横浜市営地下鉄
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横浜市営地下鉄(よこはましえいちかてつ)は、横浜市交通局が運営する地下鉄である。
公式には、横浜市の地下鉄事業は「横浜市高速鉄道」と呼ばれる。
目次 |
[編集] 路線
色 | 路線番号 | 路線名 | 区間 | |
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営業線 | ||||
1号線 | ブルーライン | 湘南台駅~関内駅 | ||
3号線 | 関内駅~あざみ野駅 | |||
現在建設中・2007年開業予定 | ||||
4号線 | グリーンライン | 日吉駅~中山駅 | ||
計画段階で中止 | ||||
2号線 | 神奈川新町駅~屏風浦駅 |
※ブルーライン・グリーンラインの愛称は4号線(グリーンライン)開業時から使用開始。
1号線と3号線は直通し、湘南台駅(藤沢市)~あざみ野駅(青葉区)間40.4kmの一体の路線(ブルーライン)として運行されている。一般にこの路線が横浜市営地下鉄線・市営地下鉄と案内される。この総延長距離40.4kmは、地下鉄路線としては東京都交通局(都営地下鉄)大江戸線の40.7kmに次いで日本第2位の長さである。
また、各駅には2002 FIFAワールドカップ開催に伴って駅番号が導入され、1番の湘南台駅から32番のあざみ野駅まで順に付番されている。
2号線は、神奈川新町駅から横浜駅東口、藤棚町、吉野町駅、滝頭町を経て屏風浦駅までの路線として計画されていたが、後に中止となり、欠番となっている。
市営地下鉄で一番深い場所にある駅は3号線の三ツ沢上町駅である。
1・3号線(ブルーライン)はすべて6両編成での運行で、平日の始発~9時の4号車は女性専用車両である。これは2003年(平成15年)3月24日から試行し、7月1日から本格導入された。
また1・3号線(ブルーライン)の車両は全席が優先席である。これは2003年(平成15年)12月1日から導入された。
2009年(平成21年)に横浜港が開港150周年を迎えるのを記念して、2005年(平成17年)12月から車体に横浜港を描いた絵画をラッピングした車両が運行され、乗客の目を引き付けている。
[編集] 車両
1・3号線(ブルーライン)用は異なる車両形式に跨って車両番号が連番となっている。すべて6両編成で、湘南台寄りが1号車、あざみ野寄りが6号車となっている。
このうち、1000形と2000形は2006年12月16日に全廃される予定である。
- 4号線(グリーンライン)
[編集] 駅舎デザイン
横浜市営地下鉄駅舎のタイルやサインの類はすべて青と黄色の原色で統一されている。これは開業時にインダストリアルデザイナーの柳宗理が駅施設のデザインを担当した時のコンセプトを今も踏襲しているためである。特に乗車予定位置に引かれた青い帯は、列車が到着した時に車体のドア周りに塗られた縦の青い帯と一体化するという凝ったものだった。但し3000形以降は縦の青帯は廃されている。
柳は他にも、蒔田駅や弘明寺駅などに設置されている美しい曲面の水飲み場や「く」の字の待合椅子、それに今では撤去されてしまったカプセル式の売店など、独創的且つ機能的な作品を多数デザインしており、日本の工業デザイン界の中では、横浜市営地下鉄は割と知られた存在である。
[編集] 経営状況
2002年度に開業以来初の営業利益として7億3,200万円を計上し、その後2003年度に21億1,400万円、2004年度に34億1,500万円と営業利益が増加している。これは地下鉄が開通した事で人口が増加した港北ニュータウンや新横浜といった横浜市北部や、市域南西部では長後街道(横浜伊勢原線)に沿って戸塚区や泉区で着実に人口が増加している事が挙げられる。また、経常損益も2004年度で69億9千万円と2000年度の181億8千万円から大幅に改善しており、人件費や運営業態の見直しが奏功した結果となっている。2003年に「市営交通事業あり方検討委員会」から出た答申は厳しいものであったが、それを確実に経営改善に活かした要素も大きい。2006年度の第1四半期の収支状況は営業損益が15億5,600万円の黒字、経常損益は5億9,100万円の赤字である。
[編集] 企業債
2004年度で建設資金とした企業債の残高が5,046億円となっている。これは借り換えができない債権であるため、高金利時代の金利負担が重圧となっている。そのため早期の企業債償還が急務になっている。
[編集] 経営改革と増収施策
今後は企業債目標年度設定とスケジュール化を行い、毎期その検証を行っていく事が必要とされている。また経営効率の極大化を目指した人件費の見直し、ワンマン運転の是非、乗車率の増加に向けた沿線地域との連携、沿線人口の増加に向けた他部門や民間との連携、他社鉄道線との駅連絡口の一体化、乗用車と連動したパークアンドライドの確立、早急な都市計画道路の整備などを積極的に推進する施策が求められている。また、広告費を得るために車内放送で宣伝広告を流しているが、車内がうるさくて不快との意見も少なくない。
[編集] 地域社会と地下鉄
1・3号線(ブルーライン)は戸塚エリア、上大岡エリア、伊勢佐木町エリア、関内エリア、桜木町・みなとみらい、横浜駅周辺、新横浜エリア、港北ニュータウン、田園都市エリアを接続する唯一の市域縦断交通であり、横浜都心や関外の既存市街地から各副都心やニュータウンまで接続させる事で、市域一体化を促進した功績は高く評価される。
横浜環状鉄道となる4号線(グリーンライン)も港北ニュータウンを軸に東京急行電鉄東横線日吉駅と東日本旅客鉄道(JR東日本)横浜線中山駅を結ぶ。これにより東急田園都市線やJR横浜線の乗車率が緩和される事や、港北ニュータウンのさらなる人口増加が期待されており、地域幹線街路の整備も含めた基盤整備を行い、さらに商業施設を誘導するなど、集客性を高める必要がある。一方で横浜市域外郭の郊外は鉄道網から外れた地域も多く、今後の横浜環状鉄道の延伸への要望も強い。そのため、横浜市中期政策で構想された旭区、戸塚区、港南区や鶴見区への延伸に向けた財源を確保する事が今後の課題とされている。
[編集] 路線名称の選定
4号線の開業に備え、1・3・4号線の路線の名称を2005年12月26日から2006年2月15日まで一般公募していた。その前段階として「横浜市営地下鉄路線愛称検討部会」が設立された。
2006年6月15日に1・3号線を「ブルーライン」、4号線を「グリーンライン」と決定した。使用開始は共に4号線開業時の予定で、電車の車体や駅の案内表示などを路線の名前とカラーリングを揃えるように計画されている。
[編集] その他
- 警笛の音色はG音・B音・D音の和音からなる独特のもので、文字での表現は難しい。列車が駅進入する際には、ほとんどの確率で警笛を鳴らす。この音色は船の汽笛を表したもので、このアイデアは港町横浜らしい発想でもある。人によっては蒸気機関車の汽笛に聞こえるということもある。これもまた日本の鉄道発祥の地横浜らしい発想といえる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ■ パスネット加盟社局 ■ (現在22社局)
大手私鉄 | 東京急行電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・京成電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・西武鉄道・東武鉄道・東京地下鉄 |
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中小私鉄・第三セクター等 | 新京成電鉄・北総鉄道・箱根登山鉄道・東京臨海高速鉄道・埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道 |
公営地下鉄 | 東京都交通局(都営地下鉄)・横浜市交通局(横浜市営地下鉄) |
モノレール・新交通システム | 多摩都市モノレール・舞浜リゾートライン・ゆりかもめ |
参入予定社局 | 江ノ島電鉄・横浜新都市交通・関東鉄道・千葉都市モノレール |
- ■ PASMO参入予定社局 ■
大手私鉄 | 東京急行電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・京成電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・西武鉄道・東武鉄道・東京地下鉄 |
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中小私鉄・第三セクター等 | 新京成電鉄・北総鉄道・箱根登山鉄道・埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道・伊豆箱根鉄道・関東鉄道・江ノ島電鉄 |
公営事業者 | 東京都交通局・川崎市交通局・横浜市交通局 |
モノレール・新交通システム | 多摩都市モノレール・ゆりかもめ・千葉都市モノレール・横浜新都市交通・舞浜リゾートライン |
バス(発行事業者のみ) | 伊豆箱根バス・神奈川中央交通・関東バス・京浜急行バス・西武バス・東急バス・西東京バス・富士急行・山梨交通・江ノ島電鉄・京王電鉄バス・国際興業・箱根登山バス・船橋新京成バス・小田急バス・立川バス・川崎鶴見臨港バス・京成バス・相模鉄道・千葉交通・東武バスセントラル・日立自動車交通・平和交通 |
日本の地下鉄 | |
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公営: | 札幌市 | 仙台市 | 東京都 | 川崎市(計画中) | 横浜市 | 名古屋市 | 京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 福岡市 |
民営: | 埼玉高速鉄道 | 東京メトロ | 東京臨海高速鉄道 | 横浜高速鉄道MM21線 | 神戸高速鉄道 |