東急グループ
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東急グループ(とうきゅうグループ)は、東京急行電鉄株式会社(東急)を中核とする企業グループである。2006年の概況では、東京急行電鉄・子会社199社・関連会社24社で構成。キャッチコピーは「美しい時代へ」。
同じ電鉄系企業集団でライバルと目される旧西武グループは、相続問題から西武鉄道グループ(西武グループ)とセゾングループに分裂に至った。一方、東急グループ五島一族は創業家では無く、資本的な(株式)支配も希薄で純粋な『経営者』に徹したことから、世襲の弊害を意識して実力主義を貫き、多角化が順調に進んだ。安定的な収益を生む鉄道を中核に、交通・不動産・リテール・レジャー/サービス・ホテル等の各分野が一丸となっているのが強み。
しかし、「東急グループ」の厳格なマネジメントは存在せず、拡大成長とともに各社の自由な裁量で、加盟会社が無秩序に増えていった結果、最大で500社を数えるまでに膨張。バブル崩壊後の縮小経済下では、そのスケールの巨大さはデメリットに転じ、グループ全体で3兆円以上の有利子負債を抱えるなど業績不振に陥った。さらに、グローバル基準である連結決算重視の流れや減損会計の導入などを受けて、グループ大再編に踏み切った。
1998年、主要加盟社に対し「自立なき者は共創の輪に加わる事ができない」旨を通告したのを皮切りに、リストラを大胆に加速。磐石である電鉄に依存するのみで、シナジー価値を創出していないと判断された数百社がグループを離脱。現在では、全国拡張路線を改め、原則的に東急沿線や都市部に経営資源を集中させ、「東急の価値を共に高める総合力」が東急グループであると定義した。重要なコア事業を担う子会社等は、本体(電鉄)にとってのポートフォリオ企業として監視を強める体制にした。加盟社数は大きく減少したが、業績は逆に好転し近年では回復傾向にある。
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[編集] 主なグループ会社・法人
[編集] 中核
[編集] 交通
[編集] 不動産
- 東急不動産
- 東急リバブル
- 東急コミュニティー
- 東急ファシリティサービス
- 東急ライフィア
- 東急アメニックス
[編集] 流通
[編集] ホテル
- 東急ホテルズ
- PAN PACIFIC HOTELS AND RESORTS
- 東急ステイ
東横インは、東急グループとはまったく無関係のホテルチェーンである。
[編集] 建設関連
- 東急建設
- 世紀東急工業
- 石勝エクステリア
- 東急グリーンシステム
- 東急設計コンサルタント
[編集] 製造・整備
[編集] レジャー・サービス
- 東急レクリエーション - 映画館、ボウリング場、フィットネスクラブAXIA
- 東急エージェンシー - 広告代理店
- イッツ・コミュニケーションズ - ケーブルテレビ、インターネットサービスプロバイダ。旧「東急ケーブルテレビジョン」
- 東急カード - クレジットカード
- 東急セキュリティ - 警備
- 白馬観光開発
- ニッポンレンタカー東急 - 沿線のエリアフランチャイジー
- 東急スポーツオアシス(東急不動産出資)
- 東急スポーツシステム(東京急行電鉄出資) - フィットネスクラブ「アトリオ」、東急嶮山スポーツガーデン、東急スイミングスクール、アディダスフットボールパーク等を運営
[編集] 文化事業関係
- 五島育英会(武蔵工業大学、東横学園、東急自動車整備学校・東急自動車学校)
- 亜細亜学園(亜細亜大学)
- 東急文化村(Bunkamura)
- 五島美術館
- 大東急記念文庫
- 五島記念文化財団
- 天文博物館五島プラネタリウム (廃止)
- とうきゅう環境浄化財団
- とうきゅう外来留学生奨学財団
[編集] 経理部門
- 東急ファイナンスアンドアカウンティング - 東急グループの経理、給与計算、並びに資産運用等の業務を一手に引き受ける企業として1997年に設立。
[編集] 近年の事業再編で分離した会社
- 群馬バス
- 函館バス(第三セクター)
- 美鉄バス(→廃業)
- 北紋バス
- あつまバス
- 日本交通
- 日本エアシステム(→日本航空ジャパン→日本航空インターナショナルへ吸収)
- 東急観光(現:トップツアー)(フェニックス・キャピタル傘下)
- ティーエルロジコム(旧 相鉄運輸・東急ロジスティック、エス・ビー・エス傘下)
- 日本貨物急送
- 東急フーズ(現サンジェルマン)
- 東急鯱タクシー(現:鯱第一交通、第一交通産業傘下)
[編集] 関連項目
- 五島慶太
- 五島昇
- 東急ジルベスターコンサート
- 東京国際映画祭
- ハチ公物語(映画)
- 北海道マラソン(ロードレース(マラソン)中継)
- 高知東急
- 東急フライヤーズ
- 急映フライヤーズ
- 日本の企業グループ一覧