勘定科目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
勘定科目(かんじょう・かもく)とは、複式簿記の仕訳や財務諸表などに用いる、表示金額の名目をあらわす科目のことである。 単に「勘定」と呼ばれることも多い。
目次 |
[編集] 概要
簿記上の取引はすべて仕訳によって分類される。仕訳においては、貸借対照表または損益計算書における終局的な位置(借方か貸方)にその勘定科目があれば、その勘定科目の増加を表し、反対側にあれば、その勘定科目が減少することを意味するというルールがある。
例えば、現金や土地勘定は借方(左側)が貸借対照表の終局的な位置であることから、
(借方)土地 10,000,000 /(貸方)現金 10,000,000
と仕訳を行った場合、現金の減少と、土地の増加を表すこととなる。つまり、これは「キャッシュ1,000万円で土地を買った」ことを表すのである。<詳しくは仕訳を参照>
この現金や土地などの、金額の前についているのが勘定科目である。
[編集] 主な勘定科目
ここに示すのは広く用いられている科目名の一部であり、企業や書籍などによって多少異なることがある。それぞれは「OO勘定」と呼ばれる。
[編集] 資産
借方が増加、貸方が減少になるもの。
- 現金(げんきん)
- 当座預金(とうざよきん)
- 普通預金(ふつうよきん)
- 有価証券(ゆうかしょうけん)
- 商品(しょうひん)
- 製品(せいひん)
- 材料(ざいりょう)
- 半製品(はんせいひん)
- 仕掛品(しかかりひん)
- 積送品(せきそうひん)
- 試用品(しようひん)
- 未着品(みちゃくひん)
- 受取手形(うけとりてがた)
- 売掛金(うりかけきん)
- 割賦売掛金(かっぷうりかけきん)
- 貸付金(かしつけきん)
- 未収金(みしゅうきん)
- 立替金(たてかえきん)
- 前払金(まえばらいきん)
- 前払費用(まえばらいひよう)
- 未収収益(みしゅうしゅうえき)
- 商標権(しょうひょうけん)
- 創立費(そうりつひ)
- 新株発行費(しんかぶはっこうひ)
[編集] 評価勘定
借方が減少、貸方を増加とし、上記資産の正味価値を示す。
[編集] 負債
借方が減少、貸方が増加になるもの
- 支払手形(しはらいてがた)
- 買掛金(かいかけきん)
- 割引手形(わりびきてがた)
- 譲渡手形(じょうとてがた)
- 借入金(かりいれきん)
- 預り金(あずかりきん)
- 未払金(みばらいきん)
- 前受金(まえうけきん)
- 予約販売前受金(よやくはんばいまえうけきん)
- 未払費用(みばらいひよう)
- 前受収益(まえうけしゅうえき)
- 社債(しゃさい)
[編集] 資本
借方が減少、貸方が増加になるもの
- 資本金(しほんきん)
- 資本準備金(しほんじゅんびきん)
[編集] 収益
借方が減少、貸方が発生(増加)になるもの
- 売上(うりあげ)
- 受取利息(うけとりりそく)
- 受取家賃(うけとりやちん)
- 受取配当金(うけとりはいとうきん)
- 固定資産売却益(こていしさんばいきゃくえき)
- 有価証券売却益(ゆうかしょうけんばいきゃくえき)
- 有価証券利息(ゆうかしょうけんりそく)
- 為替差益(かわせさえき)
- 雑益(ざつえき)
[編集] 費用
借方が発生(増加)、貸方が減少になるもの
- 仕入(しいれ)
- 販売費(はんばいひ)
- 一般管理費(いっぱんかんりひ)
- 棚卸減耗費(たなおろしげんもうひ)
- 商品評価損(しょうひんひょうかそん)
- 給料(きゅうりょう)
- 支払利息(しはらいりそく)
- 支払家賃(しはらいやちん)
- 社債利息(しゃさいりそく)
- 水道光熱費(すいどうこうねつひ)
- 交通費(こうつうひ)
- 通信費(つうしんひ)
- 消耗品費(しょうもうひんひ)
- 取替費(とりかえひ)
- 雑費(ざっぴ)
- 減価償却費(げんかしょうきゃくひ)
- 固定資産売却損(こていしさんばいきゃくそん)
- 有価証券売却損(ゆうかしょうけんばいきゃくそん)
- 為替差損(かわせさそん)
- 雑損(ざっそん)
[編集] そのほか
決算時に一時的に使ったり、他の帳簿とのつながりを表したりするもの
- 損益(そんえき)