家庭 (教科)
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教科「家庭」(かてい)は、産業としての家庭の各分野に関する知識と技術を習得させることなどを目的とする教科。後期中等教育(高等学校、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部)における専門教育に関する各教科(専門教科)の1つである。
教科「家庭」は、「家庭に関する学科」(家庭学科)や、「総合学科」などで主に開講・学習される。
教科「家庭」に属する科目の数は19にのぼり、そのいくつかと普通教科を組み合わせて教育課程を編成することで、主に専門学科や総合学科においては、学科の特色が活きるように配慮されている。
高等学校においては、専門教科としての教科「家庭」とは別に、普通教科としての教科「家庭」が必修教科として設置されている。
また、小学校では第5学年・第6学年で教科「家庭」を履修する。中学校では技術・家庭の家庭分野として、教科「家庭」を履修する。
目次 |
[編集] 高等学校専門教科としての家庭科
[編集] 教科の目的
家庭の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,生活産業の社会的な意義や役割を理解させるとともに,家庭の各分野に関する諸課題を主体的,合理的に解決し,社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。(高等学校学習指導要領から)
[編集] 科目
- 「家庭に関する学科」における「原則履修科目」(2科目)
- 「生活産業基礎」「課題研究」
- 「家庭に関する学科」における「共通的な基礎科目」(1科目)
- 「家庭情報処理」
- 「家庭に関する学科」における「選択的な基礎科目」 (1科目)
- 「消費生活」
- 各分野に関する科目(15科目)
- 発達と保育
- 児童文化
- 家庭看護・福祉
- リビングデザイン
- 服飾文化
- 被服製作
- ファッションデザイン
- 服飾手芸
- フードデザイン
- 食文化
- 調理
- 栄養
- 食品
- 食品衛生
- 公衆衛生
[編集] 学科例
「家庭に関する学科」の例としては次のようなものがある。
- 家政系(家政科,食物科など)
- 「食品」「食品衛生」
- 被服系(被服科など)
- 「被服製作」「服飾手芸」
- 保育系(保育科など)
- 「発達と保育」「児童文化」
[編集] 関連項目
[編集] 普通教科としての家庭科
[編集] 小学校
小学校では第5学年・第6学年において、教科「家庭」が必修となっている。第5学年で60単位時間、第6学年で55単位時間(週あたり2時間)が配当されている。
[編集] 中学校
中学校では教科「技術・家庭」の家庭分野として、家庭科を学習する。家庭分野については、以下の内容が必修となっている。
A 生活の自立と衣食住
B 家族と家庭生活
[編集] 高等学校
高等学校の普通科や専門学科(家政系の専門学科を除く)では、普通教科としての教科「家庭」が必修となっている。 家庭基礎(標準単位数2単位)、家庭総合(標準単位数4単位)、生活技術(標準単位数4単位)の3科目のうちから1科目を選択して履修する。
家政系の専門学科では、専門教科「家庭」履修で、普通教科「家庭」に代替される。