コモドオオトカゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コモドオオトカゲ | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||
Varanus komodoensis | ||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||
コモドオオトカゲ | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Komodo dragon |
コモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) は巨大な肉食のトカゲ。オオトカゲの一種で、世界最大のトカゲであり、特に大きなものは全長3.5mの記録があるが、通常は3m内外である。体重は100kg近く。英名よりコモドドラゴン (Komodo Dragon) とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 生息地
東南アジア、インドネシアのフローレス諸島の中でコモド島・リンチャ島・ギルモンタン島・パダール島・フローレス島に生息する。パダール島では既に絶滅。これらはコモドオオトカゲの保護のため、コモド国立公園として世界遺産に登録されている。
[編集] 生態
肉食性で、大食漢。空腹になるまで捕食せず、一か月何も食べないこともある。唾液には有毒な細菌が棲んでいる。捕食の際は機敏な動きで鹿や猪などの野生動物を狩る。速度は時速約20㎞。狩りの方法はその執念深さにある。如何に俊敏とはいえ自身より遥かに動きの早い温血動物を捉えることが出来る理由は一度狩りの相手とみなした場合、あきらめず数十キロも何日間も追い続け、相手が根負けするまで追い続ける根気強さにある。死肉のほか、卵も好物で、仲間の卵を食べてしまうこともある。暑さに弱く、日中はほとんど、木の陰で寝そべって過ごす。オスはメスの3倍以上で、繁殖期にはオス同士肩を組み合ってメスをめぐって争う。争う際には立ち上がり取っ組み合う。鋭い鉤爪で厚い皮膚が破れることもある。時には1時間も争う。その間ずっと闘っているわけではなく、戦いと休憩を繰り返しながら行う。これをコンバットダンスと呼ぶ。若く小柄なうちは、鋭い爪を使って木に登ることも多い。泳ぐこともできる。尻尾の力が強い。寿命は100年を越えることもあると言われる。
[編集] Status
- VULNERABLE (IUCN Red List)
[編集] 進化の過程
進化系統は恐竜の時代に遡る。その後さまざまな過程を経て現在のような姿になったと考えられる。 コモドドラゴンが3m近い巨体になったのには諸説あるが、新生代以前にテレスドン(現在の象の仲間)やシカなどの大きい動物を食していたことや、トラやヒョウなどの天敵がいなかったために木に登ったり隠れたりする必要がなくなったためと考えられている。
[編集] 発見談
コモドオオトカゲの存在は現地人の間では古くから知られていたが、彼らはドラゴンだと思っていたと言われる。話を聞いた西洋人も、ワニの誤認であろうと考えていた。1911年にオランダの小型飛行機がコモド島に不時着した。この際に操縦士がコモドオオトカゲを発見し、恐竜と見間違えたと伝えられている。ジャワ島の植物園のオーウェンス (Ouwens) の調査により、1912年になってオオトカゲの一種として記載された。
当初は体長5メートル、7メートルとか、人間やイノシシを襲って食うと言われて恐怖の対象であったが、いずれも誇大である。コモドオオトカゲは肉食であり、猪、鹿など現地の野生動物及び同族の幼体を食べる。その為、小さな個体は成体の登れない木の上で生活する。現地でコモドドラゴンの敵はコモドドラゴンのみだと言われている。人間を襲った確かな記録はほとんどないが人間にとって危険な存在であることは否定できない。過去においてクックの船員が重傷を負わされた記録がある。
その後皮を目的として乱獲されたために個体数が激減し、生息地が世界遺産に登録されているほか、ワシントン動物園でも繁殖を試みられるなど、厳重な保護体制が取られている。
通俗的なテレビ番組や雑誌などで、「恐竜の生き残り」と紹介されることもあるが、系統上は恐竜との直接のつながりはない。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 生物分類表使用 | Vulnerable | トカゲ