笑う大天使
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『笑う大天使』(わらうミカエル)は、川原泉の中編コメディ少女漫画。1987年(昭和62)に白泉社の漫画雑誌『花とゆめ』に連載された。続編として、短編『空色の革命』・『オペラ座の怪人』・『夢だっていいじゃない』(すべて1988年)があり、単行本に共に収録された。単行本は全3巻、文庫版は全2巻である。
実写映画化され、2006年夏公開。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
史上最強の名門お嬢様学校、聖ミカエル学園に学ぶ高校生、司城史緒、斉木和音、更科柚子はそれぞれ猫をかぶり、良家の子女として学園生活を送っていた。しかしある事件をきっかけに、互いの本性がばれてしまった。親近感を覚えた3人はそれ以後、仲のよい友達となる。あるとき、戯れに作った薬品が原因で、3人は超人的な怪力(彼女たち曰くメンデレーフの力)の持ち主になってしまう。その頃、巷では名門女子高校生連続誘拐事件が発生していた。偶然にも事件の犯人一味が学園内にいることを知った3人は、超人的パワーを使って、誘拐事件を解決する。
[編集] 登場人物
- 司城 史緒(しじょう ふみお)
- 元・伯爵家の家に生まれる。父が亡くなった後、庶民である母と、華族出身である祖母との折り合いが悪くなり、母親は史緒を宿している状態で、家を追い出された。その後母親が亡くなって、生き別れていた兄に引き取られた。その雄雄しい名前と雰囲気から同じ2年生にケンシロウ様と呼ばれる。母親との貧乏な生活が長かったため、極めて逞しい庶民の性格と味覚をもつ。短距離走が得意だが、長距離走が苦手。東大を狙える学力も有する。
- 斎木 和音(さいき かずね)
- 会長令嬢。両親は健在だが、ほぼ家庭内離婚状態にある。幼少の頃より養育係の若月俊介に育てられる。生まれも育ちもお嬢様だが、性格がぼーっとしているので、学校になじめていない。秋吉田藩藩主の子孫。学校では「オスカル様」と呼ばれ、下級生の間ではヒーロー扱い。だが彼女自身はオスカルとあらいぐまラスカルを取り違えている。庶民だった父方の血を濃く引いたらしく、言動もやや男勝りな庶民の面を、家庭では俊介、学校では史緒と柚子には見せる。長身で、短距離、長距離走ともに得意で運動能力が高い。卒業後推薦入学で体育大学に進学し、ミカエル学園に勤務する体育教師としてメイプル戦記に登場する。
- 更科 柚子(さらしな ゆずこ)
- 両親健在。家庭円満。もともと親は小さな食堂を営んでいたが、安い・早い・美味いで評判となり客のニーズに応えるうちに一大レストランチェーンのお嬢さんとなっていた。家を移り、家から最も近い学校を何も考えず受験したら、それが聖ミカエル学園だった。学校では猫をかぶっているが、苦しい日々を過ごす。お嬢様らしく豪邸に住むものの、家族はみな庶民の生活を送っているため、現在でも庶民と言える。史緒が来るまではミカエルの中でもトップクラスの秀才で、学級委員も勤める才媛。上級生から「コロボックルちゃん」と愛玩される。
[編集] 司城家
- 司城 一臣(しじょう かずおみ)
- 史緒の兄。「優雅さ」を「気品」・「威厳」でサンドイッチにして、「高貴さ」でコーティングしたエンゼルパイ(史緒談)。「森江賢一」というペンネームで作品を書く、人気作家(ジャンルに節操はないが)。最初のころは妹とお互いに馴染めずにいたが、後に史緒がかぶった猫を下ろせるほどに心を開いていった。寂しい境遇の反動からか唯一の家族である妹に対してはシスコンのように接してしまうこともしばしば。
[編集] 斎木家
- 斎木 総一郎(さいき そういちろう)
- 新日本産業グループ会長にして、和音の父。元は普通の不動産屋だったが、迪子と出会い彼女の祖父の遺産を相続し、現在の地位に立つ。新橋、赤坂、六本木にそれぞれ妾宅を持っていたが、のちに別れる(空色の革命)。
- 斎木 迪子(さいき みちこ)
- 斎木総一郎の妻。わび・さび・風流に生きる、旧秋吉田藩鳴沢家のお姫さま。毎年妾宅廻りをする良妻賢母。その昔、総一郎との確執のようなものから殆ど交流を持っていなかった。
- 若月 俊介(わかつき しゅんすけ)
- 和音の養育係であり和音の父(総一郎)の秘書。故事・格言・ことわざの類が好き。俊介の身の上話を聞いた総一郎は「なかなか迫力のある境遇」と言う。それ以来、俊介を養育係として招き入れる。両親と距離を置いている和音にとっては、兄や親の代わりのような存在。
[編集] 更科家
- 更科 孝志(さらしな たかし)
- 柚子の兄。母親譲りの地味な顔と、父親譲りの地味な性格をしている。努力を尊ぶ。モデルは川原の実兄。
[編集] その他
- ロレンス先生
- 本名ザ・ライト・オノラブル・ヘンリー・エセルバート・ロード・ロレンス・オブ・ノーザンプール (The Right Honourable Henry Ethelbert Lord Lawrence of Northumpool)。
- 史緒・和音・柚子の担任。聖ミカエル学園の理事長。日本人より流暢な日本語を話す。国語の先生。続編(オペラ座の怪人)でイギリス貴族であることが描かれる。
- エミリオ・マリーニ神父
- ジョーンズ神父の代理として聖ミカエル学園へ赴任予定だったものの、闇の12使徒に拉致、監禁される。ビン底眼鏡に、神父なのにお釈迦様もどきの眉間黒子という、なんとなくガリ勉スタイル。雄弁でやや間抜けでおっちょこちょいであるが、憎めない性格。
- イスカリオテのユダ
- 聖ミカエル学園へジョーンズ神父の代理としてエミリオ・マリーニ神父の名を偽り赴任。その正体は、闇の12使徒のメンバー。本物と異なり比較的男前であるが、腹黒く、姦計な性格を神父として偽っている。車はフェラーリ。
- ダミアン
- 黒い毛並みの目つきの悪い犬。映画『オーメン』に出てきた犬のような外見より名づけられた。通称「待ち伏せのダミアン」。保健所の野犬狩りにもつかまったことがない。聖ミカエル学園の乙女たちの弁当を狙うが、3人娘には通じない。麦チョコの拾い食いで少女連続誘拐事件の解決に一役買ったことで、ケンタッキーフライドチキンの15ピース入りをもらう。普段の足音は軽やかに「てってって」。麦チョコを追う時の足音は慎重に「てぇー てぇー」。犬のくせに麦チョコを好む理由は不明。
- 闇の12使徒
- 国際的人身売買組織。絶滅間近の希少な大和撫子を狙う。メンバーは聖書にならい、ジェイク・A(アルパヨの子ヤコブ)、ジェイク・Z(ゼベダイの子ヤコブ)、バーソロミュー(バルトロマイ)、アンデレ、フィリップ(ピリポ)、マット(マタイ)、タダイ、トマス、ヨハネ、シモン、ペテロ、ユダとそれぞれ呼び合う。
[編集] 友人達
- 3年のお姉さま方
- 紫の上、白薔薇の君、桔梗の宮の3人。柚子をコロボックルちゃんと呼び、アイドル扱いする。お茶会には、英国式アフタヌーンティーにスミレの砂糖漬け、そして赤毛のアンの世界が必須となる。柚子がお茶会のゴミ捨てに行っていた間に、闇の12使徒により拉致。事件数年後、白薔薇の君は柚子の兄と結婚する。
- 万里小路 静(までのこうじ しずか)
- 3人娘のクラスメート。ニックネームは静姫。もしかすると皇族の血も混じっているかもしれないという本物のお嬢様。すぐに泣く(らしい)。闇の12使徒によって拉致される。
- 沈丁花娘
- 聖ミカエル学園高等部1年生。本名不明。通称の由来は、いつも沈丁花の陰にたたずみ、和音を見つめていることから。『ポーの一族』の一場面にも因むが和音はクマのプーさんと勘違いする。雨の中、和音さんに傘を貸した直後、闇の12使徒により拉致。
[編集] 映画版
笑う大天使 | |
監督 | 小田一生 |
---|---|
脚本 | 吉村元希 小田一生 |
出演者 | 上野樹里 関めぐみ 平愛梨 伊勢谷友介 |
配給 | アルバトロス・フィルム |
公開 | 2006年7月15日 |
上映時間 | 92分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
(■テンプレート/■ノート) |
[編集] スタッフ
- 監督:小田一生
- 配給:アルバトロスフィルム
- 主題歌:つじあやの「そばにいるから」(ベストアルバム『つじベスト』収録) (ビクターエンタテインメント)
[編集] 配役
- 司城史緒:上野樹里
- 司城一臣:伊勢谷友介
- 斉木和音:関めぐみ
- 更科柚子:平愛梨
- 若月俊介:松尾敏伸
- 桜井敦子:菊地凛子
- 更科孝志:加藤啓
- 万里小路静:佐津川愛美
- 沈丁花娘:谷村美月
- 白薔薇の君:キタキマユ
- 紫の上:宮下ともみ
- 桔梗の宮:松岡璃奈子
- 史緒の母:手塚理美
- 柚子の父:村木仁
- 柚子の母:伊藤修子
- ロレンス先生:ブライアン・デイビス
- 百合枝:岩井七世
- 更紗:岡本奈月
- 綾乃:葵
- ナレーション:広川太一郎
[編集] 外部リンク
- 笑う大天使(ミカエル) オフィシャルサイト - 映画版 公式サイト
- 笑う大天使(ミカエル) 撮影日誌 in ハウステンボス - 映画版 撮影日誌
- アルバトロス・フィルム 劇場公開情報 笑う大天使(ミカエル) - 映画版 劇場公開情報
カテゴリ: 漫画関連のスタブ項目 | 映画関連のスタブ項目 | 川原泉 | 漫画作品 わ | 花とゆめ | 日本の映画作品