パルメニデス
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パルメニデス Parmenidēs (紀元前500年か紀元前475年-没年不明)ギリシアの哲学者。エレア出身。アナクサゴラスの弟子・クセノパネスに学んだとも、ピュタゴラス学派のアメイニアス(Ameinias)に師事したとも伝えられる。名門の家柄であり、祖国エレアのために法律を制定したともいわれる。クセノパネスやエンペドクレスにならって、詩の形で哲学を説いている。その中でも教訓詩『自然について』が断片として現存する。
[編集] 思想と影響
- 哲学は真理(アレーテイア)にしたがうものと、思惑(ドクサ)にしたがうものの2部門に分けられる。
- 理性(ロゴス)が真理の規準であって、感覚は精確なものではない。
- 「あるものはある、ないものはない」という論理命題を出発点として、真にあるところのものは連続一体・不生不滅で変化もしなければ運動もしない全体として、同質の球体を形づくっている。この全体はヘラクレイデスのように対立物の合一したものではない。なぜなら、対立というものも存在しないからである。これに対し、運動・変化・多なるものは、死すべき人間のドクサにすぎない。
- 「アキレウスと亀」で知られるパラドクスは、運動が存在しないことを示すためにパルメニデスによって提起されたものであるという。
- プラトンには『パルメニデス』という題名の対話篇がある。プラトン以降の哲学者はパルメニデスから、「実体の不滅」という概念を継承したものと考えられる。