SPAR
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スパー(SPAR)は、ヨーロッパを中心に28カ国の企業が加盟する世界最大の食品小売りチェーン。 国際本部は、オランダアムステルダムにある。
アムステルダムで食品卸会社を経営していたアドリアン・ファン・ベル(Adriaan Van Well)が、1932年、16人の小売店主とともに結成したボランタリー・チェーンのDe Sparがルーツとなっている。
シンボルマークは「モミの木」がモチーフ。
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[編集] 日本のスパー
日本上陸は1977年。 当初は、食料品店やスーパーマーケットのボランタリー・チェーンであった。
全国に各地区本部があり、SPAR名のリージョナルチェーンを形成していた。そのまとめ役として、株式会社全日本スパー本部(ALL Japan SPAR Co., Ltd.、東京都港区→愛知県名古屋市中区へ移転)がある。
各地区本部は、それぞれの地区に地盤を持つ卸売業者、小売業者によって設立された。 緩やかな連携を保ちつつ、独立して運営されていた。
また多くの加盟店も、地区本部から経営に介入されることなく独立して運営されていた。 この点では、商店主などが加盟を検討する際、経営の自主性を奪われるフランチャイズチェーンと比べて魅力的であったと思われる。
反面、運営戦略は各地方、各店舗でばらばらであり、また結びつきが弱いため全国一律の商品展開や販促キャンペーンもできなかった。 さらに首都圏など大都市圏に弱いこともあり、大手フランチャイズチェーン(セブン-イレブンやローソンなど)と比べると商品力が弱い上に消費者や取引先などから地味な印象を持たれた。
ボランタリー・チェーンのSPAR店舗は徐々に減りつつあり、各地区本部の営業譲渡や合併も相次ぎ、現在では、コンビニエンスストアのフランチャイズチェーンであるHOT SPAR業態が主力となっている。
[編集] 沿革
- 1966年 - 東海乾物株式会社(後の、株式会社トーカン)が、愛知県内の小売店46店とともにボランタリーチェーン「チューリップチェーン」を結成。
- 1968年 - 富山県内の食品スーパー経営者10人が、北陸チューリップチェーンを結成。北陸チューリップチェーン株式会社 設立。
- 1969年 - トーカンが、株式会社チューリップチェーンを設立。
- 1975年 - 亀井通産株式会社を中心に、九州チューリップチェーン結成。
- 1976年 - トーカンが、株式会社全日本チューリップ・チェーンを設立。
- 1977年 - 国際スパー本部に正式加盟。
- 全日本チューリップ・チェーンが株式会社全日本スパー本部へ社名変更。
- 株式会社チューリップチェーンが、愛知県地区スパー本部へ社名変更。
- 以後、チューリップチェーン店舗の多くがスパーに転換された。チューリップチェーンの地区本部となっていた各企業も、スパーの地区本部を始めることとなる。
- 同年 - 株式会社桑宗が、広島県東部地区スパー本部株式会社を設立。
- 同年 - 株式会社長野中央市場(後のマルイチ産商)の関連会社が、長野県地区スパー本部株式会社となる。
- 同年 - カネトミ商事株式会社のチューリップチェーン部門が、大阪地区のスパー本部となる。
- 同年 - 株式会社丸ヨ西尾(セイコーマートの親会社)が、北海道スパー株式会社を設立。
- 同年 - 株式会社カスミが、茨城県地区スパー本部株式会社を設立。
- 同年 - 九州チューリップチェーンが、株式会社熊本県地区スパー本部となる。
- 1978年 - 北陸チューリップチェーンが、富山県地区スパー本部株式会社へ社名変更。
- 1980年 - 茨城県地区スパー本部が、関東地域スパー本部株式会社へ社名変更。
- 同年 - 株式会社サニーマートの社内に、四国スパー本部が発足。
- 1981年 - 九州地域スパー本部株式会社 設立。
- 1982年 - カネトミ商事が大阪地区スパー本部株式会社を設立。
- 1983年 - 株式会社忠実屋が、首都圏地域スパー本部株式会社を設立。
- 同年 - 株式会社平和堂が、東近畿地域スパー本部株式会社を設立。
- 同年 - 愛知県東部地区スパー本部株式会社 設立。
- 1984年 - 株式会社ベルセンター(ジョイスの関連会社)が、東北スパー株式会社を設立。
- 同年 - 長野県地区スパー本部が甲信越地域スパー本部株式会社へ、愛知県地区スパー本部が東海地域スパー本部株式会社へ、それぞれ社名変更。
- 1985年 - 沖縄スパー本部株式会社 設立。
- 同年 - 富山県地区スパー本部が、北陸スパー本部株式会社へ社名変更。同社などが、北陸ホットスパー株式会社を設立。
- 1986年 - 宮城地区スパー本部株式会社 設立。
- 1989年 - 関東地域スパー本部が、沖縄スパー本部と首都圏地域スパー本部を完全子会社化。
- 1991年 - 関東地域スパー本部が、株式会社カスミコンビニエンスネットワークスへ社名変更。ボランタリー・チェーンからフランチャイズ・チェーンへ。
- 1992年 - 北陸スパー本部が、株式会社チューリップと合併し、アルビス株式会社となる。
- 1993年 - カスミコンビニエンスネットワークスが、沖縄スパー本部を吸収合併、首都圏地域スパー本部から営業譲受。
- 1994年 - 国内での加盟店が2,000店を超える。
- 同年 - 北陸ホットスパーが、アルビスに代わって北陸地区の地区本部となる。
- 1997年 - カスミコンビニエンスネットワークスが、甲信越地域スパー本部のコンビニエンスストア事業を営業譲受。
- 1999年 - 九州コンビニエンスシステムズ株式会社が、九州地域スパー本部と業務を統合。
- 2001年 - 株式会社ココストアが、カスミコンビニエンスネットワークス、九州コンビニエンスシステムズ等の株式を取得し、傘下に。
- 同年 - カスミコンビニエンスネットワークスが、株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークスへ社名変更。
- 同年 - 株式会社ファミリーマートが、東近畿地域スパー本部の店舗のうち半数以上を譲受。
- 同年 - サニーマートが、株式会社スリーエフとエリアフランチャイズ契約を締結。四国エリアのホットスパーは出店を中止、既存店もスリーエフへ転換。
- 同年 - トーカンが、東海地域スパー本部のスーパーマーケット事業を営業譲受。
- 2002年 - ホットスパーコンビニエンスネットワークスが、宮城地区スパー本部のコンビニエンスストア部門を営業譲受。
- 同年 - 東海地域スパー本部が、コンビニエンスストア事業から撤退。
- 2002年頃 - 大阪地区スパー本部 解散。
- 2004年 - ココストア傘下の株式会社エブリワンが、九州地域スパー本部を吸収合併。
- 同年 - 株式会社ポプラが、北陸ホットスパーを完全子会社化。店舗はポプラへ転換。
- 同年 - 株式会社ローソンが、東北スパーの店舗のうち半数以上を譲受。
- 2005年 - トーカンが、東海地域スパー本部を吸収合併。
- 同年 - 東近畿地域スパー本部 解散。
- 同年 - 北陸ホットスパー 解散。
- 同年 - エブリワンがココストアの九州地区本部となり、九州のホットスパー店舗がココストアへ転換される。
[編集] SPARチェーンを構成する各地区本部
地区 | ブランド名 | 運営会社 |
北海道 | SPAR | 北海道スパー株式会社(セイコーマート) |
東北 | SPAR | 東北スパー株式会社 |
東北 | HOTSPAR | |
宮城 | HOTSPAR | 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス |
関東・静岡 | HOTSPAR | 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス |
甲信越 | SPAR | 甲信越地域スパー本部株式会社(マルイチ産商) |
長野 | HOTSPAR | |
愛知・岐阜・三重 | SPAR | 株式会社トーカン |
愛知 | SPAR | 愛知県東部地区スパー本部株式会社(豊橋トーエー) |
富山・石川 | HOTSPAR | |
富山 | SPAR | |
滋賀・福井・京都 | SPAR | |
大阪 | SPAR | |
広島県東部 | HOTSPAR | 広島県東部地区スパー本部株式会社 |
四国 | SPAR | |
九州本土 | SPAR | 株式会社エブリワン |
九州本土 | HOTSPAR | |
沖縄 | HOTSPAR | 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス 株式会社エブリワン |
[編集] スパーがある国
[編集] ヨーロッパ
オランダ、ドイツ、ギリシャ、ロシア、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、スロベニア、アイルランド、イタリア、クロアチア、スペイン、キプロス、スウェーデン、チェコ、スイス、デンマーク、ウクライナ、フランス、フィンランド、ポーランド、イギリス、ノルウェー
[編集] アフリカ
[編集] 南アメリカ
[編集] アジア
[編集] オセアニア
[編集] 外部リンク
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