個人情報
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個人情報(こじんじょうほう)とは、各個々人を識別することができる情報を指す。
[編集] 概要
現代社会ではコンピュータの利用が一般的になり、様々な業務でデータの集積が進んでいるが、こうした情報が無制限に利用できるとなると、個人のプライバシーに関わる内容までが第三者に容易に把握されてしまう危惧が高まってきた(例えば、クレジットカードの利用状況、出身校、勤務先、家族構成、通院歴など各種のデータが結合されてしまうと、個人の私生活が露わになってしまうおそれがある)。そのため、個人情報の取扱いに関心が高まり、規制が必要とされ、法制度の整備が行われてきた。 しかし、職業上公開せねばならない情報も多々あるため現状ではあいまいな点がのこってる。
個人情報には
などが該当するが、一般には2つ以上が結合された状態で個人を特定できなければ、個人情報とはみなされない。例えば、年収と職業だけが判っていたとしても、その情報から個人を特定することはできない。
個人情報の保護に関する法律の定義では、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により「特定の個人を識別することができるもの」(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるもの=例えば学籍番号など=を含む)をいう。
最近ではメールアドレスに個人名を使う人もいる為に、メールアドレスも個人情報に入るとされている。
これらの個人情報は、現在ではコンピュータデータベースの形で記録されていることが多く、データがCDやDVDなどのメディアに容易にコピーできるため個人情報漏洩が起こりやすい。
- 公的機関
公的機関には、家族構成や保有資産、所得、通院状況など、大量の個人情報が納められており、それだけに情報資産の管理を徹底する必要性が高い。公的機関に対する情報公開請求でも、個人情報は非公開とされる場合が多い。しかし、近年、外部民間企業への業務委託(外注、アウトソーシング)も進んできており、公務員法上の守秘義務のない民間企業社員が個人情報に接触できることが危惧されている。
なお、公的機関の保有する個人情報のうち、住民票については、第三者の閲覧と内容の転記が法的に認められているため、便利屋などの人海戦術などにより住民票データが第三者に収集されていることが多く、ダイレクトメール発信などの営業用に利用されている。最近ではこれを悪用した犯罪も起きており、閲覧を制限する自治体も多くなっている。
- 民間企業
民間企業の場合、データの収集は、通信販売のほか、メンバーズカードやポイントカードなどの作成時、懸賞クイズ、景品プレゼントなどで行われることが多い。また各種の名簿を売買する名簿屋も業として成り立っている。
2003年に個人情報保護法が国会で可決、2005年4月1日より施行され企業による個人情報の収集が厳しく制限されることとなった。
このため、個人情報が印刷された書類は出張シュレッダ車によって裁断処分されることが増えている。参考:出張シュレッダ車
- 家庭
家庭の場合、ゴミとして出した郵便物が何者かによって収集された場合、少なくとも住所と氏名が流出する。郵便物によっては、クレジットカード番号や銀行口座番号なども併せて流出し、犯罪の被害に遭う危険性が高まる。このため、郵便物をシュレッダーで裁断後にゴミとして出す家庭が増えている。