ひたち (列車)
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ひたちとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が常磐線経由で運行する特別急行列車である。
「ひたち」の名称は、1998年のダイヤ改正から国鉄485系電車による運転を廃止した事により使用されていないが、それ以前より運行されていた「スーパーひたち」・「フレッシュひたち」・「さわやかひたち」・「ホームタウンひたち」・「おはようフレッシュひたち」・「ウィークエンドフレッシュひたち」が共に常磐線を運行する特急列車であることや、沿革に示した通り、共に派生した列車であるためここに記載する。またここでは、同じく常磐線を走っていた特急「みちのく」や急行「ときわ」などについても記す。
目次 |
[編集] 運行概況
[編集] 使用車両
651系使用列車は4・7・11両編成、E653系使用列車は7・11・14両編成で運転され、一部を除き勝田駅・いわき駅のいずれかで増解結を行う。なお、グリーン車は651系を使用する7・11両編成の列車に連結される。
- 651系
- スーパーひたち(全列車)
- フレッシュひたち(列車番号2000番台。下り13,55,69,71,75、上り4,8,40,68号)
- E653系
- フレッシュひたち(列車番号1000番台。4,8,13,40,55,68,69,71,75号を除く全て)
[編集] 主な運転区間
下りの1本を除き全列車が上野駅発着。
- スーパーひたち:上野駅~いわき駅・原ノ町駅・仙台駅、いわき駅~仙台駅(1号)
- グリーン車は上野駅~いわき駅間のみ連結(14,53号(原ノ町発着)は全区間、23,46号(いわき発着)は上野駅~勝田駅間)となるため、これ以外の区間では4両編成(8~11号車)で運転。ただし、多客期は全区間11両編成で運転する列車がある。なお、上野発仙台行き、仙台発上野行きに関してはどちらも正式には東北本線の駅であり、寝台特急や臨時特急などに東北本線ルートの特急列車があることから、行き先の下に小さく「常磐線経由」と書かれている。
- フレッシュひたち(E653系):上野駅~土浦駅・勝田駅・高萩駅・いわき駅
- 全車普通車。土浦、いわき発着は1日各1往復。
- フレッシュひたち(651系):上野駅~土浦駅(55号)・勝田駅
- 全区間でグリーン車を連結。
[編集] 定期列車の運転間隔
上野発の場合
- 下り:7:00-21:00までの各時00分はスーパーひたち、各時30分及び21:15発以降はフレッシュひたち
- 上り:発駅が違うためまちまちではあるが上野駅にはスーパーひたちとフレッシュひたちが交互に入線する。
[編集] 定期列車の停車駅
凡例:●全て停車、|全て通過。数字は本数(上り/下り)。
路線名 | 駅名 | スーパーひたち | フレッシュひたち | ||
---|---|---|---|---|---|
停車本数 | 運転本数 | 停車本数 | 運転本数 | ||
東北本線 | 上野駅 | ● | ● | ||
日暮里駅 | | | 15/15 | 2/0 | 19/22 | |
常磐線 | |||||
松戸駅 | 0/1 | | | |||
柏駅 | 1/0 | 14/22 | |||
取手駅 | | | 1/2 | |||
藤代駅 | | | 1/1 | |||
佐貫駅 | | | 5/10 | |||
牛久駅 | | | 7/11 | |||
ひたち野うしく駅 | | | 5/5 | |||
荒川沖駅 | | | 3/4 | |||
土浦駅 | 7/3 | ● | |||
神立駅 | | | 1/1 | 18/19 | ||
石岡駅 | 1/0 | ● | |||
友部駅 | 1/1 | ● | |||
赤塚駅 | 1/0 | 2/4 | |||
(臨)偕楽園駅 | ※1 | ※1 | |||
水戸駅 | ● | ● | |||
勝田駅 | ● | ● | |||
東海駅 | 3/2 | 4/4 | 7/7 | ||
大甕駅 | 9/9 | ● | |||
常陸多賀駅 | 12/10 | ● | |||
日立駅 | ● | ● | |||
十王駅 | | | 1/1 | |||
高萩駅 | 3/4 | ● | |||
磯原駅 | 4/3 | | | 1/1 | ||
大津港駅 | 2/1 | | | |||
勿来駅 | 5/7 | | | |||
植田駅 | 3/3 | 1/0 | |||
泉駅 | ● | ● | |||
湯本駅 | ● | ● | |||
いわき駅 | ● | ● | |||
四ツ倉駅 | 1/1 | 6/6 | |||
広野駅 | 2/4 | ||||
富岡駅 | ● | ||||
大野駅 | 5/6 | ||||
双葉駅 | 2/2 | ||||
浪江駅 | ● | ||||
小高駅 | 3/3 | ||||
原ノ町駅 | ● | ||||
相馬駅 | ● | 4/4 | |||
亘理駅 | 2/2 | ||||
岩沼駅 | 2/2 | ||||
東北本線 | |||||
仙台駅 | ● |
※1:春の観梅シーズンの日中下り列車のみ停車
[編集] 主要駅間の所要時間
- 上野~土浦 約45分(66.0km)
- 上野~水戸 約1時間10分(117.5km)
- 上野~いわき 約2時間20分(211.6km)
常磐線の特急の平均時速は約90km/h強である。これは有料特急としてはかなり速い部類である。なお、スーパーひたちに関しては上野~水戸間にてほとんどの列車の平均時速が100km/h強であり、これは全国でもトップクラスの速さとなる。同じ首都圏の有料特急である「あずさ」の新宿~松本間225kmの平均時速は約85km/h、新宿~八王子37kmの平均時速は約60km/h弱である。
[編集] 戦後の常磐線優等列車の沿革(主に昼行)
基本的には、常磐線を運行していた優等列車について記載する。夜行の「ゆうづる」などに関しては、東北本線優等列車沿革を参照されたい。
[編集] 東北急行群としての再開
- 1947年(昭和22年)6月 上野駅~青森駅間を、常磐線・東北本線経由で走る急行207・208列車が運行開始。1944年(昭和19年)12月に戦前の急行列車が全廃になって以来、2年半ぶりに同線に優等列車が登場した。
- 1950年(昭和25年)11月 上野駅~青森駅間を常磐線・東北本線経由で運行していた急行201・202列車に「みちのく」と命名。同線初の「列車愛称」となった。(「津軽」の項も参照)
- 1954年(昭和29年)10月 上野駅~青森駅間を常磐線経由で運転していた、元連合軍専用列車であり、1954年(昭和27年)から「特殊列車」と称する一部のみ日本人にも開放されていた列車が、完全に日本人に開放され、ただの急行列車となった。同時に、同列車には「十和田」と命名された。
[編集] 線内準急「ときわ」とその周辺列車群
- 1955年(昭和30年) 上野駅~水戸駅間を運行する快速列車、「ときわ」・「つくばね」が運行開始。
- 1958年(昭和33年)6月 「つくばね」は名称を「ときわ」に統合し、「ときわ」は準急列車に昇格。同時に平駅(現・いわき駅)まで運転区間を延長。また、上野駅~青森駅間を常磐線・東北本線経由で運行する特急列車「はつかり」が運行開始。
- 1960年(昭和35年)6月 水戸駅~仙台駅間を運行する準急「そうま」が運行開始。
- 1960年(昭和35年)12月 特急「はつかり」はキハ80系気動車を使用し、初の気動車による特急列車となった。
- 1963年(昭和38年)10月 上野駅~平駅間を運行する全席座席指定制の電車準急列車として、「ひたち」が運行開始。
- 1965年(昭和40年)10月 「みちのく」、2往復となる。
- 1966年(昭和41年)3月 「ときわ」・「ひたち」・「そうま」、急行列車に昇格。
- 1967年(昭和42年)10月 「ひたち」は、名称を「ときわ」に統合。また「ときわ」、一部列車を東京駅乗り入れ開始。
- 1968年(昭和43年)10月 「そうま」、上り列車を上野駅まで乗り入れ。「ときわ」の1往復を仙台駅発着の「そうま」に汲み入れる。また特急「はつかり」は電車化され、東北本線経由(黒磯駅経由)に変更される。「みちのく」の1往復を、急行「十和田」に統合。
[編集] 線内特急「ひたち」の運行開始
- 1969年(昭和44年)10月 上野駅~平駅間を運行する臨時特急列車(季節列車6001D・6002D)として、「ひたち」運転開始。
- 1970年(昭和45年)10月 特急「ひたち」定期列車化。急行「みちのく」廃止。
- 1971年(昭和46年)4月 「ひたち」の上り列車のみ東京駅に乗り入れ。
- 1972年(昭和47年)3月 「そうま」、2往復を盛岡駅まで延長し、「もりおか」と名称を変更。上野駅~青森駅間に、特急「みちのく」が1往復運転開始。
- 1972年(昭和47年)7月 夏臨「ひたち51・52号」が485系電車を使用して運転。
- 1972年(昭和47年)10月「ひたち」は485系電車を使用し、電車特急となる。5往復に増発され、運転区間を東京駅・上野駅~平駅・原ノ町駅・仙台駅間に拡大。なお、平駅・原ノ町駅発着各2往復、仙台発着1往復。同時にエル特急に指定。
- 1973年(昭和48年)4月 「ひたち」の上り1号のみ実施されていた、東京駅乗り入れを中止。
- 1973年(昭和48年)10月 「ひたち」、6往復に増発。
- 1975年(昭和50年)3月 「ひたち」、8往復に増発。
- 1978年(昭和53年)10月 「ひたち」、11往復に増発。また急行「そうま」は「ときわ」に編入され、愛称消滅。
[編集] 常磐線優等列車としての「ひたち」と派生列車群
- 1982年(昭和57年)11月 東北新幹線本格稼動(開業は同年6月だが、暫定的なものだった)により、仙台駅以北を結ぶ特急「みちのく」急行「もりおか」などの昼行特急列車・急行列車を全廃。急行「十和田」は夜行のみ存続。その為、常磐線を運行する列車名は特急「ひたち」、急行「ときわ」の2種類のみとなった。また、「みちのく」・「もりおか」廃止を補完する形で、仙台発着の「ひたち」1往復、「ときわ」2往復が増発された。
- 1985年(昭和60年)3月 急行「ときわ」、特急「ひたち」に統合されて消滅。急行「十和田」を臨時列車に格下げ。
- これに伴い、「ひたち」は一挙に下り24本、上り23本という本数日本一の特急に。
- この増発に際し、九州からボンネット型先頭車のクハ481が大挙して勝田電車区へ転属し、この改正時には全編成とも先頭車をボンネット型とした485系11両編成に統一。趣味的観点からレールファンに喜ばれる一方、利用者からは老朽化車両の集結が不評を買う結果となった。
- 1986年(昭和61年)11月 特急「ひたち」、26往復に増発。編成は485系9両編成に統一。
- この増発で、号数が上下合わせて52号までに達する。それまで50番台の号数は在来線列車の場合、臨時列車に与えるのが国鉄の慣例になっていたが、定期列車で初めて号数が50番台に達したため、国鉄最後となったこの改正より、臨時列車には(他の愛称を含め全て)80番台の号数を与える様改める事となった。
- 車輌についてはクハ481-300番台が再度配置され、「鳥海」と共通運用となった他、普通車座席のリクライニングシート(今までとは違うフリーストップ式)への交換がこれ以降進捗する。
- 1989年(平成元年)3月 JR東日本651系電車を使用した、「スーパーひたち」が運行開始。当初は1日7往復。なお、指定券発売時の区別等の為、485系の「ひたち」は号数を100番台に改めた。ホームライナー土浦が485系で運行開始。
- 1990年(平成2年)3月 「ホームタウンひたち」、およびおはようライナー土浦運行開始。
- 以降、「おはようフレッシュひたち」等といった列車を運行する基礎となる。また、この改正で「スーパーひたち」は15往復へ倍増、ほぼ1時間毎の運転となり、仙台まで運用区間を拡大した。
- その一方、485系「ひたち」は平駅以北の運転がなくなり、同時にグリーン車の連結も中止された。
- 1992年(平成4年)上野~会津若松間の特急「あいづ」の受け持ちが秋田から勝田に移管となったため、「あいづ」への送り込みの列車に限り、485系「ひたち」のグリーン車が復活。
- 1993年(平成5年)12月 「あいづ」廃止により再び485系「ひたち」のグリーン車の連結は廃止された。
- 1994年(平成6年)12月 臨時急行「十和田」廃止。
- 1997年(平成9年)10月 JR東日本E653系電車による「フレッシュひたち」が運行開始。
- 「フレッシュひたち」には当初より、定義が曖昧になっていた「エル特急」の呼称は与えられなかった。
- また、この改正より号数の100番台使用を取りやめ、「スーパーひたち」「フレッシュひたち」「ひたち」を全て合わせ、1号から順の割振に戻された。
- 1998年(平成10年)12月 485系電車の全車が、651系電車・E653系電車へ置き換えられたのに伴い、「ひたち」・「さわやかひたち」・「ホームタウンひたち」は名称上消滅。ホームライナー・おはようライナー土浦を「フレッシュひたち」へ格上げ。この結果、常磐線の特急列車は「スーパーひたち」・「フレッシュひたち」の2系統となる。
- 2002年(平成14年)12月 勝田駅発着の「スーパーひたち」は、名称を「フレッシュひたち」に変更。「スーパーひたち」含め、JR東日本はこの改正で「エル特急」の呼称を全て廃止。
- 2005年(平成17年)7月 翌8月開業の首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線との競合を織り込んでのダイヤ改正に伴い、列車の増発や停車駅の整理等を行う。
- 我孫子、柏、松戸に分散されていた千葉県内のフレッシュひたち停車駅を柏に統一。おはようフレッシュひたち・下りウィークエンドフレッシュひたちの定期列車化。上りウィークエンドフレッシュひたちの廃止。
- 2006年(平成18年)3月18日 上り「フレッシュひたち」1本、下り「フレッシュひたち」2本増発(土浦行)及び最終下り「フレッシュひたち」勝田延長。なお、朝の一部上り「フレッシュひたち」は時刻が繰り上がった。
[編集] 列車名の由来
- 「ときわ」:茨城県の旧国名である「常陸」と福島県の旧国名である「磐城」(いわきのくに)の合成地名である「常磐」(じょうばん)の訓読みである「ときわ」から。
- 「ひたち」:茨城県の旧国名「常陸」による。ちなみに、気動車時代はヘッドマークに小さくこの2文字が添えられていたが、常磐線沿線の日立市の名を取った物ではない 事を示す配慮だったともいわれる。
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