ISMバンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ISMバンド(アイエスエムバンド)とは、もっぱら通信以外の目的(高周波エネルギー源等)で電波を利用する用途のために設定されている周波数帯のことである。ISM帯(ISM:Industry-Science-Medical)。そのまま産業科学医療用バンドと言う事もある。主に、産業・科学・医療等の用途に使用されている。実際はより広い分野で使われているようである。
ISMバンドで運用する無線局は、ISM機器の運用によって生ずる有害な混信を容認しなければならないこととなっている。[1]
目次 |
[編集] 周波数
日本では以下の周波数が設定されている。
- 13.56MHz(13.553~13.567MHz)
- 27.12MHz(26.957~27.283MHz)
- 40.68MHz(40.66~40.70MHz)
- 2.4GHz(2.4~2.5GHz)
- 5.7GHz(5.725~5.875GHz)
- 24GHz(24.00~24.25GHz)
なお、13.56MHzの2倍高調波となる27.12MHz、3倍高調波となる40.68MHzもISMバンドとすることで、13.56MHzのISM機器からの高調波スプリアスが一般の通信に妨害を与えないように配慮されている。
[編集] 主な用途
- 27.12MHz : 玩具のトランシーバー(市民バンドの第7チャンネルと共通)
- 40.68MHz : ワイヤレスマイク
- 900MHz帯 : 日本国外用で、日本では設定されていない。ITUによると902-928MHzとされているが、日本では915~MHzの携帯電話を始めとして、全帯域を免許制のシステムで使用中である。米国では、コードレス電話にも使われている。
- 2.4GHz帯(2400~2500MHz) : 電子レンジ、無線LAN(IEEE802.11シリーズ)、Bluetooth(無線PAN)、デジタルコードレス電話(FHSS WDCT方式)、VICSなどの近距離通信、アマチュア無線
- 5.7GHz帯(5725~5875MHz) : DSRC(主にETCで使われている)、アマチュア無線。米国では、コードレス電話にも使われている。
無線関係者の中には、専用周波数帯の割当を受けられなかった様々な無線アプリケーションが押し込められている2.4GHz帯を「電波のゴミ溜め」などと揶揄する人も一部にいる。