ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン
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『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN』(ファイナルファナタジーセブン アドベントチルドレン、略FF7AC)は、コンピュータゲーム『ファイナルファンタジーVII』の関連作品"COMPILATION OF FINAL FANTASY VII"の第2弾としてスクウェア・エニックスが開発した映像作品。
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[編集] 概要
2005年9月14日発売。『ファイナルファンタジーVII』(以下、FFVII)の正統な続編だが、ゲームではなく映像作品である。
『FFVII』で主人公クラウドらが世界を救ってから2年後の世界を描いている。
[編集] 開発・販売
2004年に未完成にも関わらずヴェネチア国際映画祭に招待され、翌年には完成品としてノミネート。異例の2年間連続出場をはたした。
映画館での商業上映はないが、2005年9月10~16日に東京・名古屋・京都で無料招待制の上映会が行われた。
発売日からすでに売り切れする店が続出した。ハリウッド映画並の脅威の販売率を記録(発売初週の消化率は93.38%)。発売翌週のオリコン週間ランキング(週間)では1位『初回限定豪華パッケージ仕様』、3位『アドベント ピーシーズ:リミテッド』、5位『通常版』とトップ5に3種類同時ランクインした。ランクイン5週目で1位に返り咲き(通常版)、6週連続TOP5を記録した。
発売1ヶ月で70万本を出荷し、好調な売上がスクウェア・エニックスの業績に貢献した。2006年1月に、出荷本数100万本突破。同年4月25日に米国で発売し6月現在、欧州英語圏で累積出荷本数140万本を突破。
[編集] 商品内容
全て2005年9月14日に同時発売。開発元はスクウェア・エニックス。発売元はソニーピクチャーズ。
[編集] DVD通常版
特典映像としてReminiscence of Final Fantasy VII(『ファイナルファンタジーVII』のダイジェスト映像、ゲーム画面の名シーンを編集したもの)、オフィシャルトレーラー、『COMPILATION OF FINAL FANTASY VII』のトレーラーを収録。標準価格4,800円(税込。以下同じ)。
[編集] DVD初回限定版
収録内容は通常版と同じ。初回限定パッケージ。標準価格4,800円。
[編集] 限定BOX「ADVENT PIECES: LIMITED」
標準価格29,500円。
- 本編ディスクには通常版の内容に加えてスタッフによる音声解説を収録。
- 特典ディスクの内容:
- メイキング映像
- ヴェネチア国際映画祭で公開されたバージョン
- これまで公開されたトレーラー各種
- OVA作品『LAST ORDER FINAL FANTASY VII』
- プレイステーション用ソフト『FINAL FANTASY VII INTERNATIONAL』
- 主人公クラウドと愛車のフェンリルのフィギュア
- ボイス収録用台本のレプリカ
- オリジナルのキャップ(帽子)、Tシャツ、キーホルダー
[編集] UMD版
本編に加えてサウンドトラックの楽曲のいくつかを収録。標準価格4,800円。PSPのキラーコンテンツになり得ると期待された。
[編集] 『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート』
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一部シーンの差し替え・追加を施し日本国外版の音声を収録した『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート』が2007年にBlu-ray Disc・DVDで発売される予定。2006年9月22~24日の「東京ゲームショウ2006」で発表された。
[編集] スタッフ
- ディレクター:野村哲也
- COディレクター:野末武志
- シナリオライター:野島一成
- プロデューサー:北瀬佳範
- アートディレクター:直良有祐
- コンポーザー:植松伸夫
- COプロデューサー:橋本真司
- メカ&クリーチャーデザイン:竹谷隆之
[編集] 音楽
イメージソングは、氷室京介が1989年に発表した『CALLING』。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
『FFVII』から2年後、クラウドは運び屋として生活していた。世界は滅亡の危機からは免れたが、爪痕はまだ大きく、星痕症候群と呼ばれる謎の病気が蔓延していた。
ある日、クラウドはレノから依頼を向けルーファウスの下へ向かっていたとき、謎の3人組に襲われる。彼らは、クラウドを「兄さん」と呼び、「母さん」を返せと告げるが、クラウドは何のことかわからない。
ルーファウスの館についたクラウドは、襲って来た奴らがカダージュ達であることを聞かされる。ルーファウスは、自分達の目的は世界への恩返しであり、彼らはそれを邪魔するのだという。ルーファウスはそのためクラウドにボディガードを頼むが、彼は断り去っていくのだった。
そのころ、ティファはカダージュの一味の一人、ロッズに襲われていた。善戦するティファだったが、最後には気を失いマリンを連れ去られてしまった。
ティファやレノに説得され、マリンを救うため忘らるる都に向かうクラウド。しかし、カダージュ達3人にはかなわず、ヴィンセントに助けられる。ヴィンセントから星跡症候群や「母さん」の真実を聞かされる。
「母さん」を探すカダージュ達は、神羅の作った慰霊塔に目をつける。レノやルードも戦うが、カダージュが呼び出したバハムート震により慰霊塔は破壊される。混乱する街にバハムートを倒すため、仲間が次々と集まる。
[編集] 登場人物
COMPILATION of FINAL FANTASY VIIを通しての登場人物の説明は、ファイナルファンタジーVIIの登場人物を参照。
[編集] 『FFVII』のプレイヤーキャラクター
『FFVII』のプレイヤーキャラクターはエアリスを想う証として、それぞれ赤いリボンを巻いている。
- クラウド・ストライフ(Cloud Strife):櫻井孝宏
- 『FFVII』の主人公。運び屋「ストライフ・デリバリーサービス」をはじめる。ティファやデンゼルなどの孤児と暮らしている。星痕に犯されているが、それをティファ達には言えずにいる。
- 武器は組み合わせることができる剣。場面に応じて二刀流にして戦うことができる。
- ティファ・ロックハート(Tifa Lockhart):伊藤歩
- クラウドと一緒に暮らしている。小説『On the Way to a Smile』から、エッジという街で、バー「セブンスヘブン」を再開していることがわかる。
- バレット・ウォーレス(Barret Wallace):小林正寛
- 油田を見つけている。武器は普段はしまっておけるようになった。マリンをクラウド達に預けているが心配で仕方ないようだ。
- レッドXIII(Red XIII):市村正親
- ケット・シーをつれて登場する。
- 声優の市村正親は友情出演である。
- ケット・シー(Cait Sith):石川英郎
- 『FFVII』ではデブモーグリに騎乗していたが、『FFVII AC』では、レッドXIIIに騎乗して登場する。
- ヴィンセント・ヴァレンタイン(Vincent Valentine):鈴木省吾
- 忘らるる都によく訪れていたため、カダージュ一味のことについて詳しい。ツォンとイリーナを助けたあと、クラウドに助太刀する。
- 携帯電話をもっていないことを、マリンにがっかりされたせいか、電話屋を尋ねる場面がある。
- シド・ハイウィンド(Cid Highwind):山路和弘
- 新たな飛空艇シエラ号と共に登場する。
- ユフィ・キサラギ(Yuffie Kisaragi):かかずゆみ
- パラシュートで上空から現れる。マテリア好きは相変わらずのようだが、マテリアはクラウド達に預けている。この時点でWROに所属しているのかは特に語られていない。
- エアリス・ゲインズブール(Aerith Gainsborough):坂本真綾
- ザックスと供にクラウドの前に幻として現れる。
[編集] 神羅カンパニー関係者
神羅カンパニーは崩壊したが、タークスのメンバーへの信頼は揺らいでいない。
- ルーファウス神羅(Rufus Sin-Ra):大川透
- 『FFVII』でウェポンにより殺されたと思われていたが、なんとか生き残っていた。『FFVII AC』ではヒーリンという場所で療養しており、世界に「負債を返す」ことを目的にしているという。
- レノ(Reno):藤原啓治
- ルードと共にルーファウスを守っている。カダージュ達には歯がたたない。
- ルード(Rude):楠大典
- レノと共にルーファウスを守っている。カダージュ達には歯がたたない。
- ツォン(Tseng)
- セフィロスに殺されたと思われていたが、生きていた。大空洞を調査中にカダージュ達により襲撃され、ヴィンセントに助けられる。
- イリーナ(Elena):豊口めぐみ
- ツォンと大空洞へ調査に赴き、カダージュ達に襲撃される。
[編集] カダージュ一味
- カダージュ(Kadaj):森久保祥太郎
- 3人のリーダー的な役割をはたす。マテリアで召喚獣を呼び出す。武器は日本刀の刃が二本ならんだ刀「双刃」。カダージュ一味は自らを「思念体」と呼ぶ。
- ヤズー(Yazoo):岸祐二
- カダージュ一味の一人。武器は、『FFVIII』の主人公スコールが持っていたガンブレードを小さくしたような剣と銃が一体となったもので、名前は「ベルベット・ナイトメア」という。
- ロッズ(Loz):乃村健次
- カダージュの一味の一人。「デュアルハウンド」という名前のパイルバンカーを扱う。高速で移動できる能力の名称は、スタッフによると「ロッズワープツール」という。
[編集] その他
- マリン・ウォーレス(Marlene Wallace):黒葛原未有
- バレットの養女。ティファやクラウド達と一緒に暮らしている。
- デンゼル(Denzel):池田恭祐
- クラウド達と暮らす孤児。その理由は、小説『On the Way to a Smile』に詳しい。星痕に冒されている。
- セフィロス(Sephiroth):森川智之
- 前作で消滅したはずだが……。
- ザックス(Zack):鈴村健一
- ソルジャー1stに属していたエリートソルジャー。エアリスの初恋の人であり、劇中では彼女と共に、幻としてクラウドの前に現れている。
[編集] 用語
- 星痕症候群(Geostigma)
- ライフストリームを受けたものが発症する謎の病気。物語開始時は原因はわかっていない。
- ヴィンセントによって明かされた原因はライフストリームそのものではなくライフストリームに溶け込んでいたジェノバ因子。その因子を取り込んだものが発症する一種のアレルギーのようなもの。
- ジェノバ(JENOVA)
- 他の星からやってきた存在。詳しくはファイナルファンタジーVII#ジェノバと古代種を参照。
- セフィロスもジェノバと同じようにこの星を船として違う星へ行くことを目的としている。
- リユニオン(REUNION)
- バラバラに散らばったジェノバ細胞が再び集まること。
- マテリア(Materia)
- 魔晄が結晶化したもの。この作品では、カダージュのみが使用している。
- エッジ(Edge)
- 大都市ミッドガルがメテオにより破壊され被害が甚大だったため、ミッドガルに寄り添う形で新しくできた街。
- バハムート震(Bahamut SIN)
- カダージュが奪ったマテリアから呼び出した召喚獣。
- 持ち主はユフィ。本編で、ユフィ登場時の言葉から判る。
- シャドウクリーパー(Shadow Creeper)
- カダージュ達が召喚したモンスター。
- シエラ号(The Sierra)
- シドの新型飛空艇。「シエラ」とはシドの助手(妻?)である女性の名前。
- フェンリル(Fenrir)
- クラウドが乗るバイク。4輪。クラウドの剣をしまっておけるようになっている。
[編集] Reminiscence of Final Fantasy VII
『FFVII』のダイジェスト版。クラウドがバレットの下へ向かいながら、いろいろな人と携帯電話で話す映像が間に流れる。
時期としてはクラウドが携帯電話に出ていること、ヴィンセントが携帯電話をもっていることから少なくともアドベントチルドレンよりは後のストーリーであることがわかる。
[編集] 『On the Way to a Smile』
『On the Way to a Smile』は、『FFVII』 から 『FFVII AC』の間の2年間を、デンゼルとティファそれぞれの視点から描いた小説。著者は、野島一成。
掲載先は以下のとおり。
- 『FFVII AC』の公式サイト…デンゼル編のみ
- 『Final fantasy VII advent children prologue』(集英社・ISBN 4-08-779339-7)…デンゼル編、ティファ編
[編集] ストーリー
[編集] デンゼル編
『FFVII』から4年後ミッドガル周辺にはエッジという街ができていた。デンゼルはWROのトップとなったリーブにたずねられ、過去を語り始めた。
デンゼルは昔、両親と供にミッドガル上層七番街のプレートで暮らしていた。アバランチの活動が活発になったころ、父親は神羅で部長になっていたため七番街がタークスによって落とされる情報を知った。父は規則を破りデンゼルを部下に避難させ、母親を探しに行き二人は帰ってこなかった。
デンゼルはその後ルヴィという、5番街に住む婦人と暮らし始めた。やがて上空にメテオが現れた。メテオはライフストリームによって防がれたがその流れはルヴィとデンゼルの家にも流れこんできた。ルヴィはライフストリームを受け、黒い液体を口から吐いて息を引き取った。
ライフストリームはミッドガル全体をめちゃくちゃにしていた。デンゼルは列車の止まった線路を歩き、地上へと向かった。途中でルヴィのように黒い液体をつけた子供に出会いデンゼルはルヴィのことを思い体をなでて話を聞いてあげるが、しばらくして眠るように死んでいった。
デンゼルは地上に降りた後はエッジ建設の資材集めのための七番街探索などをして暮らしていた。エッジの規模が拡大すると探索をしていた孤児たちもエッジに移っていった。一人になったデンゼルは五番街で偶然クラウドの携帯電話を手にとり、着信履歴からティファに電話をかけていたが、途中で手から黒い液体を流し倒れた。
話を終えたデンゼルにリーブは、母のことを感謝した。
[編集] ティファ編
[編集] 登場人物
- リーブ
- ケット・シーを操っていた人物。現在はWROのトップ。
- ルヴィ
- 5番街に住む婦人。子供が神羅で働いている。子供がおいて行った本を読み子供の仕事を理解しようとしているが難しすぎて理解はできていない。メテオが落下してきたときには、子供に連絡を取ろうとしていたが連絡はとれなかった。
- 花が好きで庭にたくさんの土を持ってきていたがミッドガルでは育たなかったようだ。
- 最後にリーブの発言と花柄のハンカチから、リーブの母であることが判明する。
- ちなみに、リーブの両親らしき人物はFFVII本編でも蜜蜂の館で見る事が出来る。
- ジョニー
- 「セブンスヘブン」のティファに憧れ、エッジにオープンカフェ「ジョニーズヘブン」を経営している。デンゼルはここで話をしている。
- ガスキン
- デンゼルを何度か助けた大人。最後は星痕により命を落とす。
[編集] 用語
- WRO
- 世界再生機構のこと。詳細は、ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII#世界再生機構を参照。この時点ではほぼ軍隊になっている。
[編集] 関連項目
- P900iV(クラウドが持つ携帯電話)