学園前駅 (奈良県)
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学園前駅(がくえんまええき)は奈良県奈良市学園南3丁目1-1にある、近畿日本鉄道奈良線の駅。
現在、列車の到着時のアナウンスでは、合わせて帝塚山学園前と案内されており、駅名標にもカッコ書きで記載がある(特急列車の場合はアナウンスされない)。
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[編集] 駅構造
相対式ホーム2面2線を持つ駅。ホーム有効長は10両。
改札口は北口と南口の2ヶ所で、構内・構外の地下道で結ばれている。盛土の上に駅が設置されているため、高架駅の趣がある。丘陵地であるため、南口は北口より一段低くなっている。駅の南北にある奈良交通のバス乗り場に直結している。
現在の構外地下道は1999年の駅舎改築までは構内地下道として使用されていた。駅舎改築前、南口・北口の往来は隣接する市道のガード下を遠回りする必要があった。奈良市の要請により、近鉄は駅舎改築時にもともとの構内地下道を南口・北口を連絡する構外地下道として開放し、代わりの構内地下道を新設した。
- のりば
- 大和西大寺・奈良・天理・京都方面
- 生駒・布施・上本町・難波方面
[編集] 特徴
- 特急を含む全ての列車が停車する。
- 特急券・定期券ともに即時購入可能。
[編集] 利用状況
帝塚山学園への通学生の他、付近のニュータウンからの乗客が多く、朝夕のラッシュ時には各所からのバスが切れ間なく発着し住民の重要な足になっている。 乗降客数は近鉄奈良駅とほぼ並び、平日の場合この駅の方が乗降客数が多いこともある。
- 2005年11月8日の調査結果では、1日の利用客は72061人。この数字は…
- 近鉄の全調査対象駅の中では323駅中7位。
- 奈良線・難波線の駅(大阪線複々線区間や他線接続駅含む)としては24駅中4位。
- 奈良県内の近鉄の駅としては90駅中1位。
[編集] その他の特徴
周囲が高級住宅街で会社の“上役”が多く住むので、朝夕だけでなく、22時台にもラッシュアワーが来る。
[編集] 駅周辺
奈良市の西部にあり、帝塚山学園の最寄り駅である。周辺は住宅地として開発され、その玄関口として利用客が多い。特に学園南地区、登美ヶ丘地区、中登美ヶ丘地区の一角には高級住宅地が設けられ、近鉄の元会長である故佐伯勇氏の邸宅(現、松伯美術館)に代表されるように近鉄の首脳も居を構えていた。
[編集] 北口
徒歩数分の位置に、近商ストアを中心とした複合商業施設「パラディ」がある。
- 奈良西郵便局
- 三菱東京UFJ銀行学園前北口支店
- 三井住友銀行学園前支店
- 三菱東京UFJ銀行近鉄学園前支店
- りそな銀行近鉄学園前支店
- 南都銀行学園前支店
- 奈良信用金庫学園前支店
- 奈良県立大渕池公園
- 松伯美術館
- 奈良女子大学附属小学校・幼稚園
[編集] 南口
- 帝塚山学園学園前キャンパス
- 西部会館奈良市役所西部出張所
- 大和文華館
- 中野美術館
- 南都銀行
- 奈良県警奈良西警察署
- 蛙股池
[編集] バス
当駅から駅周辺の住宅地や近鉄けいはんな線の駅に向かうバスが発着している。バスの本数は非常に多く、2006年9月現在、朝ラッシュのピークである午前7時~8時の1時間に住宅地から当駅北口に77本、南口に49本のバスが乗り入れる(主要なバス系統は約4分間隔で運行)。
[編集] 当駅発着の系統
路線バスは奈良交通と子会社のエヌシーバスが運行している。関西国際空港発着のリムジンバスは関西空港交通、徳島駅前発着の高速バスは徳島バスとの共同運行である。
2006年の近鉄けいはんな線の開通により、住宅地止であったバスが学研奈良登美ヶ丘駅や学研北生駒駅発着に区間延長・短縮されるバス路線の再編が行われた。
[編集] 北口
- 1番
- [1] 東登美ヶ丘一丁目(登美ヶ丘三丁目経由)
- [11] 高の原駅(登美ヶ丘三丁目・東登美ヶ丘一丁目経由)
- [19] 奈良北高校(大渕橋経由)
- 2番
- [6] 東登美ヶ丘六丁目東(中登美ヶ丘二丁目経由)
- [76] 高の原駅(中登美ヶ丘二丁目・学研奈良登美ヶ丘駅・東登美ヶ丘六丁目東経由)
- 3番
- [102] [急103] [112] [急113] 鹿ノ台北二丁目(中登美ヶ丘二丁目・学研奈良登美ヶ丘駅経由)
- 4番
- [31] [32] [急32] 学園朝日町循環(中山町西四丁目・青葉公園前経由・学園前駅行)
- [31] 青葉公園前(中山町西四丁目経由・青葉公園前止)
- [33] 学園緑ヶ丘一丁目(百楽園一丁目経由)
- 5番
- [急9] 中登美ヶ丘四丁目(大渕橋経由)
- [急109] [110] 学研奈良登美ヶ丘駅(大渕橋・中登美ヶ丘四丁目経由)
- [急129] [130] 学研北生駒駅(大渕橋・中登美ヶ丘四丁目・北大和五丁目経由)
- 6番
- [8] 西登美ヶ丘五丁目(大渕橋経由)
- [126] 学研北生駒駅(大渕橋・真弓一丁目経由)
- [急127] [128] [260] 学研北生駒駅(大渕橋・西登美ヶ丘五丁目・真弓一丁目経由)
- [138] 高山サイエンスタウン(大渕橋・西登美ヶ丘五丁目・真弓一丁目・学研北生駒駅経由)
- [急135] [136] 高山サイエンスタウン(大渕橋・真弓一丁目・学研北生駒駅経由)
- 7番 (17時以降のバスが発着する)
- [急125] 学研北生駒駅(大渕橋・真弓一丁目経由)
- [急135] 高山サイエンスタウン(大渕橋・真弓一丁目・学研北生駒駅経由)
- 8番
- 関西国際空港リムジンバス・徳島駅前行き高速バス
[編集] 南口
- 1番
- [22] 西千代ヶ丘二丁目(学園中三丁目経由)
- [26] 西千代ヶ丘二丁目(学園大和町経由)
- [260] 奈良公園 高畑町(阪奈道路・奈良市庁前・近鉄奈良駅経由)
- 2番
- [21] 学園大和町五丁目(学園大和町経由)
- [33] 阪奈菅原・学園前駅(あやめ池駅→阪奈菅原→あやめ池駅経由・学園前駅行)
- [41] 尼ヶ辻駅(東坂・国道308号線・県立奈良病院口経由)
- [48] 近鉄奈良駅(東坂・国道308号線・県立奈良病院口・三条川崎町経由)
- [49] JR奈良駅西口(あやめ池駅・阪奈菅原・三条添川町経由)
- 3番
- [23] 赤膚山(学園大和町・東坂経由)
- [24] 赤膚山(大和文華館・学園大和町・東坂経由)
- [27] 若草台(学園大和町・丸山橋経由)
大括弧内の数字は系統番号を表す。「急」はラッシュ時に運行される急行であり、バスの通行が集中する1区の停留所と登美ヶ丘一丁目停留所を通過する。夕ラッシュ時には登美ヶ丘一丁目に停車する急行も運行される。
[編集] 遅延防止の交通規制
朝ラッシュ時のバス遅延を防止するため、午前7:15から午前8:15に、当駅周辺で以下のような交通規制が行われる。
- 駅に通り抜けできる道は駅と逆方向に一方通行(自転車を除く)
- 市道奥柳登美ヶ丘線の登美ヶ丘三丁目付近~奈良西警察署付近間の当駅方面の車線はバス・タクシー以外進入禁止
この交通規制は駅から1km以上離れた場所から実施され、一般車はおろか原付までも駅方面への進行が困難になる。全国的にも珍しい大胆な交通規制だが、交通規制の背景には、朝ラッシュ時に15分以上のバス遅延が日常化していた道路事情の悪さがある。当駅のバスターミナルに接する市道奥柳登美ヶ丘線は片側1車線の道路で、住宅地から大阪・奈良方面へ連絡する幹線道路と当駅への進入路を兼ねているため、交通渋滞が発生しやすい。現在でも休日昼間を中心に当駅付近から阪奈道路学園前ICの手前にかけて渋滞し、バスの定時性が妨げられる場合がある。なお現在はやや離れた北側に学研奈良登美ヶ丘駅が開設されたこともあり、車の流入はやや少なくなっている。
[編集] 歴史
周囲は元々竹やぶ等の山地であったが、男子校の新設を望んでいた帝塚山学院(大阪市住吉区帝塚山に所在)と沿線開発を推し進める近鉄の考えが一致し、1941年に帝塚山学園が開学。開学に伴い、学園の最寄に駅が設けられた。1951年から駅周辺が高級住宅地として開発されたのを皮切りに、戸建の分譲住宅、公団住宅、分譲マンションが盛んに開発され、開発に伴い駅の規模も発展した。
- 1942年(昭和17年)3月6日 関西急行電鉄の駅として開業。
- 1944年(昭和19年)6月1日 会社合併により近畿日本鉄道の駅となる。
- 1999年(平成11年)9月 駅ビル「ル・シエル学園前」の開業に伴い、駅舎改良が行われた。
[編集] その他
現在の駅舎は、2000年の第1回近畿の駅百選に認定された。