海上幕僚監部
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海上幕僚監部(かいじょうばくりょうかんぶ、Maritime Staff Office:MSO)とは、海上自衛隊の防衛及び警備に関する計画の立案に関する事務等を掌ることを任務とする、防衛庁に置かれる特別の機関である。略称は海幕である。海上幕僚監部の長が海上幕僚長である。
海上幕僚監部は軍政(旧軍では海軍省が担当)・軍令(旧軍では軍令部が担当)事項双方を職掌としている。主に海上自衛官によって構成され、いわゆる背広組(事務官)中心の防衛庁内部部局(内局)とともに、専門的知見に基づき防衛庁長官を補佐する役割を担う。
目次 |
[編集] 沿革
- 1954年(昭和27年)4月26日
- 海上保安庁の外局として海上警備隊総監部設置。海上警備隊総監部に総務部、警備部、経理補給部、技術部を置く。
- 1952年(昭和27年)8月1日
- 保安庁に第二幕僚監部が置かれる。長は第二幕僚長(警備監)とされる。第二幕僚監部に総務部、警備部、航路啓開部、経理補給部、技術部が新設される。
- 1953年(昭和28年)10月16日
- 第二幕僚監部が改組され、第二幕僚副長及び調査部が新設され、航路啓開部が廃止される。
- 1954年(昭和29年)7月1日
- 防衛庁に海上幕僚監部が置かれる。 海上幕僚監部に総務部、防衛部、調査部、経理補給部、技術部が新設される。
[編集] 組織編制
2006年(平成18年)3月27日現在の海幕の組織編成は次のとおり。
- 総務部
- 総務課
- 経理課
- 人事教育部
- 人事計画課
- 補任課
- 厚生課
- 援護業務課
- 教育課
- 防衛部
- 防衛課
- 装備体系課
- 運用支援課
- 施設課
- 指揮通信情報部
- 指揮通信課
- 情報課
- 装備部
- 装備需品課
- 艦船課
- 航空機課
- 武器課
- 技術部
- 技術課
[編集] 海上幕僚長
海上幕僚長は階級は海将(海軍中将相当)であるものの、事実上は海軍大将相当として扱われる。具体的には一般の海将の階級章よりも袖章は金線が1本多く、肩章は桜花が1個多い。
代数 | 氏名 | 在任年 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
初代 | 山崎小五郎 | 1952.4~1954.8 | 東京大学 | 海上保安庁次長 | のち運輸事務次官 | |
第2代 | 長沢 浩 | 1954.8~1958.8 | 海兵49期 | 終戦時は海軍大佐 | ||
第3代 | 庵原 貢 | 1958.8~1961.8 | 海兵52期 | 終戦時は海軍大佐 | ||
第4代 | 中山定義 | 1961.8~1963.7 | 海兵54期 | 自衛艦隊司令官 | 終戦時は海軍中佐 | |
第5代 | 杉江一三 | 1963.7~1964.8 | 海兵56期 | 2代統合幕僚会議議長 | 終戦時は海軍中佐 | |
第6代 | 西村友晴 | 1964.8~1966.4 | 海兵59期 | 海上幕僚副長 | 終戦時は海軍少佐 | |
第7代 | 板谷隆一 | 1966.4~1969.7 | 海兵60期 | 5代統合幕僚会議議長 | 終戦時は海軍少佐。板谷茂中佐の実弟 | |
第8代 | 内田一臣 | 1969.7~1972.3 | 海兵63期 | 護衛艦隊司令官 | 終戦時は海軍少佐 | |
第9代 | 石田捨雄 | 1972.3~1973.12 | 海兵64期 | 海上幕僚副長 | 終戦時は海軍少佐 | |
第10代 | 鮫島博一 | 1973.12~1976.3 | 海兵66期 | 9代統合幕僚会議議長 | 終戦時は海軍少佐 | |
第11代 | 中村悌次 | 1976.3~1977.9 | 海兵67期 | 終戦時は海軍大尉 | ||
第12代 | 大賀良平 | 1977.9~1980.2 | 海兵71期 | 大湊地方総監 | 終戦時は海軍大尉 | |
第13代 | 矢田次夫 | 1980.2~1981.2 | 海兵72期 | 自衛艦隊司令官 | 13代統合幕僚会議議長 | 終戦時は海軍大尉 |
第14代 | 前田 優 | 1981.2~1983.4 | 海兵73期 | 終戦時は海軍中尉 | ||
第15代 | 吉田 学 | 1983.4~1985.8 | 海兵75期 | 海上幕僚副長 | ||
第16代 | 長田 博 | 1985.8~1987.7 | 海兵76期 | 自衛艦隊司令官 | ||
第17代 | 東山収一郎 | 1987.7~1989.8 | 東京水産大学 | 航空集団司令官 | ※下記参照 | |
第18代 | 佐久間一 | 1989.8~1991.7 | 防大1期 | 佐世保地方総監 | 19代統合幕僚会議議長 | |
第19代 | 岡部文雄 | 1991.7~1993.7 | 防大2期 | 佐世保地方総監 | ||
第20代 | 林崎千明 | 1993.7~1994.12 | 防大4期 | |||
第21代 | 福地建夫 | 1994.12~1996.3 | 防大5期 | 横須賀地方総監 | ||
第22代 | 夏川和也 | 1996.3~1997.10 | 防大6期 | 佐世保地方総監 | 22代統合幕僚会議議長 | |
第23代 | 山本安正 | 1997.10~1999.3 | 防大7期 | 横須賀地方総監 | ||
第24代 | 藤田幸生 | 1999.3~2001.3 | 防大9期 | 海上幕僚副長 | ||
第25代 | 石川 亨 | 2001.3~2003.1 | 防大11期 | 佐世保地方総監 | 25代統合幕僚会議議長 | |
第26代 | 古庄幸一 | 2003.1~2005.1 | 防大13期 | 海上幕僚副長 | ||
第27代 | 斎藤 隆 | 2005.1~2006.8 | 防大14期 | 横須賀地方総監 | 2代統合幕僚長 | |
第28代 | 吉川栄治 | 2006.8~ | 防大15期 | 横須賀地方総監 |
※警備隊(海上自衛隊の前身)が海上保安庁から分離されて以降、海軍兵学校(海兵)出身者と防衛大学校(防大)出身者との間を埋める存在として、一般大学出身者と海保大(海上保安大学校)出身者が高級幹部に任用されたが、海保大出身の海上自衛官は、そのまま海上保安庁に残留した者との人事上バランスをとる為、海幕長に就任することはなかった(海保大出身の海上保安官の最高官等は警備救難監である。警備救難監と同格の海自におけるポストは、自衛艦隊司令官と横須賀地方総監である。いずれも政令指定職第8号である。)。
[編集] 海上幕僚副長
代数 | 氏名 | 補職日 | 出身校 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|---|---|
西村友晴 | 海兵59期 | 海上幕僚長 | |||
石田捨雄 | 海兵64期 | 海上幕僚長 | |||
吉田学 | 海兵75期 | 海上幕僚長 | |||
佐伯聖二 | 防大7期 | 教育航空集団司令官 | 自衛艦隊司令官 | ||
藤田幸生 | 防大9期 | 航空集団司令官 | 海上幕僚長 | ||
谷勝治 | 1999年(平成11年)3月31日 | 防大11期 | 海上自衛隊幹部学校長 | 呉地方総監 | |
山田道雄 | 2000年(平成12年)3月30日 | 防大11期 | 海上自衛隊幹部学校長 | 呉地方総監 | |
経田勇 | 2001年(平成13年)3月27日 | 防大12期 | 統合幕僚学校長 | 呉地方総監 | |
古庄幸一 | 2002年(平成14年) | 防大13期 | 護衛艦隊司令官 | 海上幕僚長 | |
道家一成 | 2003年(平成15年) | 防大15期 | 護衛艦隊司令官 | 呉地方総監 | |
荒川尭一 | 2004年(平成16年) | 防大16期 | 教育航空集団司令官 | 横須賀地方総監 | |
加藤保 | 2006年(平成18年)8月4日 | 防大17期 | 統合幕僚副長 |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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