リムジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リムジン(Limousine)は、乗用車の一形式で、後部座席部分の全長を延ばし、内装を豪華にした形式をさす。
[編集] 概要
元来は馬車の形式の一つであり、御者と客室の間に仕切りがあるもののことである。なお、この様な仕切り(パーティション)を設けたリムジンが、現在においても最も格の高い正式なリムジンとされている。他にも、後部座席部分を延長して補助座席を設けたものや、後部にドアを追加して3列目のシートを設けたもの(この場合は単純に乗車定員を増やすことが目的の送迎用のものが多い)がある。
全長を延ばすことは単に乗車定員を増やすことだけが目的ではなく(送迎用のリムジンを除く)、後部座席の足元のスペースの拡大やテレビモニターやカクテルキャビネットの設置などの居住性、各種設備の充実をはかることに主眼がおかれるが、トランクスペースを改造してジャクジーバスにするなどの変り種もある。
なお東京空港交通を筆頭に都心や周辺都市からの空港連絡路線バスをリムジンバス(Airport Limousine Bus)と称することがある。これは東京空港交通が都心から空港への送迎車(ハイヤー)をリムジンで運行していたことに由来し、その後航空需要が増大したことによって路線バスを始めたため、リムジンバスという名称を使うようになったのが通説である。
[編集] 近年の傾向
1980年代以前はカタログモデル(通常販売モデル)としてダイムラーやボルボ、パッカードなど多くの高級車メーカーが用意していたが、近年はリムジン専門改造メーカーが市販車を改造して作ることが多く(中間部を切断・拡張するストレッチリムジンなど)、元となる車種としてフォード社のリンカーンやキャディラック、ロールスロイス、メルセデス・ベンツなどの大型高級車が使われることが多い。また、最近ではハマーなどの4輪駆動車やミニなどの小型車を改造するケースもある。
欧米諸国におけるリムジンの使用者としては、一般的に大企業の役員や貴族、大富豪が多いが、日本においては交通事情からリムジンはあまり一般的ではなく、芸能人や暴力団関係者、霊柩自動車、ごく一部の自営業経営者などの使用に限られている。大企業の役員や政治家、皇族が日常使用することは殆どなく、トヨタ・センチュリー(バブル期以降の初代末期にはトヨタ自動車自身がリムジンをラインアップしていた)や日産・プレジデント等の高級セダンが多い。
また、アメリカのハワイやラスベガスなどの観光地では、空港送迎用や高級なタクシー、ハイヤーとして一般の人も比較的気軽に借用し利用できる他、流しのタクシーとしても走っている。
[編集] 関連事項
- セレブリティ
- クインランド・カーズ:リンカーン・タウンカーのリムジンを輸入販売
- 日の丸自動車興業
カテゴリ: 自動車の形態 | 自動車関連のスタブ項目 | 工学関連のスタブ