花の生涯
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花の生涯(はなのしょうがい)
- 舟橋聖一が1952年~1953年に毎日新聞紙上で連載していた小説。
- 1.を原作として、1963年に放映されたNHKの大河ドラマ第1作。下記で詳述。
- 1.を原作として、1953年に公開された映画。主演は松本幸四郎 (8代目)。
- 1.を原作として、1974年に日本テレビ系列で放映されたテレビドラマ。主演は平幹二朗。
- 1.を原作として、1988年にテレビ東京系列で放映されたテレビドラマ。主演は北大路欣也。正確なタイトルは「花の生涯 井伊大老と桜田門」。
花の生涯(はなのしょうがい)は、1963年4月7日~12月29日にNHKで放映された1作目の大河ドラマ。
原作は、小説家・舟橋聖一が1952年~1953年に毎日新聞紙上で連載していた『花の生涯』。幕末の大老・井伊直弼の生涯を描いた作品。視聴率は全話平均20.2%、最高で32.3%を記録した。
松竹の専属俳優だった佐田啓二が初めてテレビドラマに出演した作品である。
後年、同タイトルのテレビドラマは日本テレビやテレビ東京でも放送された。
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[編集] 概要
脚本の北条誠は「花の生涯」の舞台脚本を書いたことがあったため起用された。 たか女役の淡島千景は映画版で同役を演じていたため、原作の舟橋聖一の希望で出演した。 「桜田門外の変」は東映城を借りて行われたが、このときの交渉は、後に大河演出のエースとなる大原誠が受け持った。 東映城の屋根を白ペンキで塗って、事件当日の雪模様を再現したという。
[編集] スタッフ
- 原作:舟橋聖一(『花の生涯』より)
- 脚本:北条誠
- 音楽:冨田勲
[編集] 配役
- 井伊直弼:尾上松緑 (2代目)
- 昌子の方(直弼正室):八千草薫
- 秋山志津(直弼側室):香川京子
- 西村佐登→里和(直弼側室):河村有紀
- 井伊直亮:清水将夫
- 井伊愛麿:太田博之
- 長野主馬→長野主膳:佐田啓二
- 長野多起:東恵美子
- 村山たか:淡島千景
- 唐人お吉:朝丘雪路
- 宇津木六之丞:北村和夫
- 徳川斉昭:嵐寛寿郎
- 鶴松→河井又五郎:長門裕之
- 多田一郎:西村晃
- 多田帯刀:田村正和
- 竹本重太夫:芦田伸介
- 犬塚外記:中村芝鶴 (2代目)
- 伊佐新次郎:仲谷昇
- 井上信濃守:井上孝雄
- 松平肥後守:花柳武始
- 松平加州:河村憲一郎
- 太田備中守:西山辰夫
- 間部下総守:内田朝雄
- 阿部伊勢守:高松政雄
- 堀田備中守:松下達夫
- 松平越前守:山口幸生
- 久世山城守:楠義孝
- 有村次左衛門:山形勲
- 関鉄之介:江見俊太郎
- 峰岸龍之介:小池朝雄
- 薬師寺筑前守:三津田健
- 金子孫二郎:加藤武
- 大関和七郎:森塚敏
- 佐野竹之助:沼田曜一
- 斎藤堅物:服部哲治
- 黒沢忠三郎:内田稔
- 鶴江→黒沢トキ子:山岡久乃
- 雪野太夫:岩崎加根子
- おせい:奈良岡朋子
- お福:島田多恵子(現島田多江)
- 尾上幸太郎:多々良純
- 甚六:長門勇
- 秋山くら:初井言榮
- 寺川幸助:辻村真人
- 六造:大塚周夫
- 小僧吉松:小宮山清
- 渡辺崋山:野口元夫
- 高野長英:須永宏
- 佐久間象山:広瀬康治
- タウンゼント・ハリス:久米明
- ヘンリー・ヒュースケン:岡田眞澄
- その他:石坂浩二
- 語り:小澤栄太郎
[編集] 映像の現存状況
第1話と桜田門外の変のシーンである第38話の断片が現存している。その他の映像はNHKには現存していないとされる。当時は放送局用ビデオテープ(2インチVTR)が非常に高価で大型だったために、テープは放送終了後に消去されて他の番組に利用されるのが通常だった。そのため全話の再放送および全話収録の完全版の販売は絶望的である。大河ドラマ第1作の第1話が残されているのは貴重であり好運である。当時、大河ドラマがこれほど長期に渡り続き国民的人気を得るとは予想されていなかったであろう。現存している第1話「青柳の糸」は「NHK想い出倶楽部2~黎明期の大河ドラマ編~(1)花の生涯」としてDVD販売されている。