蜂蜜酒
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蜂蜜酒(はちみつしゅ、ミード、mead)は蜂蜜を原料とする醸造酒。
[編集] 概要
日本の酒税法では、その他の醸造酒(旧法ではその他の雑酒②)(製法によってはリキュール類)に該当する。欧米では製法がワインに似てることからワインの仲間とされる場合が多い。
[編集] 製法
蜂蜜を水で薄めてアルコール発酵させて作る。蜂蜜は糖分に富むが、極めて浸透圧が高いので微生物の繁殖が抑制されている。しかし水で薄めると糖分の濃度が下がり、酵母の繁殖に適した浸透圧となるので発酵が始まる。単に水で薄めるだけでも蜂蜜中で休眠していたり空気中から落下する天然の酵母によって発酵が起こるが、人工的に酵母を添加したほうが失敗は少ない。古代から中世初期のゲルマン人の間で、ビールと並んで最も一般的な酒であった。
製法の一例として、水で三倍程度に薄めた蜂蜜に酵母(ドライイースト)を加えて、夏場は2-3日、冬場は1週間ほど発酵させる。
蜂蜜にワインやブランデー、生薬や香料を加えて作る方法もある。
[編集] ハネムーン
新婚旅行をハネムーンという語源でもある。
古代から中世のヨーロッパにおいて、新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間、蜂蜜酒を作り、新郎に飲ませて子作りに励んだ。これは蜂蜜に強壮作用があるとされたことと、ハチの多産にあやかるためではないかとされる。ここから「蜂蜜の一ヶ月」=「蜜月」(ハニームーン)という言葉が生まれた。