ダーク・ファンタジー
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ダーク・ファンタジーはファンタジー作品のジャンルの1つ。
ファンタジー作品の中でも、重苦しい雰囲気や悲劇的展開、残酷な描写や不条理な世界観などに重きを置いているものを言う。大人向けなファンタジーということでアダルト・ファンタジーと呼ぶこともある。
日本では、漫画『ベルセルク』のヒットによってダーク・ファンタジーが広く知られるようになったが、それ以前からファンタジー小説ではそのような作品が多く知られていた。また、日本における本格的ファンタジー漫画の初期作品として著名である『クリスタル☆ドラゴン』(あしべゆうほ)などは正にダーク・ファンタジー作品であった。
目次 |
[編集] ダーク・ファンタジーの特徴
一般的なファンタジーとダーク・ファンタジーとの明確な線引きは難しく、作風によって出版社が判断したり、作者が明確に打ち出している場合がほとんどである。
ダーク・ファンタジーは、ストーリー全体がシリアスなトーンで進行しているのが大きな特徴で、その中で人間の残酷な心理、過激な戦闘とグロテスクな描写、性描写などを描いている作品が多い。
また、ダーク・ファンタジーにしばしば登場するものとしては、
などが挙げられる。これらはいずれも、作品に暗いイメージを与える要素となっている。
児童文学やハリウッドが近代に入って作り上げた中世のメルヘンなイメージに対するアンチテーゼとして、現実の醜汚を作品世界感に反映させた作品がダーク・ファンタジーといえる。史実に基づいた戦争、魔女狩りなど中世ヨーロッパのマイナスイメージが、リアリズムもしくは誇張により描写される。 またグリム童話がダーク・ファンタジー作品に与えている影響も無視できない。 原版に近い前述の童話には猟奇的殺人、異常性愛、軽視される命(特に子供の)など中世から近代の初期にかけての実態と当時の価値観が描かれている。
また、ダーク・ファンタジーは、一般的にハイ・ファンタジー系(特にヒロイック・ファンタジー)の作品に対してのみ呼ばれるものであるといえる。なぜならば、現実世界(もしくはそれに近い世界)を舞台にした作品は、大半はホラー系や伝奇小説など別のジャンルに分類されるからである。
[編集] 主なダーク・ファンタジー作家
[編集] 主なダーク・ファンタジー小説
- ネバーウェア(ニール・ゲイマン)
- 不滅の愛(クライヴ・バーカー )
- アバラット(クライヴ・バーカー )
- ハロウィーンがやって来た(レイ・ブラッドベリ )
- エターナル・チャンピオンシリーズ(マイケル・ムアコック)
- ファファード&グレイ・マウザー(フリッツ・ライバー)
- 十二国記(小野不由美)
- ブレイブ・ストーリー(宮部みゆき)
[編集] 主なダーク・ファンタジー漫画
- サンドマン(ニール・ゲイマン)
- クリスタル☆ドラゴン(あしべゆうほ)
- クレイモア(八木教広)
- ベルセルク(三浦建太郎)
- 新暗行御史(原作:尹仁完 作画:梁慶一)
- 鋼の錬金術師(荒川弘)
- Übel Blatt(塩野干支郎次)
[編集] 主なダーク・ファンタジードラマ
- ミレニアム(クリス・カーター)