課長
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課長(かちょう)とは、企業などの組織の一部門の責任者を指す呼称であり、中間の監督的立場にあるものをいう。
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[編集] 概要
所掌する業務の名称を頭につけることにより営業課長、経理課長、総務課長といった用い方をする。
また、官庁や大手企業には課長の下にその職務を補佐する役職として「課長補佐」あるいは「課長代理」の職務が設けられている。役所では課長補佐の職務はかなりの上役であり、責任者を出すように求めた場合は大概は課長補佐が応対する。課長以上の者がその場に出ることは極めて稀である。
このほか、会社によっては「専任課長」「課長待遇」などの職務も存在し、課長職に相当する給与等を適用するが与えられる課が存在しないことが多く、残業手当抑制のためにある程度の年齢になれば自動的に与えられる職務でもある。この場合、大体が「総務部付課長」や「経理部課長待遇」などが異動の辞令で記載されることとなる。係長職を設けていない会社ほどこの傾向は強い。
[編集] 中央省庁における位置づけ
中央省庁(地方支分部局を除く。)における課長職は、行政職の中では上から2番目の階級(11階級のうちの10級。9級から7級は課長補佐に相当する職務で、以下、係長、主任と続く)であり、いわゆるキャリアでなければ就くことが難しい職務である。
人事院が定義づけている課長は、構成員10名以上の長または2係以上の係を統括する責任者としている。「人事課採用係」など、課の下に係が存在し、一般的には係長の上司になる。
なお、○○課長と呼ばれる一般の課長の他に、○○参事官、○○官等と呼ばれる課長級分掌官も設置されている。
- ※「○○官」がすべて課長級ということではない。課長級のほか局長級、課長補佐級などの「○○官」もあり、それらの区別を判断するには設置根拠である政令・府省令の該当条項を確認することなどが必要となる。例えば、外務省の場合、外務報道官と国際報道官はともに大臣官房直下に置かれる役職であるが、前者が局長級で後者が課長級であることは役職名だけでは判断できない。外務省組織令あるいは公式ウェブサイト等を参照することが必要となる。
[編集] 地位の位置づけ
同じ企業内の「課長」と称する役職でも必ずしも同格とは限らない。本社の課長と支社の課長で、名称は同じでも地位は全く異なるという企業は珍しくはない。そのような場合、単に名称だけで上下関係の比較はできない。 これは、官庁においても同じことが言え、例えば出張所等における課長は地方局の課長補佐と同じ格付けに相当し、地方局の課長は本省の課長補佐と同じ格付けに相当する、と位置づけられるのが通常である。
[編集] 名称
本来、一つの課に「一人の課長」という体制が採られるべきだが、組織内の事情や他社との資本関係等の都合、同じ職制において「同格」と位置づけられた複数の課長が存在する組織もある。
課長と付く役職は多く、上記のように「課長補佐」「課長待遇」といったものが存在する。ほかにも「課長代理」「上席課長代理」「担当課長」「副課長」等いろいろ存在する。 霞が関の官庁では「課長」はかなり高い地位である。民間企業での地位はその企業によってさまざまである。 会社によっては、名称は課長と付いていても一作業職と同じような作業内容であったり、部下がおらずその課長自身が一番下だったりすることもある。