ハート (バンド)
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ハート(HEART)は、アメリカ合衆国、ワシントン州シアトル出身のロックバンド。ヴォーカルのアン・ウィルソンとギターのナンシー・ウィルソンの姉妹を中心メンバーとする。
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[編集] 来歴
- 1963年に、ベーシストのスティーヴ・フォッセンとギタリストのロジャー・フィッシャーらが結成したホワイト・ハートというバンドが母体。
- 1970年にアンが加入してハートに改名。
- その後ナンシーも加入し、ギタリスト・キーボーディストのハワード・リース、ドラマーのマイケル・デロージャーを加えた編成で1976年にデビューアルバムの『Dreamboat Annie』を発表。レッド・ツェッペリンに強く影響された音楽性やアンの歌声、姉妹バンドであることなどが注目を集め、『Magic Man』(全米9位)、『Crazy on You』(全米35位)などの曲がヒットした。
- 1977年には2ndアルバムの『Little Queen』を発表。シングル『Barracuda』は全米11位を記録した。
- 1978年にフィッシャーが脱退。この時点で完全にウィルソン姉妹が中心のバンドとなる。
- 1982年にはフォッセンとデロージャーが脱退し、ベースにマーク・アンデス、ドラムには後にホワイトスネイクに参加するデニー・カーマッシが加入。この頃には商業的に低迷期に入っていた。
- 1985年発表のセルフタイトル作品『Heart』では、初めて外部のソングライターによるポップでキャッチーな曲を収録。これが功を奏して『What About Love?』(全米10位)、『Never』(全米4位)、『These Dreams』(全米1位)、『Nothin' At All』(全米10位)とシングルヒットを連発、アルバムも全米1位となり、一気にスターダムへと駆け上がった。
- 1987年発表の『Bad Animals』も全米2位、1990年発表の『Brigade』も全米3位と、バンドは黄金期を迎えた。この時期にはヘヴィメタルのムーヴメントが盛り上がっており、それに乗る形でルックスや音造りもグラマラスでゴージャスなものへと変化していた。
- その後、グランジブームが到来するとバンドの人気は急激に低下。アンとナンシーはラヴモンガーズを始めとしたバンド外のプロジェクト活動やソロ活動を重視し、サウンドも原点回帰のアコースティック路線を模索するようになる。
- この間にアンデスとカーマッシ、脱退。
- 1995年MTVの看板番組「アンプラグド」に出演。Stringsを迎えAcousticなナンバーを披露している。この模様はのちにCD,DVD「ザ・ロード・ホーム」に収録。その後ドラムのデニーが離脱。実質的に姉妹のプロジェクトなる。
- 1999年ナンシー・ウイルソンはソロとして「LIVE AT MCCABE'S GUITAR SHOP」をリリース。
- 2000年映画監督でナンシーの夫キャメロン・クロウの映画に2000年「あの頃ペニー・レインと」2001年「バニラ・スカイ」などのサントラに曲を提供している。
- 2002年HEARTとしてバンドメンバーも変え、久しぶりサマー・オブ・ツアーが行われる。最終日には地元シアトルでライブしてDVD「アライヴ・イン・シアトル」が発売されている。
- 2004年に久々の新譜となる『Jupiter's Darling』を発表。90年代以降、長期のツアーは避け、単発的なライブ活動を中心に据えるようになってきている。
- 2005年キャメロン・クロウ監督の映画「エリザベスタウン」のサントラにナンシーのAcousticなギターサウンドを提供。
[編集] 音楽性
- アンの「女ロバート・プラント」と言われるパワフルかつソウルフルな歌声が最大の魅力。
- 『These Dreams』など、ナンシーが歌ってヒットした曲もある。
- 総じて1970年代から1980年代前期にかけてはアコースティックな要素のあるハードロックであり、1980年代後期のヒット曲はメロディアスでコマーシャルである。
- ステージにおいてはアンの他、激しくも可憐なナンシーのギタープレイが人気を集めていた。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] ハート
- 『Dreamboat Annie』 (1976年) 全米7位、全英36位
- 『Little Queen』 (1977年) 全米9位、全英34位
- 『Magazine』 (1978年) 全米17位
- 『Dog and Butterfly』 (1978年) 全米17位
- 『Bebe Le Strange』 (1980年) 全米5位
- 『Greatest Hits Live』 (1980年) 全米13位
- 『Private Audition』 (1982年) 全米25位、全英77位
- 『Passionworks』 (1983年) 全米39位
- 『Heart』 (1985年) 全米1位、全英19位
- 『Bad Animals』 (1987年) 全米2位、全英7位
- 『Brigade』 (1990年) 全米3位、全英3位
- 『Rock the House Live!』 (1991年) 全米107位、全英45位
- 『Desire Walks On』 (1993年) 全米48位、全英32位
- 『The Road Home』 (1995年) 全米87位
- 『The Greatest Hits』 (2000年)
- 『The Essential Heart』 (2002年)
- 『Alive in Seattle』 (2003年)
- 『Jupiter's Darling』 (2004) 全米95位
[編集] ラヴモンガーズ
[編集] 来日公演
86年NHKホール
88年4月2日代々木競技場
90年10月9日本武道館
94年3月11日横浜文化体育館
94年3月13日日本武道館
[編集] 追記
メンバーのうち、3人(アンとナンシー以外)はカナダのロックバンドシェリフの元メンバーの2人とエリアスを結成し、1990年に「君がほしい」が大ヒットしたが、これ以降ヒットは続かなかった。
Barks(日本サイト)定期的ですがハートの最新情報が分かります。
Heart ハートファン・サイトでしょうか?詳しくのっていたのでリンクさせて頂きました。