ネモ船長
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ネモ船長(ねもせんちょう、Captain Nemo)は、ジュール・ヴェルヌのSF小説『海底二万リーグ』(1870年)、及びその続編『神秘の島』(1874年)に登場する潜水艦、ノーチラス号の艦長である。ただし本名ではなく自称している偽名であり、ラテン語のno nameからのアナグラムと作品中で説明がある。彼の正体は、初出の『グラント船長の子供たち』、主要人物である『海底二万リーグ』では謎に包まれたまま終結を迎えるが、続編の『神秘の島』で正体が明らかにされた。
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[編集] 経歴
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
彼の正体はインドのバンデルカンド地方の大公の息子である。イギリスのインド侵略で迫害されたティッポー・サヒブの甥にあたるダカールという名の王子であった。
彼は10歳になると父の勧めで渡欧し30歳ころまでそこで過ごした。これにはヨーロッパの知識を吸収して、インドをイギリスから独立させてほしいという父の願いがこめられていた。彼はヨーロッパで学問や芸術に対する才能を発揮し周囲の人たちから称賛されるが、ヨーロッパ、特にイギリスに対する復讐心は衰えることがなかった。
1849年に故郷へ帰り、1858年に反乱を起こす。そして、同時期に起きていたセポイの反乱でイギリス軍により妻子を失った後、彼は20人ほどの仲間と共に科学的な研究活動に没頭し、太平洋上の孤島で最新の潜水艦、ノーチラス号を開発する。その後、ノーチラス号の乗組員と共に、圧制に対して戦う世界中の活動家たちへの資金提供を行った。1702年にヴィゴー湾で沈没したスペインのガレオン船の巨額の金銀を回収していたため、資金に困ることはなかった。
年月が過ぎ、ノーチラス号のクルーは一人また一人と命を落としていく。ついにはネモ船長一人となり、ノーチラス号の進水から30年後、彼はノーチラス号の寄港地の一つである太平洋上のリンカーン島内部の海底洞窟にノーチラス号を格納し、そこで余生を過ごすことを決める。
しかし、このリンカーン島に5人のアメリカ人が漂着し、彼は5人と後に加わるもう1人を密かに見守るようになる。自分の死を察した彼はある日、6人をノーチラス号のある洞窟へと招き入れる。そこで自分の一連の生涯を話し、自分が死んだらノーチラス号を棺桶として海底深くに沈めてほしいと遺言する。ネモ船長が死ぬと、ノーチラス号は約束どおりタンクに水を満たされ、リンカーン島の洞窟の底深くへ沈んでいった。
[編集] 設定の変遷
ヴェルヌの当初の案では、ネモ船長はロシアに迫害されたポルトガル人という設定であったが、当時フランスは戦争中であり、同盟国のロシアを悪く扱うのは危険であるという編集者側からの勧告により破棄された。その結果『海底二万リーグ』のストーリーは当初と比べ大幅に変わり、ネモ船長は『神秘の島』が発表されるまで謎の人物とされることになった。
[編集] 他作品の登場例
オリジナル版以外に彼が登場するものは、次のようなものがある。
[編集] 漫画
[編集] 映画
[編集] アニメ
[編集] ゲーム
- ヴェルヌワールド
[編集] 外部リンク
- ネモ船長とノーチラス号ジュール・ヴェルヌの個人ファンサイト