表面伝導型電子放出素子ディスプレイ
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表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(ひょうめん でんどうがた でんし ほうしゅつ そし ディスプレイ、SED : Surface-conduction Electron-emitter Display)はFEDの一種。キヤノンと東芝が製品化を目指している。
FEDはCRTと異なり各画素毎に電子放出部を持つ。FEDではマイクロディップと呼ばれる先端を尖らせた電極に高圧を電子を取り出す(Spindt型)。これに比べてSEDでは、超微粒子膜により作ったナノオーダーのスリット間に電圧をかけるとトンネリング効果により電子が放出される。これを蛍光体に衝突させて発光する原理を応用したものである。Spindt型より低電圧で電子を取り出すことが可能である。
薄型で大型、また自発光で、原理的にはCRTと同じであるため、動画性能や暗部の階調表現力は液晶ディスプレイよりも良いと言われている。
また蛍光体の部分は既存のブラウン管の技術がそのまま利用できるため、低コスト化も期待されている。また薄膜部分は印刷技術を応用して作ることができるため、大量生産にも向いていると考えられている。
しかしながら商品化は遅れが続いており、現在のところ2007年の第4四半期(10~12月の間)に発売される予定。
[編集] 歴史
- 1986年、キヤノンが薄型表示装置用の電子源開発に着手。
- 1996年、3.1インチの試作品をキヤノンが公開。
- 1999年6月15日、キヤノンと東芝が提携。
- 2004年9月14日、キヤノンと東芝が研究・生産の合弁会社SED株式会社設立を発表。
[編集] 関連項目
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