ホワイトスネイク
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ホワイトスネイク(Whitesnake)は、1977年に活動を開始したイギリスのハードロックバンド。元ディープ・パープルのデヴィッド・カヴァーディル(ヴォーカル)によって、ディープ・パープル解散後(デヴィッドはその前に脱退を決意していたともされる)、2枚のソロアルバムを経て結成される。
初期の音楽性はブルースに根差したハード・ロック。バーニー・マースデン、ミッキー・ムーディ、ディープ・パープルのジョン・ロード、イアン・ペイスなどが在籍。デヴィッドの稀代のディープ・ボイスを中心に、職人肌のツイン・ギターとジョン・ロードのオルガンが絡む、通好みのバンドだった。後にリメイクされて不評を買う『フール・フォー・ユア・ラヴィング』(1980年)がスマッシュ・ヒットするなど、70年代後半のハードロック受難の時代から80年代初頭のNWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)の時代までを同様のサウンドで生き抜き、欧州および日本では根強い人気を誇った。
80年代半ばに入り、MTVと連動した形でアメリカでヘヴィメタル全盛期といえるブームに入ると、バンドは全米での成功を悲願とするようになる。その葛藤の中で、相次ぐメンバー交代、レコード会社とのトラブルなどの政治的なしがらみが、これ以降のホワイトスネイクには常についてまわることとなった。コージー・パウエル(ドラムス)、ニール・マーレイ(ベース)、ジョン・サイクス(ギター)を加えて1984年にリリースした『スライド・イット・イン』はプラチナディスクを獲得。同メンバーで「スーパー・ロック '84 イン・ジャパン」に出演している。続く『ホワイトスネイク1987(日本での当時の別題:白蛇の紋章/サーペンス・アルバス)』は、かつての母国でのヒット曲2曲をアレンジして再録し、全体として英国臭をおさえたうえ起伏にとんだドラマティックな構成で、明らかに全米での成功を意識したものだったがこれが的中し、全米2位、800万枚以上を売り上げ、全世界でも1000万枚を超える大成功をおさめる。他方で「ケラング」など専門誌などの批評家らからはこのアルバムがアメリカ向きとなっている点を強く批判されることになったが、質の高さは疑いようもなく、現時点でもヘヴィメタル史上に残る作品として記憶されている。アルバム完成時、すでに前述のメンバーはバンドを去っていた(アルバムでのドラムスはエインズレー・ダンパー)が、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(ギター)、トミー・アルドリッジ(ドラムス)、ルディ・サーゾ(ベース)を加えてワールドツアーを行い、ヘヴィメタルの世界的ブームの中大盛況に終わる。
そのままの勢いを次作につなげたかった彼らを、エイドリアンの腕の故障という悲劇が襲う。急遽スティーヴ・ヴァイをメンバーに追加して『スリップ・オブ・ザ・タング』(1989年)をリリースするが、前衛的なプレーヤーでブルースを苦手だと告白する天才の加入はハードロック史に残る大ミスキャストであった。折しも時代はLAメタルの終焉とオルタナティブ・ミュージックの嵐が吹き荒れていた。名門バンドとしての地位を十分に築けなかった結果、米国ではこのアルバムは大したセールスを収めず、1990年のグレイテスト・ヒット・アルバム以降は活動休止に入る。1997年にソロ色の強い『レストレス・ハート』を発表後、現在までに日本でのアンプラグドショウを収めた『スターカーズ・イン・ジャパン』をリリースするに留まっている。
2003年9月、25周年記念ツアーの為に再結成。2006年5月には来日ツアーを行った。
ちなみにここ最近になってデヴィットは、バンド名の由来について自身のペ○スから由来していると明かしたが、定かではないが、過去にBURRN!誌の前田岳彦が「ホワイトスネイクは白人のチ○コって意味」と堂々と答えたことがある。
[編集] 歴代メンバー
- ボーカル
- デヴィッド・カヴァーディル(元ディープ・パープル)
- ギター
- ミッキー・ムーディ
- バーニー・マースデン(元UFO)
- メル・ギャレー(元トラピーズ)
- ジョン・サイクス(元シン・リジィ)
- エイドリアン・ヴァンデンバーグ(元ヴァンデンバーグ)
- ヴィヴィアン・キャンベル(元ディオ)
- スティーヴ・ヴァイ(元アルカトラス~デイヴィッド・リー・ロス・バンド)
- ウォーレン・デ・マルティーニ(元ラット)
- ダグ・アルドリッチ(元ライオン~ディオ)
- レブ・ビーチ(元ウィンガー~ドッケン)
- ベース
- ニール・マーレイ(脱退後VOW WOW~ブラック・サバス)
- コリン・ホッジキンソン
- ルディ・サーゾ(元クワイエット・ライオット~オジー・オズボーン・バンド)
- マルコ・メンドーサ(元ブルー・マーダー)
- ユーライア・ダフィ
- ドラムス
- デイヴ・ドウル
- イアン・ペイス(元ディープ・パープル)
- コージー・パウエル(元レインボー~マイケル・シェンカー・グループ)〔故人〕
- エインズレイ・ダンバー(元ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ~ジャーニー他)
- デニー・カーマッシ(元モントローズ~ハート)
- トミー・アルドリッジ(元オジー・オズボーン・バンド)
[編集] アルバム
- 「SNAKEBITE」(DAVID COVERDALE'S WHITESNAKE名義のミニアルバム)
- 「トラブル」TROUBLE
- 「ラヴ・ハンター」LOVE HUNTER
- 「ライヴ・アット・ハマースミス」LIVE AT HAMMERSMITH
- 「フール・フォー・ユア・ラヴィング」READY AN' WILLING
- 「ライヴ・・・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ」LIVE...IN THE HEART OF THE CITY
- 「カム・アンド・ゲット・イット」COME AN' GET IT
- 「セインツ・アンド・シナーズ」SAINTS & SINNERS
- 「スライド・イット・イン」SLIDE IT IN
- 「スライド・イット・イン~アメリカン・リミックス・ヴァージョン」SLIDE IT IN(AMERICAN REMIX VERSION)
- 「サーペンス・アルバス(白蛇の紋章)」WHITESNAKE(SERPENS ALBUS)
- 「スリップ・オブ・ザ・タング」SLIP OF THE TONGUE
- 「グレイテスト・ヒッツ」WHITESNAKE'S GREATEST HITS
- 「レストレス・ハート」RESTLESS HEART
- 「スターカーズ・イン・トーキョー~アコースティック・ライヴ・イン・ジャパン」STARKERS IN TOKYO
[編集] 外部リンク
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