クラミジア・トラコマチス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラミジア・トラコマチス C. trachomatis | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||
|
||||||||||||
学名 | ||||||||||||
Chlamydia trachomatis |
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis, CT)とは、主に目と性器に感染するクラミジアの1種。
目次 |
[編集] 性状
直径約300nmの球形である。約1040kbの環状DNAを持つほか、7.5kbのプラスミドを持つ。
他の感染性を示すクラミジアに見られないものとして、グリコーゲンと葉酸を合成するということがある。
性状の違いから生物型LGV、生物型Trachoma、生物型Mouseの大きく3つの生物型に分けることができる(ただし生物型Mouseは別種という説あり)。ヒトに病原性を示すのは生物型LGVと生物型Trachomaの2種である。血清型はA,B,Ba,C,D,D7,E,F,G,H,I,I',J,K,L1,L2,L2',L3の18ある。
[編集] 病原性
鼠径リンパ肉芽腫のみが生物型LGVの感染で、それ以外は生物型Trachomaの感染による。
- 流行地ではA,B,C型によるものが多い。母親からの垂直感染ではD,E,F,G型によるものが多い。
- D,E,F,G型によるものが多い。
- L1,L2,L3型による。
- 新生児肺炎
- D,E,F,G型によるものが多い。
[編集] 診断
蛍光抗体法で抗体を顕微鏡下に観察する方法、酵素標識抗体を用いて抗原を検出する方法、DNAプローブ法やPCR法によって直接プラスミドDNAを検出する方法がある。
[編集] 治療
テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系が一般的に用いられる。また、葉酸合成を阻害するサルファ剤も有効。増殖時間が長いため、最低でも2週間程度の長期投与が必要となる。