交響曲第8番 (シューベルト)
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フランツ・シューベルトの「交響曲第8番(こうきょうきょくだい8ばん)ハ長調」は、1825年に作曲された4楽章から成る交響曲。「ザ・グレート」(英:The Great、独:Die große C-Dur)と呼ばれる。この作品は、古くより番号が様々に呼ばれ、はじめは未完のものを除いて7番目なので第7番と呼ばれていた。次いで、未完のもの2曲を含めて第9番、未発見のものを含めて第10番と呼ばれたこともある。最近では、未完の交響曲にはいわゆる「未完成交響曲」だけを数に入れ、第8番とすることが多くなってきている。
シューベルトの交響曲は、その調で呼ばれることも多いが、ハ長調にはもう1曲、第6番もあるため、そちらを「小ハ長調」、こちらを「大ハ長調」と呼ぶ。「ザ・グレート」という呼び名はこれに由来するが、イギリスの楽譜出版社によって付けられたもので、少し俗っぽいという意見もある。(即ち、「ザ・グレート」は、大きい方、といった程度の意味で、「偉大な」という含意があるわけではない。)
かつては直筆譜の日付から1828年作曲と考えられてきたが、用紙のすかし模様が25年頃に用いられていたものである事、28が25の読み間違いの可能性がある、などさまざまな理由から現在では1825年の作曲であり、この作品が幻だった『グムデン・ガスタイン交響曲』に当たるものと考えられている。
この作品は、シューベルトの死後、1838年にシューマンが自筆譜を発見して世に出た。
[編集] 楽器編成
[編集] 各楽章
- Andante(歩くような速さで) - Allegro ma non troppo(快速に、しかし速すぎずに)ハ長調4/4拍子、序奏付きソナタ形式、すなわち典型的な交響曲の第1楽章の形式である。ホルンの伴奏を伴わないユニゾンでおおらかに始まる。第1主題は音の大きく動く付点のリズムと3連符に特徴がある。第2主題は、もの悲しげである。
- Andante con moto(歩くような速さで、動きを持って)イ短調2/4拍子、展開部を欠くソナタ形式。オーボエのソロが印象的である。
- スケルツォ Allegro vivace(快速に、急速に)ハ長調3/4拍子、複合三部形式。息せき切るような主部の旋律と、雄大な中間部トリオ(イ長調)の旋律の対照が効果的である。
- 終曲 Allegro vivace(快速に、急速に)ハ長調2/4拍子、ソナタ形式。1楽章同様、付点のリズムと3連符に特徴があるが、もっと急速で息を付かせない。ところどころ同じ和音が数小節にわたって続くところを、どう聞かせるかが、演奏者の腕の見せ所である。