京阪600形電車 (3代)
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京阪600形電車(けいはん600がたでんしゃ)は、京阪電気鉄道の石山坂本線で使用される電車である。
老朽化してきた旧来の車両群を置き換えるために、1984年に導入された。
1次車の2輛編成4本は300形の、2~4次車の2輛編成6本は260形の車体流用ながら、書類上は新製扱いとなっている。同時期に登場した京阪線用6000系の設計も取り入れている。
前面の形状に2種類あり、1次車は平面ガラス2枚窓、2次車以降は曲面ガラスを採用したパノラミックウインドウである。連結面は1次車は300形のものをそのまま継承した雨樋が通った丸妻、片運転台の260形3次車の車体を流用した2次車609~612と3次車613-614は張り上げ屋根の丸妻、両運転台の260形2次車の車体を流用した3次車615-616と4次車617~620は運転台跡の客室化も併せて施行したので切妻となっている。
登場時、1次車は下段上昇・上段上昇の二段窓で、下部には桟(保護棒)が取り付けられていたが、2次車が下段固定・上段上昇の保護棒なしで登場し、1次車もそれに倣って改造された。これらは次に登場した700形にも引き継がれている。
制御方式は界磁位相制御(6000系と同じ)で、15km/h~70km/hの範囲で定速走行が可能である。ブレーキは当初はSME-RD(発電・回生制動併用非常管併設三管式直通空気制動)だったが、架線電圧1500V昇圧対応改造時に空気ブレーキは電気指令式に変更され、700形と運転取扱いを共通化している。
大津線系統では初の冷房車であり、登場時から1997年10月までは京津線の準急にも使われていたが、京都市営地下鉄東西線開業後は800系に京津線を任せ、700形とともに石山坂本線で運用している。2003年10月4日からワンマン運転を実施したため、運転台の近くには進行方向に向かって左側の扉を開けるドアスイッチが新設され、ドアチャイムを採用した。
京津線には運用上入線することはないが、夏のビール電車や冬のおでん電車等の臨時列車として四宮まで入線することもある。
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