京阪800系電車 (2代)
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京阪800系電車(けいはん800けいでんしゃ)は、京阪電気鉄道の京津線用通勤形電車である。
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[編集] 概要
1997年(平成9年)10月12日から京津線が京都市営地下鉄東西線乗り入れを開始するにあたり、在来車の80形の代替車として導入された。
日本で唯一、地下鉄区間と併用軌道(路面電車)区間を直通する車両であり、運行路線の『区間ごとに極端に異なる性格』に対応するため、急勾配・急カーブ対策など、多彩な機能を備えた車両となっている。
併用軌道区間での自動車等との接触事故が起こった際に車体の修復を容易にするため、軽合金車体主流の時代であるがあえて普通鋼製車体としている。部品の一部には自動車と共用の部品を使用している。また、接触防止の為に車両前部および側部に車幅灯を備えている。中間車に装備されるパンタグラフは京阪唯一のシングルアーム式である。
4両固定編成の全動力車で、急勾配区間において1車両が故障しても走行可能な性能を確保している。制御方式はVVVFインバータ制御であるが、素子は従来のGTOに代わってIGBTを京阪の車両としては初めて採用した。インバータ装置の製造メーカーは東洋電機製造である。
車内放送装置には京阪の通勤形電車では唯一、自動放送装置が搭載され、英語放送装置も搭載されている。自動放送は京阪のほか、地下鉄線にも対応しているが東西線50系とは異なり地下鉄線内でも京阪線内同様の男声放送が行われている。
加速度3.3km/h/s、減速度は4.2km/h/s(常用最大)となっている。設計最高速度は90km/hだが、リミッターによって75km/h以上の速度では走行できない。低速域でのブレーキの確実性を図るため鋳鉄製のブレーキシューを採用している。
地下鉄東西線乗り入れに備えATC、ATOを搭載、ホームドアに対応した(京津線内では京阪形ATSを使用)。
座席は両先頭車が1+2配列の固定セミクロスシート、中間車がロングシートとなっている。内装は9000系に準じ、東西線50系と同等水準としている。
高性能確保のための複雑な制御装置をはじめとする高度な装備機器類、上質な接客設備等に起因し、極めて高コストな車両となっている。
[編集] 運用
東西線京都市役所前-京津線浜大津間を昼間時15分間隔で運行される。京津線専用となっており、石山坂本線での営業運転は行わないが、運用の都合上、石山坂本線近江神宮前駅隣接の錦織車庫までの回送で浜大津-近江神宮前を走行する。試運転では坂本-近江神宮前間を走行することもある。島ノ関-石山寺間は車両限界の関係により走行できない。
[編集] 関連商品
2005年6月にBトレインショーティーとして、9000系と6000系とともに製品化された。スルッとKANSAIグッズの一環である。
[編集] 外部リンク
京阪電車大津線公式サイト内で運転士や開発者とのインタビューなどで800系を紹介。
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