全地形対応車
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全地形対応車(ぜんちけいたいおうしゃ、All Terrain Vehicle 略:ATV)とは、泥地(ダート)・砂浜(サンド)・雪道(スノー)・舗装道路(オンロード)・山道(オフロード)などの様々な地形を進むことのできる自動車であり、一般にはバギーと称されているが、二輪駆動車、三輪・四輪バギー、後輪2輪駆動車ともいわれている。
日本国内では法規の関係から、ほとんどの車両は公道走行ができないが、保安基準を満たした一部の車両は走行することができる。
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[編集] 主な車種
- バギー
自動車を改造しパイプフレームや車輪を剥き出しにして軽量化を施したものであるが、長距離レース用の車両は外装も被せる場合もある。
- ATV
オートバイの技術を流用した小型車体の四輪。かつては三輪も市販されていたが、アメリカで転倒例が続出したことから急速に生産は縮小した。ハンドルはオートバイ同様のものであり、乗車姿勢もオートバイに類似している。しかし二輪と四輪(または三輪)の差異から、走行感覚はオートバイとはかなり異なる。
[編集] 自動車としての区分
ATVはミニカーとしてなら一般公道でも走行可能であるので、道路交通法では、普通自動車の排気量50cc、輪間距離50㎝超の3輪以上(4輪)となるミニカー登録となる。(道路車両運送法では、50cc以下の4輪であるATVは、第一原動機付自転車となっている。)そのため、免許は、普通自動車免許(AT限定も可)が必要となる。自動二輪や原付の免許は不可となる。ヘルメットやグローブの着用は義務付けられていないが、安全のため、付けたほうが良い。交差点での2段階右折もない。法定速度は、自動車と同じ60km/h。二人乗り・高速道路での運転は禁止されている。操作の方も簡単で力の弱い女性や老人も安心して乗りこなせるが、ATVの特性上、舗装路面では曲がりにくいので安全な非舗装路で練習をすることをお勧めする。ちなみに公道外でも12才以上に運転させるようメーカー側が強く指導している。
なお、50ccを超える排気量のATVを小型特殊自動車として登録する例も見受けられるが、特殊自動車として該当する分類ではなく、「その他の車両」としての登録も国土交通省が認める見解を出していないので、本来は普通自動車扱いとなり保安基準も同等の扱いになるので注意が必要。(なお保安基準を満たすのは現実的に無理がある)
ただし50ccを超える排気量の三輪ATVについてはトライクとして登録すれば、自動二輪車の保安基準を満たすことに無理はない。
バギーについては元が自動車であることから、保安基準を満たす改造を行っていれば公道での走行は可能である。
[編集] ナンバー・保険・税金・車検・車庫証明証
- ミニカー登録のATVは、車検や車庫証明証は必要ない。自賠責保険も原付と同じであり、任意保険は普通車を持っていれば、ファミリーバイク特約が利用できるようになっている。(詳しくは各保険会社に尋ねてもらいたい。)税金も地方税で各地によって、ばらつきがある。保証もオフロード車であるため、初期不良以外は基本的に保証はない。
[編集] スペック
- ミニカーATVでは、一般的なスクーターと同じく2サイクル/50cc/セルモーター付き(キック併用)/CVT自動変速で6.5ps/0.54kg-m。最高速度40~50km/h程度である。
[編集] 初心者
- 公道での走行を行う場合は普通車の扱いであるため初心者マークが必要となる。
[編集] 国際試合
- パリ・ダカール・ラリーにも登録されている。
[編集] メーカー
- バギー
- 改造車もしくは競技用車両であるため、ほとんど市販されていない。競技用ではフォルクスワーゲンが有名。