天井
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天井(てんじょう)とは、部屋の上部の面である。屋根の裏側や上の階の床の裏側の構造を目に触れないようにするほか、上の階との間にすき間を作ることで防音や保温の効果も生じる。
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[編集] 天井の高さ
居室の場合、建築基準法施工令により、平均の高さは2.1m以上と定められている。また、学校建築(床面積50平方m)の場合、3m以上という特例がある。広い部屋なのに天井が低いと圧迫感を受ける。また、住宅でむやみに天井が高いと暖房の面で不利である。
[編集] 和風建築の天井
(スタブ) 近世の農家では天井を張らず、小屋組を露出させていることが多かった(養蚕などで2階や屋根裏を造る場合は別)。農家でも床の間のある座敷を造るようになると天井を造るように変化してゆくが、土間部分では火を使うこともあって小屋組を見せるのが一般的であった。
寺院建築のうち、現存最古の法隆寺金堂を見ると、梁・桁の間に木材を格子状に組んだ天井を造っている(組入天井)。平安時代以降の和様の仏堂では梁・桁の下に格子を組んだ天井(格天井)を造るようになった。組入天井では構造材(梁・桁)を見せるが、格天井では構造材を隠してしまう。和様特有の天井の低い穏やかな空間が生まれるようになった。これらに対して、禅宗様など構造材をそのまま見せる(天井を張らない)形式の仏堂も多い。
書院建築では、天井の造りによって格式が決まってくる。格天井の中で周囲の部分を一段持ち上げるようにしたものが折上格天井である(二重に持ち上げたものは二重折上格天井)。二条城書院を見ると将軍の座る位置が二重折上格天井で、その下手に折上格天井、格天井、と格式によって天井の造りも変化させている。数寄屋造りの場合、こうした序列は用いず、竿縁天井とする。茶室の場合は狭い空間の中に網代天井、掛け込み天井など変化を持たせる。
[編集] 比喩として
比喩的に、物価や相場などの一番高い所のことを天井といい、これらの値段が高騰することを天井知らず、青天井(原義は青空のこと)などと言う。
パチスロの場合は、吸い込み方式やストック機(完全確率方式でも2号機や3号機は事実上この方式)にボーナスフラグが成立する回転数やコイン投入枚数(IN枚数のみ、IN-OUT差の機種がある)のことを言う。尚、一部の機種(ペガサスシリーズ→この機種は「馬」の場合があるので事実上は青天井)を除いて最高役が成立する。