米英戦争
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米英戦争(べいえいせんそう、War of 1812)は1812年6月-1814年12月、イギリス帝国とアメリカ合衆国との間で起きた戦争である。「1812年戦争」「アメリカ=イギリス戦争」「第二次独立戦争」とも呼ばれる。
ヨーロッパでのナポレオン戦争中、アメリカは中立を宣言するが、イギリスの海上封鎖に対して軋轢が強まり、アメリカはイギリスに1812年6月、宣戦布告する。こうして始まったのが米英戦争である。当時の大統領は第4代大統領ジェームズ・マディスン。
アメリカはカナダの奪取をねらったが失敗し、海軍もイギリス海軍に封鎖された。
1814年、ヨーロッパでのナポレオン敗北をうけてイギリスはその軍事力をアメリカに振り向け、それによって首都ワシントンD.C.は陥落、大統領官邸も焼けてしまう。
ちなみに戦後、大統領官邸を改修する際に、このときの焼け焦げを隠すために真っ白なペンキを塗ったことから、大統領官邸はホワイトハウスと呼ばれるようになった。
またこの戦争で最も熾烈な戦いといわれるのが「マックヘンリー要塞の戦い」である。イギリス軍の間断ない砲撃に対し、アメリカ兵は独立戦争時に作られたボルチモアのマックヘンリー要塞に立てこもって戦った。彼らは25時間に及ぶ激戦に耐え、停戦後にも風になびく星条旗は伝説となった。これを見たフランシス・スコット・キーは星条旗を称える詩を詠み、この詩『Star Spangled Banner』には後にメロディがつけられて現在のアメリカ国歌となった。
1814年12月にガン条約が結ばれて米英戦争は終結した。この条約の締結後のことではあったが、アンドリュー・ジャクソン率いる民兵軍がニューオーリンズでイギリス軍を撃破している(ニューオーリンズの戦い)。
戦争中にイギリス商品の輸入がストップしたため、アメリカの経済的な自立が促され、アメリカ国内の多くの産業が発展した。
このため米英戦争は、政治的な独立を果たした「独立戦争」に対して、経済的な独立を果たしたという意味で「第二次独立戦争」とも呼ばれている。
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