御三家 (学校)
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御三家(ごさんけ)とは、高等学校などの地域の伝統校を3校に総称することをも含め、中学受験において3校を区切る際に使用される用語である。
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[編集] 由来
中学受験においてこの用語が発生したルーツは、第二次世界大戦以前に旧制第一高等学校へ多く進学していた学校を御三家と呼んでいた時期があった。主に旧制東京府立第一中学校、旧制愛知県立第一中学校、旧制兵庫県立第一神戸中学校が「一中御三家」と括られていたこともあった。このように、御三家という用語は旧制第一高等学校や、また海軍兵学校などへ多く進学者を出していた官公立の旧制中学校の3校をまとめていたことにあるとされる。以後、3つまとめられる学校は、時代や評価する者によって変遷していくこととなる。
第二次世界大戦後、1947年の学制改革によって、中学校5年制から、中学校3年・高等学校3年制に学制が新制に変化しても、中学校・高等学校間において3校にまとめることが随時行われてきた。中学校・高等学校関係者にとって3校にまとめられることは、誇りに思う者がいる一方で、複雑な思いを抱く者がいることも事実である。
[編集] 概観
「御三家」という名称は、徳川将軍家の一族で代々徳川氏を称した徳川御三家になぞらえたものである。1980年代以降、マスメディアが中学受験において「御三家」(男子御三家)という固有名詞を用いるようになってゆくが、中学受験関係者を中心として知られるようになった学校は、開成中学校・高等学校、麻布中学校・高等学校、武蔵中学校・高等学校である。これら3校から派生する形で、雙葉中学校・高等学校、女子学院中学校・高等学校、桜蔭中学校・高等学校が「女子御三家」と括られたり、他に「新御三家」、更に「新新御三家」などのカテゴリーも登場するようになった。現在でも御三家と言えば上記3校を指すことがあるが、近年では各校間の進学実績に変化が見られていることもあり、御三家という用語が使われるケースは少なくなっている。
[編集] 学校間の共通点
上記に掲げた現代の3校は東京都内の私立男子校・女子校であり、かつ中高一貫教育を行っている中学校・高等学校という共通点を持つ。いずれの学校も、国公立校とは一線を画した校風を形成する試みがなされていると主張する。
[編集] 学校間の交流
これら3校で括られた学校間での公的な交流はないが、部活動では交流試合が開催されているケースがみられる。