東京臨海高速鉄道70-000系電車
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70-000系電車(ななまんけいでんしゃ)は東京臨海高速鉄道の通勤形電車。全車川崎重工業製。
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[編集] 概要
JR東日本209系電車と主要機器がほとんど同じである。これはりんかい線が臨海副都心線としての開業当時に車両基地を有しておらず、東日本旅客鉄道(JR東日本)に委託する形を採っていたためであり(検査時は新木場駅から京葉線を通り、京葉電車区(当時)に回送した上で実施。)、互換性のあるJR東日本の車両をベースにする事で、建造・保守費用の節減を狙ったためである。
走行音やドアチャイムも209系と全く同じであるが、内装はアイボリーの内板に碧緑のモケットという温和な色調でまとめられる。209系では金属地肌である側扉部分にも化粧版が張られ、貫通扉がユニット両端ではなくユニット中間に設置されているなど、209系のそれとは一線を画す。一方、車体は外板の厚さが209系のt=1.2mmに比べて0.3mm厚いt=1.5mmである事、開業当時存在した4両編成ではパンタグラフがM1車に2個搭載(編成組み替え後に1個が撤去された)されていたなど、209系との相違点もいくつか散見される。
また、2006年7月頃より3人掛けの座席が全車両共優先席に変更され、付近のつり革の色は“りんかい線”を思わせる様なスカイブルーに変更されている。さらに「携帯電話のマナー」についての注意書きステッカー(JRと同仕様)も貼付されている。また、登場当時は209系と同じく側面の大形窓が開閉不可能になっていたが、翌8月より大型窓の開閉ができる様に改造された編成が登場した。今後も順次改造を続ける。
全車が東臨運輸区の所属である。臨海副都心線としての開業時は自社線内に車両基地を持たず、東京テレポート駅下り方の未開業部分を留置線として使用し、検修や清掃をここで行われたが、2002年の八潮車両基地竣工によってこのトンネル内留置は解消されている。
保安装置は、ATS-Pと埼京線用のATCを搭載している。1996年の開業当初は京葉電車区(当時)の回送用に可搬型のATS-SNが使用できる様になっていたが、2002年の八潮車両基地の竣工と埼京線乗り入れに合わせて撤去され、ATCに置き換えられた。なお、ATS-PとATCの切替は自動で行われる(運転台右下の押しボタンにより手動で切り替える事も可能)。
制御装置はVVVFを採用している。MT比は初期の4両編成で2M2T、現在の10両編成で6M4Tとしている。これはりんかい線の勾配区間での故障編成の押し上げや1ユニットカット時の運転継続を考慮しているためである。
世界都市博覧会開催中はJR東日本より103系を40両ほど借り入れ、多客輸送に対応する計画であったが、同博の中止によって実現する事はなかった。
[編集] 編成
車番のうちハイフン以上の70は系列を、ハイフン以降の3桁のうち上2桁で編成番号、下1桁で編成内の順位を表す。同様の付番方式は都営地下鉄の10-000形などにも見られる。
編成は、10両編成の場合は、車種は大崎寄りからTc2B-M2A-M1A-T2A-M2B-M1A-T2A-M2A-M1A-Tc2Aで、M1に制御装置、M2Aに空気圧縮機と静止型インバータ、M2Bには空気圧縮機のみを搭載している。車番は70-xx9 - 70-xx8 - 70-xx7 - 70-xx6 - 70-xx5 - 70-xx4 - 70-xx3 - 70-xx2 - 70-xx1 - 70-xx0となる。また、4両編成の場合は末尾3~8を欠番としたTc2B-M2A-M1A-Tc2A、6両編成の場合は末尾3~6を欠番としたTc2B-M2A-M1A-M2A-M1A-Tc2Aで、製造当初から将来の10連化を見越した付番がされていた。
[編集] 沿革
- 1996年(平成8年) - 開業運行用として4両編成4本(01~04編成、計16両)を製造。
- 1999年(平成11年) - 列車増発のため4両編成1本(05編成)を増備、4両編成5本(計20両)体制に。
- 2001年(平成13年) - 3月31日の天王洲アイル駅延伸開業に伴い4両編成1本(06編成)を増備、4両編成6本(計24両)体制となる。この車両から側面・前面の行先表示器が従来の幕式からLED式に変更された。
- 2002年(平成14年) - 12月1日の大崎駅(全線)開業用として10両編成4本(07~10編成、計40両)と増結用の中間車(M2A-M1A(末尾8・7)×5、T2A-M2A-M1A-T2A-M2A-M1A(末尾8~4)×1)を16両の計56両を製造した。既存の4両編成6本のうち5本(01~05編成)を6両編成に、1本(06編成)を10両編成にそれぞれ組み替えると共に、既存M1車のパンタグラフが1基撤去され、新製車に転用された。これにより、10両編成5本(計50両)と6両編成5本(計30両)の合計80両体制となる。
- この時に増備された車両は側面の社名ロゴが従来の「TWR」のみから「TWR」の下に「りんかい線」という文字が入っているため容易に判別できる。10両編成は埼京線と川越線へ乗り入れる運用に、6両編成は線内の折り返し運用に使われ、先頭車の前面右中央に「6両」の編成札を装着していた。またこの際の編成組み替えに併せて行先表示器が幕式だった1999年登場までの5本のうち組み替え後も残った3本の先頭車は行先表示器をLEDに取り替えると共に、埼京線の205系も含めて線名・行先の交互表示を開始している。なお新規に製造された10両編成4本はドア上部の車内のLED式案内表示器が千鳥配置になっている。
- 2004年(平成16年) - 10月16日のダイヤ改正に併せて全車両の10両編成化を実施。付随車6両を増備して6両編成5本のうち2本(02・03編成)の編成を解き、電動車2両を残りの3本(01・04・05編成)に1組ずつ、付随車(末尾6・3)を各編成に2両ずつ組み込み、埼京線・川越線への乗り入れ対応工事を施行の上新たに10両編成3本(新01~03編成)に組成した。
- この組成変更に伴い16両に対して改番が実施され、10両編成8本(計80両)の計80両体制となった。改番の状況は次の通り(この書体は2代目)。
- 新01編成:70-022、70-021→70-015、70-014
- 新02編成:70-049、70-048、70-047、70-032、70-031、70-042、70-041、70-040→70-029、70-028、70-027、70-025、70-024、70-022、70-021、70-020
- 新03編成:70-059、70-052、70-051、70-058、70-057、70-050→70-039、70-035、70-034、70-032、70-031、70-030
- また、この組成変更で発生した余剰車6両(70-029、70-020、70-039、70-030、70-028、70-027)はJR東日本に売却され、八高線・川越線用209系3100番台に改造された。
- この組成変更に伴い16両に対して改番が実施され、10両編成8本(計80両)の計80両体制となった。改番の状況は次の通り(この書体は2代目)。
- 2006年(平成18年)乗り入れ先のJR線がデジタル無線装置取り付けを開始しているため東臨運輸区6編成が取り付け工事が完了している。
[編集] 使用区間
[編集] その他
2006年5月14日に閉館となった交通博物館の、模型鉄道パノラマスタジオに、埼京線205系(元山手線の車両で、6ドア車は組み込まれていない。)とペアで走っていた。
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