国土開発幹線自動車道
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国土開発幹線自動車道(こくどかいはつかんせんじどうしゃどう)(略して国幹道)とは、「国土開発幹線自動車道建設法」に基づき建設することが定められた道路のこと。高規格幹線道路のひとつ。
この法律は、「国土開発縦貫自動車道建設法」など6つの旧道路建設法を整理統合してできたもので、約7600kmの予定路線が定められた。1987年に、第四次全国総合開発計画(四全総)に基づいて従前の路線を延伸、または新たな路線を追加した法改正が行われ、現在の延長は11520kmとなっている。
国幹道は、国土開発幹線自動車道建設法第1条で、「国土の普遍的開発をはかり、画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期するとともに、産業発展の不可欠の基盤たる全国的な高速自動車交通網を新たに形成させるため、国土を縦貫し、又は横断する高速幹線自動車道」と謳われている。
国幹道は、予定路線のうち基本計画が決定した区間から順次高速自動車国道に指定される。1999年の第32回国幹審までに、予定路線の92%にあたる延長10607kmの区間が基本計画の、また9342kmの区間が整備計画の策定を終えている。
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[編集] 予定路線
国土開発幹線自動車道建設法で規定されている予定路線を以下に示す。
- 北海道縦貫自動車道(北海道函館市~室蘭市付近~札幌市~岩見沢市~旭川市付近~稚内市)
- 北海道横断自動車道
- 根室線(北海道寿都郡黒松内町~虻田郡倶知安町付近~小樽市~札幌市~夕張市付近~帯広市付近~足寄郡足寄町付近~釧路市~根室市)
- 網走線((根室線に同じ)~足寄郡足寄町付近~北見市~網走市)
- 東北縦貫自動車道
- 弘前線(東京都~浦和市~館林市~宇都宮市~福島市~仙台市~盛岡市~鹿角市~弘前市~青森市)
- 八戸線((弘前線に同じ)~盛岡市~八戸市~青森市)
- 東北横断自動車道
- 釜石秋田線(釜石市~花巻市付近~北上市~横手市付近~秋田市)
- 酒田線(仙台市~山形市付近~鶴岡市付近~酒田市)
- いわき新潟線(いわき市~会津若松市付近~新潟市)
- 日本海沿岸東北自動車道(新潟市~村上市付近~鶴岡市付近~酒田市付近~秋田市付近~能代市付近~大館市付近~青森市)
- 東北中央自動車道(相馬市~福島市付近~米沢市付近~山形市付近~新庄市付近~横手市)
- 関越自動車道
- 新潟線(東京都~川越市~本庄市~前橋市~新潟市)
- 上越線(東京都~川越市~本庄市~高崎市付近~長野市付近~上越市)
- 常磐自動車道(東京都~柏市~土浦市~水戸市~いわき市~相馬市付近~仙台市)
- 東関東自動車道
- 館山線(東京都~習志野市~千葉市付近~木更津市~館山市)
- 水戸線(東京都~習志野市~鹿嶋市~水戸市)
- 北関東自動車道(高崎市~前橋市付近~宇都宮市付近~水戸市付近~ひたちなか市)
- 中央自動車道
- 富士吉田線(東京都~神奈川県津久井郡相模湖町~大月市~富士吉田市)
- 西宮線(東京都~神奈川県津久井郡相模湖町~大月市~甲府市~諏訪市~飯田市~中津川市~小牧市~大垣市~大津市~京都市~吹田市~西宮市)
- 長野線((西宮線に同じ)~諏訪市~松本市付近~長野市)
- 第一東海自動車道(東京都~横浜市~静岡市~浜松市~豊橋市~名古屋市~小牧市)
- 東海北陸自動車道(一宮市~関市~岐阜県大野郡荘川村付近~砺波市)
- 第二東海自動車道(東京都~厚木市付近~静岡市付近~名古屋市)
- 中部横断自動車道(静岡市清水~山梨県中巨摩郡甲西町付近~佐久市)
- 北陸自動車道(新潟市~上越市~富山市~金沢市~福井市~敦賀市~米原市)
- 近畿自動車道
- 伊勢線(名古屋市~四日市市~津市~伊勢市)
- 名古屋大阪線(名古屋市~四日市市~天理市~大阪市~吹田市)
- 名古屋神戸線(名古屋市~四日市市付近~大津市付近~京都市付近~高槻市付近~神戸市)
- 紀勢線(松原市~和歌山市~田辺市付近~新宮市付近~尾鷲市付近~三重県多気郡勢和村)
- 敦賀線(吹田市~三田市付近~福知山市~舞鶴市~小浜市付近~敦賀市)
- 中国縦貫自動車道(吹田市~宝塚市~加西市~宍粟市~津山市~三次市~島根県鹿足郡六日市町~山口市~下関市)
- 山陽自動車道(吹田市~神戸市付近~姫路市付近~岡山市付近~広島市~岩国市付近~山口市~宇部市付近~下関市)
- 中国横断自動車道
- 姫路鳥取線(姫路市~たつの市~宍粟市~兵庫県佐用郡佐用町~鳥取市)
- 岡山米子線(岡山市~岡山県真庭市~米子市~境港市)
- 尾道松江線(尾道市~三次市付近~松江市)
- 広島浜田線(広島市~広島県山県郡千代田町付近~浜田市)
- 山陰自動車道(鳥取市~米子市付近~松江市付近~浜田市付近~長門市付近~美祢市)
- 四国縦貫自動車道(徳島市~徳島県三好郡池田町付近~松山市付近~大洲市)
- 四国横断自動車道(阿南市~徳島市~高松市~川之江市付近~高知市付近~須崎市~四万十市付近~宇和島市付近~大洲市)
- 九州縦貫自動車道
- 鹿児島線(北九州市~福岡市~鳥栖市~熊本市~えびの市~鹿児島市)
- 宮崎線((鹿児島線に同じ)~えびの市~宮崎市)
- 九州横断自動車道
- 長崎大分線(長崎市~佐賀市~鳥栖市~甘木市~日田市付近~大分市)
- 延岡線(熊本県上益城郡御船町~宮崎県西臼杵郡高千穂町付近~延岡市)
- 東九州自動車道(北九州市~行橋市付近~大分市付近~延岡市付近~宮崎市付近~日南市付近~鹿屋市付近~鹿児島市)
[編集] 通行料金
通行料金は原則として走行距離に応じて料金を支払う対距離制がとられている。普通車を基準に1km当たり24.60円(2003年4月1日現在)および、料金所を1回通過するごとにターミナルチャージとして150円支払う。また、50円単位の料金設定のため、24捨25入により端数処理を行う。
トンネルや長大橋がある区間や、大都市近郊などの建設費が高くなるところでは料金が高く設定されている。
[編集] 車種間料金比率
- 軽自動車等:0.80
- 普通車:1.00
- 中型車:1.20
- 大型車:1.65
- 特大車:2.75
[編集] 均一制
利用1回ごとに料金を支払うのが均一制である。これは主に、インターチェンジ間が短い区間で行われている。入り口または出口のどちらか一方に料金所を設ければいいので料金事務の簡素化ができる。
[編集] 関連項目
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