Multi Video System
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Multi Video System(まるち びでお しすてむ)はSNKが発売したアーケードゲーム用システム基板である。また、同システム基板を導入した筐体のことも指す。MVSと略されることが多い。
ハードウェアスペックとしては同社の家庭用ゲーム機ネオジオと全く同等のものであった。
目次 |
[編集] 概要
基板上にカートリッジスロットが最大6本存在し、複数のゲームを1台の筐体で共用することができた。そのため、筐体には2人分の操作デバイス(1レバー+4ボタン、スタートボタン)の他にゲーム切り替え用のボタンが用意されていた。また、一般的な筐体ではディスプレイの上にインストラクションカードを並べる領域があった。また、ネオジオとのリンク用にメモリーカード用のスロットがついた筐体も存在した。なおMVS用のカートリッジとネオジオ用カートリッジに互換性はない。
家庭用のネオジオ同様、初期の基板と後期ソフトでは組み合わせによってはエラーが起こる場合があった。配線は初期の仕様だとステレオ仕様だったこともありJAMMAとは一部配線が違ったが、後期の基板ではモノラル化されほぼJAMMA仕様となっている。尚国内向けの最後の辺りの一部のソフトは基板とソフト一体型の基板(MV-0)として売られた。
[編集] バリエーション&装備一覧
1本スロットの物はMV-1Cを除いて基板に対してソフトは水平に刺さる。
- MV-1 メモリーカードユニット(MV-IC)装備可能、家庭用ネオジオコントローラー装着可能、ステレオミニジャック出力端子装備
- MV-1F MV-1を一回り小さくした基板。メモリーカードユニット装着の為の端子が省かれている。
- MV-1FZ MV-1Fを更に小型化し、音声はモノラル化されている。今まで付いてたオプション端子が削除されている。
- MV-1A 対戦BIOS装備以外はMV-1FZとほぼ同等。
- MV-1B 基板よりソフトの方が大きく、かなり小型化されている。BIOSは従来のDIP40ピンからSOP40ピンに変更されている。
- MV-1C MV-1Bに比べると基板のサイズは大きい。国内仕様のBIOSが載っているものも存在するが、大多数は海外仕様のBIOSが載っている。
複数スロットの物はいずれも本体に対してソフトは垂直に刺さる。
- MV-2F メモリーカードスロット装備、メモリーカードユニット(MV-IC)装備可能、いずれも非装備の3種類が存在。家庭用ネオジオコントローラー装着可能、ステレオミニジャック出力端子装備。スロットは2つ。
- MV-4F メモリーカードユニット(MV-IC)装備可能、家庭用ネオジオコントローラー装着可能、ステレオミニジャック出力端子装備。スロットは4つ。
- MV-6F メモリーカードユニット(MV-IC)装備可能、家庭用ネオジオコントローラー装着可能、ステレオミニジャック出力端子装備。スロットは6つ。
[編集] その他
SNKはMVSの発売にあたり、アーケードゲームとしての一般的な販売手法の他に、設置を希望する店舗に無償で筐体を貸し出しその収益を徴収するという独自の手法を取っていた。このため、ゲームセンターだけでなく様々な店の一角でMVS筐体を見ることができた。
[編集] 参考文献
- ALL ABOUT SNK対戦格闘ゲーム 1991~2000 (ISBN 4-88554-677-X)