奇跡の地球
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奇跡の地球 | ||
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桑田佳祐&Mr.Children の シングル | ||
リリース | 1995年1月23日 | |
録音 | - | |
ジャンル | J-POP | |
時間 | 9分44秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ トイズファクトリー |
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プロデュース | 小林武史 | |
レビュー | ||
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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桑田佳祐&Mr.Children 年表 | ||
桑田佳祐 祭りのあと (1994年) Mr.Children everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- (1994年) |
奇跡の地球 (1995年) |
桑田佳祐 波乗りジョニー (2001年) Mr.Children 【es】 ~Theme of es~ (1995年) |
奇跡の地球(きせきのほし)は、桑田佳祐&Mr.Children名義のシングル。発売元はビクターTAISHITAレーベルとトイズファクトリー。
目次 |
[編集] 概要
本稿では作品自体の売り上げや概要について説明し、プロジェクトとしての概要や解説は桑田佳祐&Mr.Childrenを参照のこと。
[編集] セールス記録
桑田佳祐とMr.Childrenという人気アーティスト同士のなんとも豪華なプロジェクトだが、本作の発売はAAA患者救済募金活動の一環である。本作のジャケットは地球とその背景の宇宙の写真が使用されており、この写真はNASAのものである。なお、ジャケットにはAct Against AIDS Special Singleと表記されている。また、当時(現在でもあろうが)としては珍しくジャケットにプロデューサーであり楽曲にも参加した小林武史の名が入っている。現在でも人気アーティスト同士でのコラボレーションによってチャリティーシングルが発売されているが、まだこういったプロジェクトが一般的でなかった日本では強くリスナーの関心を誘った作品である。これ以前に高い売上を記録したチャリティー企画としては、USED TO BE A CHILDがあった。
作品は同年6月までの限定生産として発売されていたが、発売初週の初動売上はオリコンで605,910枚を売り上げ、最終的に172万枚のセールスとなっている。これは桑田佳祐関連のソロシングルとしては現時点で最大のセールスである。オリコンチャートで週間チャート首位経験のあるアーティスト同士のコラボシングルとしては、史上初の週間チャート1位を獲得した。同年の年間チャートでは7位を記録。
サザンや桑田の他シングルと異なり、限定生産であるため現在でも再発がなされていない。そのため音源の入手が困難であったが、2002年に桑田のソロベストアルバム『TOP OF THE POPS』に収録されたことにより容易になった。Mr.Childrenのアルバムには収録されておらず、名義が桑田佳祐&~であること、桜井和寿はバンドで主に作詞・作曲を務めるが本作では一貫して桑田のみによるものであることなど、桑田佳祐がメインになって製作した感は強い。実際この作品も桑田がAAAに参加していることから小林繋がりで実現したものである。なお、Mr.Childrenは、この後発売されたシングル「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」の売り上げ金及びアーティスト印税の全てを全額阪神淡路大震災の義援金として寄付している。
[編集] 作品の概要
シングル内面はエイズ感染者のグラフや詳細などが記載されており、CDを取り外すとWHO調べの世界のエイズ患者の状況(1993年まで)のグラフを見ることが出来る。
本作の品番はAAA-1。AAAの品番やこの2つのレーベルが合同で発売した作品は本作が唯一であるが、発売元のクレジットなどにはビクターエンタテインメントと記載されているため、CDの発売元はあくまでビクター内のサザンオールスターズ専属レーベル“ビクタータイシタ”で、製造や販売元はビクターエンタテインメントとなっている。ちなみにこのCDは、最後に旧トイズファクトリーロゴが刻印されたCDである。
プロジェクトと言っても単なる人気アーティスト同士のチャリティー活動に過ぎることはなく、お互いそれぞれサポートメンバー、プロデューサーとして交友のあった小林武史によって意思が伝えられた共演であり、この後2006年に小林と桜井を中心に主催しているチャリティー企画ap bank fes'06には桑田がソロで出演し、同年に同じくTHE 夢人島 Fes.ではMr.Childrenと桑田とのステージが実現している。2006年現在桑田やサザン名義の作品に小林は関わっていないが、Mr.Childrenにおいては現在もプロデュースや編曲として携わっている。
楽曲自体ももう二度と聴けない状態なのかと言われ、2000年代に両者が大物になっていくに連れてラジオ番組などでは、あえてフルOAを前提としたリクエストコーナーなどで恒例の楽曲となっていたが、2002年の桑田佳祐ソロ活動の集大成として、ついにベストアルバム『TOP OF THE POPS』に収録されたことにより、音源の入手も容易になっている。なお、このアルバムも出荷初期のものは売り上げがAAAへと寄付されている。
[編集] 収録曲
- 奇跡の地球
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:小林武史 & Mr.Children)- 作品のテーマでもあるエイズ、戦争、感染症などをイメージさせる言葉が歌詞に使われている。平和の理想を描いた形でもあるが、率先した行動を見せない政府や見て見ぬ振りをする群衆を風刺するような言葉も登場する。サポートメンバーは桑田、サザン関連のメンバーが中心になっている。Act Against AIDS 1995キャンペーンソングであり、LIFE UFOキャンペーンソングとなった。
2006年に行われたap bank fes.06では、ステージでは11年ぶりに(その5年ほど前に『桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~』では実現済)桜井と桑田によるデュエットでこの曲が演奏された。桜井が出演するこのフェスに、桑田が参加するということで当初から披露が予想され、期待されていただけに大変話題となった。後日に開催されたTHE 夢人島 Fes.でも両者のステージによる「奇跡の地球」が披露されている。
- 作品のテーマでもあるエイズ、戦争、感染症などをイメージさせる言葉が歌詞に使われている。平和の理想を描いた形でもあるが、率先した行動を見せない政府や見て見ぬ振りをする群衆を風刺するような言葉も登場する。サポートメンバーは桑田、サザン関連のメンバーが中心になっている。Act Against AIDS 1995キャンペーンソングであり、LIFE UFOキャンペーンソングとなった。
- 奇跡の地球 (Instrumental Version)
(作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & Mr.Children)- 現在、桑田佳祐の作品で楽曲のインストゥルメンタル版は存在していない。桑田としてはサザン名義でも「勝手にシンドバッド」の再発盤にボーナストラックとして収録されたものが唯一であり、その他にはSUPER CHIMPANZEE名義の「クリといつまでものカラオケ付き」のみである。サザンのアルバム『綺麗』にはシングル「EMANON」c/wの「ALLSTARS' JUNGO」を短い器楽曲にした「ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)」という曲もあるが、カラオケ・バージョンというものは存在しない。また、Mr.Childrenはブレイク後のシングル数枚でカラオケインストゥルメンタル作品を収録しているが、アルバム『DISCOVERY』での復活後は「歌が入ってなくてどうすんの?」という理由で収録されなくなった。なお、両者共にインタルード等で、インストゥルメンタルやクレジット上インストゥルメンタル作品となる楽曲を効果的に使うことは、現在においても多く行われている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 奇跡の地球
- 小林武史:Keyboards
- 藤井謙二:Guitar
- 山本拓夫:Sax
- 荒木敏男:Trumpet
- 村田陽一:Trombone
- CAROL STEELE:Percussions
- 松本賢:Computer Programming
- 高安錬太郎:Computer Programming
- 奇跡の地球 (Instrumental Version)
- 小林武史:Keyboards
- 藤井謙二:Guitar
- 山本拓夫:Sax
- 荒木敏男:Trumpet
- 村田陽一:Trombone
- CAROL STEELE:Percussions
- 松本賢:Computer Programming
- 高安錬太郎:Computer Programming
[編集] 関連項目
オリコン週間シングルチャート第1位 1995年2月6日付 |
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前作: trf 『CRAZY GONNA CRAZY』 |
桑田佳祐&Mr.Children 『奇跡の地球』 |
次作: trf 『masquerade』 |