デザイナーベビー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デザイナーベビー(designer baby)とは、受精卵の段階で遺伝子操作を行なうことによって、親が望む外見や体力・知力等を持たせた子供の総称。親がその子供の特徴をまるでデザインするかのようであるためそう呼ばれる。デザイナーチャイルド(designer child)、ジーンリッチ(gene rich)とも呼ばれる。
本来受精卵の遺伝子操作は遺伝的疾病を回避することを主目的に論じられてきたが、親の「より優れた子供を」という欲求に従い外見的特長や知力・体力に関する遺伝子操作も論じられるようになってきた。フィクションによる影響の為か、デザイナーベビーは先天的に高い知力・体力を保有すると思っている者も多いが、実際にはあくまでも子供が持つであろう能力のポテンシャルを若干向上させるだけであって、仮にデザイナーベビーが誕生したとしても、生まれ付きの高い知力・体力や将来の劇的な能力向上を期待出来る訳ではないとした見方が一般的である。
クローン人間とは違い、デザイナーベビーを産み出すためにクローン技術は不要である。しかし技術的にも倫理的にも強く問題視されており、現在作られていない。
[編集] フィクションへの登場
- アーヴ…森岡浩之のSF小説『星界の紋章』シリーズに登場するデザイナーベビー。
- コーディネイター…テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場するデザイナーベビー。
- YASHA-夜叉-…デザイナーベビーの双子を描いた吉田秋生の漫画。
- 「ガタカ」…アメリカの映画作品。
[編集] 関連書籍
リー・M.シルヴァー『複製されるヒト』 東江一紀ほか訳、翔泳社、1998年、ISBN 4881356089