ファウルボール
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ファウルボール(英語では "foul ball" )とは、野球において打者の打球がフェアゾーンに入らなかったもののことである。日本では、単に「ファウル」と略されることもある。
[編集] 定義
野球のフィールドは本塁と一塁を結ぶ線、本塁と三塁を結ぶ線の2本のファウルラインで区切られており、このうち捕手以外の守備側の選手や二塁ベースが存在する側をフェアゾーン(フェアグラウンド)、それ以外をファウルゾーン(ファウルグラウンド)と呼ぶ。ファウルライン上はフェアゾーンである。
ファウルボールとは、打者が打った打球が次のようになったものをいう。
- 最終的に、本塁と一塁または三塁の間のファウルゾーンに止まったもの
- いったん内野(フェアゾーン・ファウルゾーンは問わない)に落ちた後、一塁または三塁を越えて外野へ飛んでいく際に、一塁または三塁よりもファウルゾーン側を通過したもの
- 最初に落下した地点が、一塁または三塁を越えたファウルゾーンであるもの
- ファウルゾーン内(ファウルゾーンの上空も含む)で、野手や走者などのプレーヤー、審判員、地面以外のもの(フェンスやネットはもちろん、捕手が外したマスクや打者が投げ捨てたバット、球審が誤って落とした箒なども含む)に触れたもの
- バッターボックスを出ていない打者の身体や着衣または打者が持っているバットにあたったもの
[編集] 概要
審判員がファウルボールの判定を行う際は「ファウルボール」と発声し、両手を上方に広げたジェスチャーを行う。打球がファウルボールとなった場合はボールデッドである。走者は投球時に占有していた塁に戻り、打者は打ち直す。このとき、ボールカウントが0ストライク、または1ストライクの場合は、ストライクが1つ追加される。2ストライクの場合はボールカウントはそのままで続行される。ファウルゾーンに飛んだ飛球であっても、グラウンドに落下する以前に守備側の選手が捕球した場合は、打者はアウトとなる(ファウルフライまたは邪飛と呼ばれる)。
打者はファウルボールを何本打とうが、そのこと自体によりアウトになることはない(例えば「36本打つとアウトになる」などのことはない)。しかし、2ストライク後にバント(スリーバントと呼ばれる)した打球がファウルボールとなった場合はアウトになる。このルールが追加される前は、相手の投手を降板させるために意図的にバントでファウルを繰り返し、疲れさせる戦法が広く使われていた。