作ることで、同じく仕込まれた装置で発生させた電撃をそこに伝わせ、任意の標的に向かわせることができる。
[編集] その他の敵
- ボー・ブランシェ
- ネオ・ナチスの少尉でヒトラーが頂点としたナチス復興に信念を燃やす(ネオ・ナチスはネオナチとは関係無く、作中ではオーパーツの力を借りて世界征服を目指す集団)。薬物によって肉体改造をし、優も圧倒するパワーとスピードを持つが、体術などの総合面では今一つ及ばない。熱血漢で努力家、強者が人々を導くべきだという独特の(やや偏った)信念を持つ。ただし義侠心が非常に強い好漢でもあり、強者は常に弱者を守るべきだと考えており、社会的弱者には優しく子供と老人を身をなげうって助けようとする。朧に敗れてからは雪辱を誓って、薬を使わない修行でさらに強くなる。後に組織的に破綻したネオ・ナチスを抜けて「トライデント」の傭兵になり、暁の(自称)相棒となる。真面目であるが何処かズレており、優は事ある毎に彼を「ネオナチのお笑い芸人」等と呼んでいた。当人は知ってか知らずか「必殺技の名前を叫ぶ」等のヒーロー漫画のお約束的な行動をしている。
- 源双烈(チェン・スワンリェ)
- トニー・ベネット
- ボーマン教官
- スプリガンの一人で、優に戦闘技術を教えた人物。優の潜在能力に期待をかけていたが、アーカムのあり方に疑問を感じて、敵として優の前に現れる。世界で5本の指に入るナイフの達人で、もう一人の自分を作り出す「二重身(ドッペルゲンガー)」という特殊能力を持つ。
[編集] アニメ
AKIRAの大友克洋が総監修を勤める事で話題となった。 ストーリーは原作漫画作品内における『ノアの箱舟』の話を基本的な叩き台として、所々に原作『御神苗抹殺計画』の話を一部を絡めることで、基本設定を説明すると同時に盛り上がりを演出している。
[編集] キャスト
- 御神苗 優:森久保祥太郎
- 御神苗 優(幼少期):牟田将士
- ジャン・ジャックモンド:子安武人
- メイゼル:城山堅
- マーガレット:玉川紗己子
- 山本:有本欽隆
- マクドガル:相ヶ瀬龍史
- ファットマン:高野拳滋
- リトルボーイ:鈴木勝美
[編集] スタッフ
- 総監修・構成:大友克洋
- 監督・絵コンテ・脚本:川崎博嗣
- 同時脚本スタッフ:伊藤康隆
- 音響監督:鶴岡陽太
- 音楽:蓜島邦明
- 作画監督・キャラクターデザイン:江口寿志
- CGI監督:斎藤亜規子
- 美術監督:小関睦夫
- 設定:末武康光
- 色彩設計:秋山久美
- 撮影監督:白井久男
- SE・デザインMIX:笠松広司
- 主題歌:「Jing Ling」歌・作詞:Säju(サージュ)、作曲・編曲:蓜島邦明