ピカチュウ
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ピカチュウ | |
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全国 アーボック - ピカチュウ (#25) - ライチュウ |
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ジョウト ピチュー - ピカチュウ (#22) - ライチュウ |
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ホウエン ピチュー - ピカチュウ (#156) - ライチュウ |
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シンオウ ピチュー - ピカチュウ (#104) - ライチュウ |
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全般 | |
英語名 | Pikachu |
進化体系 | たねポケモン |
進化前 | ピチュー |
進化後 | ライチュウ |
世代 | 第1世代 |
ポケモン学 | |
分類 | ねずみポケモン |
タイプ | でんき |
高さ | 0.4 m |
重さ | 6.0 kg |
技 | |
特性 | せいでんき |
ピカチュウはポケットモンスターシリーズに登場する490種の架空のキャラクター (モンスター)のうちの一種である。
目次 |
[編集] 特徴
日本のみならず、世界中で人気の高いキャラクターで世界三大キャラクターにもその名前が挙がるほどの知名度を持つポケモン。全世界で愛されているキャラクターである。
ポケモンの分類では「ねずみポケモン」。大乱闘スマッシュブラザーズの攻略本の中では雷ネズミと書かれたものもある。
ネズミをモチーフとしたポケモン。ゴールデンハムスターの一種で淡い金色の毛と黒い耳を持つ種類、通称キンクマがモデルになっているとも言われる。体長0.4m(42cmの説あり)、体重6.0kgで肌は黄色・背に茶色の縞模様があり、耳の先端が黒い。また、尻尾は稲妻のようなギザギザの形をしており、付け根は茶色くなっている。頬に赤斑点に見える「でんきぶくろ」と呼ばれる、電気を生成するための器官が備わっている。戦う時は体当たりをしたり、尻尾を叩きつけたりする他、この「でんきぶくろ」で作られた電気を放出して相手にぶつける「10まんボルト」や「かみなり」で相手を攻撃する。尻尾を掴まれることを嫌い、無闇に引っ張る者には噛み付くこともあるという。
[編集] 名称
世界各国に広がるポケモンであるが、各国で登場キャラクターやそれぞれのポケモンの名前が日本版とは異なる。しかし、ピカチュウのみ表記は違えど万国共通で発音が「ピカチュウ」である。これは日本側が全世界でピカチュウの名称を統一するよう要請したためである。英仏独で"Pikachu"、韓国で「피카츄」(Pikachyu)、中国語簡体字で「皮卡丘」(普通語/漢語ピンイン:Píkaqiū)、繁体字で「比卡超」(広東語/改Yale式:Bei2ka1chiu1)と表記される。
尚、「ピカチュー」は間違いで、正確には「ピカチュウ」である。
[編集] ゲームでのピカチュウ
ピチューが十分になついた状態でレベルアップすると進化するほか、野生のポケモンとしても登場する。アイテム「かみなりのいし」を使用することでライチュウに進化する。「すばやさ」が高い反面、「ぼうぎょ」「とくぼう」といった防御面の能力は低い。『金・銀』からは、アイテム「でんきだま」を持たせることで「とくこう」が2倍に上昇する。『ダイヤモンド・パール』からは「こうげき」も上昇する。
『赤・緑』では、出現率こそ低いものの、序盤で登場する数少ないでんきタイプのポケモンであるため、パーティーに組み込むプレイヤーも多い。
『ピカチュウ』バージョンでは、最初にもらうポケモンとなっている。このピカチュウは鳴き声に大谷育江の声が使用されているほか、モンスターボールに入らない、「かみなりのいし」による進化を拒むなど、アニメの主人公、サトシのピカチュウの特徴が再現されている。
『ポケモンスタジアム』のリーグ戦の最終戦に出場させてクリアすることで、「なみのり」を覚えさせる事が出来る。
『ポケモン不思議のダンジョン』では主人公ポケモンの1種として登場。攻撃わざの少なさをサポートわざの豊富さで補っている。しかし、レベル1の時の能力がHPを除いて全て1、レベル100になってもHP以外のステータスはピチューを下回るという人気ポケモンとは思えない待遇ぶりでもある。
『ピカチュウげんきでちゅう』や『ポケモンチャンネル ~ピカチュウといっしょ!~』といった派生作品においても主役を飾っているほか、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにもマリオ、リンクなどと共にプレイヤーキャラとして出演している。
[編集] アニメでのピカチュウ
アニメ版のピカチュウを演じるのは大谷育江(全世界で共通)。
ピカチュウをサトシの最初のポケモンにしたのは、本来のゲーム版で主人公が最初に貰うポケモン(フシギダネ・ゼニガメ・ヒトカゲ)のどれかを主役にした場合、それ以外のポケモンを選んでゲームをプレイした子供達が、ショックを受けないようにとの配慮と、ゲームで人気が高かったからと言う理由で、今ではその判断は正しかったと思われる(上記の3匹のポケモンも、後に全てサトシがゲットする事になるという形でちゃんとフォローがなされている)。
このサトシと共に行動しているピカチュウは、他のポケモン(同族のピカチュウも含む)と違う特殊なポケモンであることが示唆されている。例えばモンスターボールに入っている事を極度に嫌うため、他のポケモンと異なり常にモンスターボールの外に出て行動する。また備わった能力も通常のピカチュウとやや異なっており、ライチュウへの進化も嫌がってピカチュウのままでいる。なお劇中でのエピソードからケチャップが好物という描写もある。
サトシのピカチュウは、相手に何かを知らせたり、相手を喜ばせるために、しばしば顔芸をすることがある。それを見るとよく伸びる性質の皮膚のようで、引っ張った状態から手を離すと輪ゴムのように勢い良く戻る。また何かを知らせるときの顔芸の場合、なぜか周りはピカチュウが伝えようとしていることをきちんと理解できている。映画でも顔芸をするが、他のポケモンの真似もする。レース大会にてゼニガメと特別参加するが、坂道でバテてしまったゼニガメを後ろから押して手伝うハメになってしまう。
[編集] アニメ放送の影響
テレビ東京系でポケットモンスターを原作とする同名のアニメが放送された際、主人公のサトシが最初にもらって、物語の中心的存在となったことをきっかけに、小中学生を中心に絶大な人気を得た。のちにピカチュウを扱ったキャラクター商品が多数発売されるなど、ポケモンを象徴する存在となり、やがては任天堂や、さらには日本のゲームというもの全体を象徴するシンボルのように扱われるようになり、社会現象を巻き起こすこととなった。
万国共通で発音が「ピカチュウ」であり、またアニメ版の声優も日本側の要請で大谷育江のものがそのまま使用されている。このためアフレコ時には大谷のピカチュウのみ別撮りとなっている(ポケモンアワーにて説明)。大谷が一時休業した際も、他出演番組では代役が立てられたなか、本番組では過去の音声のサンプリングで対応された。
初期のデザイン(原作及び初期のアニメ版)のものと現在のものでは顔つきや体つきが多少異なり、当初はもっと丸っこいデザインだった。しかしアニメの放送が続くにつれ次第に細身になっていった。おそらくはアクションをさせやすいようにであろう。このようなデザインが一般に定着したこともあり、その後ゲームの方でもアニメ版のデザインが取り入れられるに至った。非常に愛らしい姿をしているといわれ、ポケモンファン全体に人気がある。
[編集] 漫画でのピカチュウ
ピカチュウは人気の高いポケモンである為か、漫画などのメディアでも主人公のパートナーとして描かれる事が多い。「ポケットモンスター」や「電撃!ピカチュウ」などがこれにあたる。ポケットモンスターSPECIALでは一時期主人公の代理も果たしている。また、他の作品でも必ずと言っても良いくらいの比率で登場する。 アニメ版の影響もあり、性格も似た箇所が多い。
[編集] ポケモンカードでのピカチュウ
ピカチュウのカードは種類が多く、一番はじめにコロコロコミックの付録としてプロモカードがプリンと一緒についた。
「なみのりピカチュウ」や「そらをとぶピカチュウ」など、後の新バリエーション(「わるい」シリーズなど)の先駆け的なものがある。
ちなみに第1弾のピカチュウのHPは40で攻撃技はかじる(攻撃力10)、でんげき(攻撃力30、コイントスをして裏面が出たら自分に10のダメージ)である。
[編集] 企画から生まれたピカチュウ
「なみのりピカチュウ」や「そらをとぶピカチュウ」は、当初はカードを中心とした企画であったが、徐々に関連ゲームでも存在するようになった。後の「ポケモンスタジアム」では、一定条件をクリアするとピカチュウが「なみのり」を覚えることができた。また、「ポケモンスナップ」では条件をクリアすると「そらをとぶピカチュウ」を撮影することができるようになった。
またゲーム(緑、赤)ではピカチュウに裏技を施すと、シェルダーに変化してしまう。シェルダーの状態でなみのりを覚えさせ、ピカチュウに戻すといわゆる「なみのりピカチュウ」が完成する(バグ技であり、販売元の任天堂からは推奨されていない)。
[編集] その他・現実世界におけるピカチュウ
- アニメ版の製作会社の1つに、ジェイアール東日本企画があるため、同社の親会社、JR東日本のイベント、宣伝にピカチュウが登場することもしばしばある。
- 全日本空輸が運航しているポケモンジェットの全てにピカチュウが描かれている。
- Microsoft IME 2002で、変換モードを『話し言葉優先』にして、「ぎれ」または「ぎぇ」という文字列を変換すると、ピカチュウという変換候補が出てくる。これは盗用を発見するための一種の「透かし」であると考えられ、語源としてはポケモン関連の著作のある作家Gille Myotisの名前が有力。他にも、任天堂内でのピカチュウのコードネームという説もある。
- ウミウシの一種である「ウデフリツノザヤウミウシ」が、黄色い体色と先端が黒い角で、ピカチュウを思わせる外見であることから「ピカチュウウミウシ」という通称で呼ばれている。
- pikaとは英語でナキウサギを表し、chuも機関車などで使われる擬音「choo」に通じる。偶然ではあろうが、日本語でも英語でも「電気っぽい小動物」のイメージを持つのは興味深い。
- 1999年、タイム誌アジア版の「The Best People of 1999」の第2位にピカチュウが選ばれた。(国際版でも表紙を飾る快挙を果たしたが、その時に中心に据えたのはピカチュウではなく何故かニョロゾだった)1位はリッキー・マーティン。
- 2003年、フォーブス誌が発表した「2002年に(世界で)最も稼いだ架空のキャラクター」(背景となる物語・原作が存在する架空の人物・キャラクターのランキングで、バービーやハローキティ等の商品用に作られたキャラクターはランキングされない)の8位にピカチュウがランクインした。2004年にも2003年の同様のランキングを発表し、10位にランクイン。
- 川上稔のライトノベル、終わりのクロニクル4巻〔下〕の日本UCAT隊員のせりふの中において、パロディ「ピカ虫」として登場した。
- 一部のゲームファンの間では、ゲームソフトのポケモンの別称(隠語)として、「黄色い悪魔」と呼ばれることがある、これは「白い悪魔」に引っ掛けたものであるが、黄色とはもちろんピカチュウのことである。