ナス
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ナス | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Solanum melongena | ||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||
茄子 | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Eggplant | ||||||||||||||
ナス(茄子、なす、奈須比、英名:eggplant、学名:Solanum melongena L.)はナス科ナス属の植物。原産地インドの東部。温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。日本には平安時代に、奈須比なすびとして伝わった。土地によっては現在もそう呼ばれることもある。女房言葉により茄子となった。以降日本人にとってなじみのある野菜となった。地方によって独自の品種が育てられ、食用としてだけでなく人形などもつくられた。
果実にはスポンジ状物質が充填している。栽培品種のほとんどの果皮は紫色又は黒紫色である。しかし黄緑色や白色のナスも存在する。英語でeggplantと呼ばれるのは白色のナスが原因だという説もある。 品種によってさまざまな食べ方がされる。
栄養的にはさほど見るべきものはないが、体温を下げる効果がある。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。
なかには、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているものもある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)。
目次 |
[編集] 連作障害
ナスは連作障害を起こしやすい野菜である。ナスを連作した場合のみならず、同じナス科のトマト、ジャガイモ、ピーマン、シシトウ などとも相性が悪く、何も処置をしない場合、5~7年以上間を空けないと障害が起きやすいといわれている。
[編集] 料理
あくが強い。料理する時、切ったら水に浸してあく抜きする。
- 生食
- 水なすびと呼ばれる茄子は生食が可能な茄子。皮を剥いてみそだれで食べる。または漬け物(ぬかづけ)などにする。大阪の泉州水茄子が有名。
[編集] 品種
- 賀茂なす 京都府
- 田屋なす 山口県(萩市周辺)
- 十市なす 高知県
- 水なす 大阪府泉州地域
[編集] 文化
- 言い習わし
- 「秋茄子は嫁に食わすな」
- この言葉は「秋茄子わささの糟に漬けまぜて 嫁には呉れじ棚に置くとも(夫木和歌抄)」という歌が元になっており、嫁を憎む姑の心境を示しているという説がある。
- また、「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す。女人はよく子宮を傷ふ(養生訓)」などから、嫁の体を案じた言葉だという説もある。
- さらに、そもそも「嫁には呉れじ」の「嫁」とは「嫁が君(ネズミのこと)」の略であり、それを嫁・姑の「嫁」と解するのは後世に生じた誤解であるとする説がある(『広辞苑』第三版、「あきなすび」の項)。しかし「嫁が君」は正月三が日に出てくるネズミを忌んで言う言葉であり、「秋茄子わささの~」の解としては(季節が合わず)やや疑問ではある。
- 「親の小言と茄子の花は千にひとつの無駄もない」
- ナスの花が結実する割合が高い事に、親の小言を喩えた諺。
- 「秋茄子は嫁に食わすな」
- 初夢の縁起物:「一富士、二鷹、三茄子」
- 七夕馬では、牛の材料となる。
- なすの黒焼きを原料にした歯磨き粉がある。