ビリー・プレストン
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ウィリアム・エバレット・プレストン(William Everett Preston, 1946年9月2日 - 2006年6月6日)は、アメリカ合衆国のミュージシャン。
キーボード奏者として、ビートルズやローリング・ストーンズを始めとする多くのミュージシャンたちと共演した他、ソロ・シンガーとしても活動した。ビートルズのシングルにクレジットされたこともあり、後に「5番目のビートルズ」としばしば呼ばれた。
2006年、アリゾナ州の病院で死去。享年59であった。代表作は「ナッシング・フロム・ナッシング」など。
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[編集] 略歴
プレストンは1946年、テキサス州ヒューストンに生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルスで成長した。彼は母親の膝に乗る三歳の頃からピアノを演奏し始める。
音楽家としての経歴は、10歳頃から教会でゴスペルのオルガン奏者としてキャリアをスタート。1962年の16歳の頃には既にリトル・リチャードやレイ・チャールズ、サム・クック、キング・カーティスといった大物ミュージシャンのバックバンドのメンバーとして活躍。この年、リトル・リチャードがリバプール公演に来た際ビートルズと出会う。更にこの頃Vee Jay レーベルなどからアルバムを発表している（『ゴスペル・イン・マイ・ソウル』他） 。
1965年にはレイ・チャールズのバック・バンドに参加し1967年から1968年にかけて行なわれたワールド・ツアーにサポート・メンバーとして同行。そのロンドン・フェスティバルホールで行われたコンサートを観に来ていたジョージ・ハリスンが、演奏しているビリーに気が付き、翌日ビートルズの設立したアップルレコードにて再会。ジョージの誘いで1969年1月に、ビートルズのゲット・バック・セッションに参加。アルバム『レット・イット・ビー』と『アビイ・ロード』のレコーディングにゲスト参加。「レット・イット・ビー (曲)」、「ゲット・バック」、「サムシング」などの曲でエレクトリックピアノを演奏した。この事と彼の人柄により、ギクシャクしていたバンドの雰囲気が良くなったと伝えられている。また、この頃から名が広く知られるようになる。1969年にアップル・ビルの屋上で突然行われたビートルズ最後の伝説のライヴ「ルーフトップ・コンサート」では「ゲット・バック」でエレクトリックピアノを演奏した。
1969年、アップル・レコードに当時所属していたキャピトル・レコードから移籍。移籍に際しジョージ（アップル・レコード）はキャピトルに移籍金を支払ってまでビリーを獲得している。1969年の4月から7月にかけて、アップル・スタジオにおいて、アルバムのレコーディングを行う（ほぼ並行して「アビイ・ロード・セッション」にも参加）。アルバム『神の掟 That's the Way God Planned It』と、同名のシングルを発表。同作品は、当時ブラインド・フェイスのメンバーだったエリック・クラプトンや、ローリングストーンズのキース・リチャーズも参加し、ジョージ・ハリスンのプロデュースでリリース（ジョージはほぼアルバム全編にギターで参加）。同曲とビートルズの『レット・イット・ビー』は、同時期にセッションや作曲が行われており、良く関連性が取り沙汰される。アップル・レコードにおいては、2ndアルバム『エンカレッジング・ワーズ』の合計2枚とシングル合計4枚を残している。
1971年にA&Mへ移籍。同年発表の「アウタ・スペース」が、アメリカでチャートの2位まで上がる大ヒットを記録し、グラミー賞の「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル」賞を受賞。その後も、1970年代はA&Mにおいては、「ナッシング・フロム・ナッシング」などのヒット曲を出した。またローリング・ストーンズとの親交も深く、アルバム『スティッキー・フィンガーズ』や『メイン・ストリートのならず者』などのレコーディングにも参加。1973年のツアーでは前座＆サポート・メンバーとして、1975年～1976年のツアーではサポート・メンバーとして参加し、メインアクトのローリング・ストーンズをバックに自身の曲を2曲披露するなどしている。R＆B・ソウルミュージシャン（黒人シンガー・ソングライター）ではあるが、ロック・シーンでも名前を浸透させていった。一般的には1970年代初期から中期のこの頃、A&M時代が彼の黄金期といわれる。
1990年代には、薬物中毒になったり、保険金詐欺事件に見舞われたりしたが、音楽家としてはゴスペルなどの分野で活動。
晩年は腎臓を患い、腎臓移植手術を受けたがうまくいかず、2005年11月頃から意識不明の状態に陥る。2006年6月6日、アリゾナ州の病院で死去。
[編集] 主な活動
- ビートルズのレコーディングと「ルーフトップ・コンサート」に参加。
- ジョン・レノンのソロ・アルバム「ジョンの魂」のレコーディングに参加。
- リンゴ・スター率いる、リンゴ・スター＆ヒズ・オール・スター・バンドの第1期(1989年)、第3期(1995年)に参加。
- エリック・クラプトンのコンサート・ツアーに参加。
[編集] ディスコグラフィ
- 『モスト・エキサイティング・オルガン・エバー』 - The Most Exciting Organ Ever (1965)
- The Wildest Organ In Town (1966)
- 『神の掟』 - That's The Way God Planned It (1969)
- 『エンカレッジング・ワーズ』 - Encouraging Words (1970)
- I Wrote A Simple Song (1971)
- Music Is My life (1972)
- 『エブリバディ・ライクス・サム・カインド・オブ・ミュージック』 - Everybody Likes Some Kind Of Music (1973)
- 『ライヴ・ヨーロピアン・ツアー』 - Live European Tour 1973 (1974)
- 『キッズ・アンド・ミー』 - The Kids and Me (1974)
- 『イッツ・マイ・プレジャー』 - It's My Pleasure (1975)
- 『ビリー・プレストン』 - Billy Preston (1976)
- A Whole New Thing (1977)
- Late At Night (1979)
- The Way I Am (1981)
- Pressin' On (1982)
- On The Air (1984)
- You Can't Keep A Good Man Down (1986)
- Billy's Back (1995)
