小豆色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
16進表記 | #98514B |
---|---|
RGB | (152, 81, 75) |
CMYK | (29, 66, 59, 10) |
HSV | (5°, 51%, 60%) |
マンセル値 | - |
小豆色 (JIS慣用色名) | ||
マンセル値 | 8R 4.5/4.5 |
小豆色(あずきいろ)とはアズキの実の色、つまり紫味を帯びた赤褐色のこと。栗色に近いがやや紫がかる。ラセットブラウンとも。フランスの色名、マルーン(栗)に近い色合い。
目次 |
[編集] 関西の嗜好色
一般に大阪や京都に代表される関西地方の嗜好は赤色系に寄り、東京に代表される関東地方は青色系や無彩色によるといわれる。
その理由は、関西の文化は主に商人が担い、関東では武士の好みが反映された結果だという説、緯度が高くなるにつれて緑系統の色、低くなるにつれて赤系統の色が好まれるという光線の波長の変化に基づく説などがあるが、正確なところは不明である。実際には衣服の色別売上などを見ても、両者の嗜好に大きな違いが見られない。しかし、京都に政権の中心があった時代には赤や紫の色の名が数多く登場し、江戸文化が隆盛期を迎えてからは灰色系や青緑系の色の種類が増えているのは事実である。
このことが関係してか小豆色は関西では「落ち着いていて品がよい」と評判がいいが、関東では「野暮ったい」と嫌われる傾向にあり、関西の最大私鉄である阪急電鉄をはじめ、関西の鉄道車両には多い小豆色の車体が、東京では一台も見られない。
[編集] 百塩茶・羊羹色
16進表記 | #542D24 |
---|---|
RGB | (84, 45, 36) |
CMYK | (44, 74, 75, 57) |
HSV | (11°, 57%, 33%) |
マンセル値 | 2.9YR 1.8/3.7 |
百塩茶(ももしおちゃ)は何回も染重ねた濃い紫褐色のこと。小豆を裏ごしして寒天で固めて作る菓子羊羹の色に似ていることから、羊羹色とも呼ばれる。小豆色より艶がなく灰色がかったものを言う。
僧侶の着る墨染めの僧衣や浪人の黒紋付が日焼けするなどして赤っぽく劣化した色合いを羊羹色とたとえる。特に旅を長く続けている流浪の僧侶か、貧しい暮らしを続けるさえない浪人などの衣服を連想させる色合い。
羊羹色の黒紋付をぞろりと着流し、眉を細く作りなして呂色鞘の大小を落とし差し。という格好は血筋はよいが落ちぶれている若い洒落者の浪人のいでたちで、歌舞伎の冷酷な二枚目悪役「色悪」を連想させる着こなし。江戸中期の終わりごろに若い不良浪人に流行した。