幽幻道士
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『幽幻道士(キョンシーズ)』(ゆうげんどうし(きょんしーず)、原題:殭屍小子)シリーズは『霊幻道士』のヒットを受け製作された台湾の映画シリーズ。霊幻道士同様近世(19世期中期~20世紀初頭頃?)中国を舞台としたアクションコメディー。
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[編集] シリーズ概要
霊幻道士の亜流映画だが、ヒロイン・テンテンの可愛らしさや、シリーズが続き物である点(霊幻道士シリーズは基本的に一作完結)など独自の魅力のほか、テーマソングが日本の童謡「はとぽっぽ」と同じメロディーであることなどから、本邦でも大ヒットした(尚国内では一般劇場公開はされておらずテレビでのみの放映だった)。
映画シリーズの人気からか、日本ではその世界観とキャラクターを元に「来来!キョンシーズ」としてテレビシリーズが放送された。
[編集] 登場人物
- 儀壮に住む金おじいさんの孫娘。幼いながらも血筋に加えある特殊な出自により、優れた法術の才能を見せる。性格はおしゃまなしっかり者。仲間思いで優しい。漢字では「恬恬」と書く。決めゼリフは「天罰!」「天誅!」「昇天!」など。
- 名前の由来はテンテン演じる劉致妤の誕生日(10月10日)によるとされ、同シリーズ中で明かされるテンテンの誕生日もこれに倣っている。
- 幽幻道士。テンテンやキョンシーたちと一緒に儀壮で暮らしていたが、スイカ頭たち4人の孤児を引き取ることになる。優しさと厳しさの同居する性格。お酒が好き。
- 名前の由来は演じる張金塗自身の名から。同シリーズ中でも、金おじいさんの本名は「金塗(キントー)」と呼ばれる。
- スイカ頭:劉至翰 ※日本語版吹き替え:桜井敏治(1作目~3作目、『未来!キョンシーズ』)
- 孤児4人組の一人。眼鏡とスイカの様な髪型がトレードマーク。三枚目で頼りない食いしん坊だが、非常に仲間思い。
- チビクロ:陳子強(代役 安安) ※日本語版吹き替え:坂本千夏(1作目~4作目、『未来!キョンシーズ』)
- 孤児4人組の一人。小柄で色黒なのでチビクロと呼ばれている。
- チビトラ:張台生 ※日本語版吹き替え:松岡洋子(1作目・2作目)
- 孤児4人組の一人。チビクロほど小柄でもなく、トラというイメージにも結びつかずかなり地味。スイカ頭・チビクロに比べると印象が薄いためか、『幽幻道士3』や『来来!キョンシーズ』ではトンボに取って代わられてしまう。
- 孤児4人組の一人。名は体を現すかの様に出っ歯である。チビトラと同様、スイカ頭・チビクロに比べると印象が薄いためか、『幽幻道士3』や『来来! キョンシーズ』では二人まとめてトンボに取って代わられてしまう。
- カンフーを得意とするったりといたずら好きな少年。『幽幻道士3』以降から、法術の修行に出されたチビトラとデッパに替わってメンバーの仲間入り。
- 親方:黄仲裕 ※日本語版吹き替え:田中秀幸(1作目)
- 孤児の4人を引き取り旅をしている大道芸人。大変な博打好きで子供たちに麻雀を強要して煙たがられることもあるが、本当はとても好かれている。キョンシーに影を踏まれたことで彼の人生は一変することになる。
- デブ署長:胖三 ※日本語版吹き替え:内海賢二(1作目~3作目、『未来!キョンシーズ』)
- 街の警察署署長。親方を逮捕し、孤児たちを金おじいさんに引き会わせる。強い者には卑屈、弱い者には尊大で、何かと霊幻道士のウェイに重なる部分が多い。
- 父親を探してさまよう子供のキョンシー。テンテンたちやキョンシー隊の前に現れては、キョンシーのお札をはがすなどのいたずらをする。空を飛んだり瞬間移動が出来、他のキョンシーよりも比較的自由に関節が曲がる。こうした能力を駆使し、『幽幻道士2』では1人(1体?)で野球をして遊んでいたこともある。作品によってはテンテンたちを助けてくれる。演じる役者名を洪意原と書かれることがあるがこれは誤植。
- 幽幻道士
- キョンシー隊を引き連れる幽幻道士。旅先・出稼ぎ先などで亡くなった人間を、キョンシーにして故郷に送り届けるのが役目。移動時の掛け声「さあ、道をあけろ。キョンシー様(幽幻道士では「死んだ人間様」になっている)のお通りだ。人間どもは道をあけろ。邪魔する者は道連れにするぞ!」は有名。
[編集] シリーズ作品
[編集] 幽幻道士(1985年)
[編集] 概要
[編集] ストーリー
大道芸人の親方とともに旅をするスイカ頭・チビクロ・チビトラ・デッパの4人の孤児たちは、ある晩キョンシー隊に出会う。子供たちは軽いいたずらのつもりでキョンシーのお札をはがしてしまうが、暴れ出したキョンシーに親方は影を踏まれてしまう。そのことにより親方に様々な不幸が降りかかることになる。
金おじいさんとテンテンの住む街へとやって来た親方と子供たち。子供たちはテンテンと出会い友達になろうとするが相手にされない。親方はキョンシーに影を踏まれたことによって運に見放され、大道芸の公演をキャンセルされ、博打でも大負けしてしまう。仕方無く路上で子供たちと大道芸を行なう親方だったが、そのことであらぬ疑いをかけられ、親方はデブ署長に逮捕されてしまう。
路頭に迷った子供たちは、金おじいさんの住む儀壮に連れて行かれてテンテンと再会する。一方投獄された親方の前には、以前影を踏まれたあのキョンシーが現れて…。
[編集] スタッフ
- 監督:趙中興
- 脚本:姚慶康
- 制作:陳俊良、蔡松
[編集] 幽幻道士2(1987年)
[編集] 概要
前作の正統な続編。
[編集] ストーリー
[編集] スタッフ
- 監督:王知政
- 脚本:蘇光勲
- 制作:陳俊良、蔡松
[編集] 幽幻道士3(1988年)
[編集] 概要
前作の正統な続編。
[編集] ストーリー
[編集] スタッフ
- 監督:陳俊良
- 演出:飯田譲治
- プロデューサー:蔡揚名、加藤直三
- 制作:金格影藝有限公司
[編集] 幽幻道士4(1988年)
[編集] 概要
テンテンの出生などにスポットを当てた外伝的な内容となっている。
[編集] ストーリー
[編集] スタッフ
- 監督:蔡揚名、陳俊良
- プロデューサー:蔡揚名
- 制作:金格影藝有限公司
[編集] 靈幻少女(1992年)
[編集] 概要
邦題「靈幻少女~帰ってきたテンテン~」。俗に「幽幻道士5」と呼ばれることもある。大人になったテンテンたちが登場。ストーリーはそれまでのシリーズより、『来来!キョンシーズ』を意識したつくりとなっている。
日本語では、1994年に松竹ビデオから発売。テンテンや金おじいさんといった主要人物の担当声優陣がこれまでと変更されており、違和感を覚えるファンもいる。
[編集] ストーリー
[編集] スタッフ
- 監督:王知政
- 演出:劉尚謙
- 脚本:劉正謙
- 制作補佐:呉湘麗
[編集] 立体奇兵(1989年)
[編集] 概要
日本非公開。主人公はチェンチェン(演:李宜娟)とされ、テンテンの設定をほぼ引き継いでいる。このためテンテンは登場しないが、他の主要メンバーは登場している。
[編集] ストーリー
[編集] スタッフ
- 制作:蔡 揚名