男性語
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男性語(だんせいご)とは、男性特有の言い回しや言葉。男性の友人同士や、学校の同級生など、男性の仲間内では率直でくだけた(あるいは威圧的な、ぶっきらぼうな)印象の強い言葉が好まれる風潮があり、男性語が多用される。かつては女性が男性語を使うことへの抵抗が強く、戦前の新聞などでは女学生の書生言葉が非難されたりしたが、現在では女性が男性語とされた表現を使うこともある。
[編集] 日本語の男性語
男性語の起源には、武士語や、近世初頭に流行した奴言葉(旗本奴の言葉)や、幕末から明治時代の書生言葉、明治以降の学生言葉、日本軍の言葉などがある。
男性特有の表現としてまずあげられるのが、男性特有の一人称の使用である。『俺』『僕』『わし』『おいら』『小生』『自分』など多彩で、『私』(またはくだけた形での『あたし』)一辺倒の女性とは大きく異なる。女性が男性語を使うことへの抵抗が失われつつある現在でも、女性が『俺』『僕』という一人称を使うことには多大な抵抗がある(ボク少女を参照)。
二人称は、改まった場所では『あなた』だが、私的な場所では『お前』、『君』、が使われる。軍隊では『貴様』がよく使われた。
三人称は、『あいつ』『奴』『連中』など。
男性特有の語尾表現には『ぜ』『だぜ』『だろ』といったものがある。いずれもやや乱暴な表現であり、目上の人に使うと無作法とされる。また、書生言葉由来の古風な言葉として『たまえ』などがある。
また、動詞の頭に『ぶん』『ぶっ』などの強調語を使う。(『ぶん投げる』、『ぶっ叩く』など)『クソ』『バカ』などの強調語を好んで使う(『クソ暑い』、『バカでかい』など)者もいる。
その他、命令形はぶっきらぼうな形(『〜しろ』『〜見ろ』など)が率直で男らしいと好まれる傾向もある。呼びかけには『おい』という威丈高な表現が多用される。
名詞では『メシ』などが男性語に相当する。
[編集] 方言における男性語
標準語では男性語とされる『俺』『わし』『おら』などの表現も、方言では女性も使う地域がある。
[編集] 関連項目
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